“そいつは俺のもの”『ハン・ソロ』(ネタバレ)


Solo: A Star Wars Story Official Trailer

 スター・ウォーズスピンオフ!

 最速の運び屋として知られるハン・ソロ、その若き日とは……? 最高の相棒チューバッカとの出会い、愛機ミレニアム・ファルコンとの邂逅、そしてかつて愛した女性……。ソロの青春時代が紐解かれる!

 『21ジャンプストリート』の監督兄弟が干され、ロン・ハワードが再撮影したという映画。まあこの時点で相当に心配になるわけだが、その危惧は当たっていたと言えるしそうでないとも言えるな……。

 ハン・ソロがエピソード4でルークに出会う前の話、ということで、まあだいたい想像はつくわけである。愛機ミレニアム・ファルコンをいかにして手に入れたか、相棒のチューイやランドとの出逢いは、友情の芽生えは、そして若きハン・ソロはどのように愛を失ったのか……そんなエピソードが小粋な感じで語られるに違いない。果たして、映画は一歩もその予想を外れず、なるほどとは確かに思わせるものの、新鮮味のないエピソードが延々と続くのである。

chateaudif.hatenadiary.com
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 まあハン・ソロもチューイも4以降の活躍が控えてるわけだから、もちろん死んでしまったりするはずがないのだが、さすがにこれはハラハラしないにもほどがあるのではなかろうか。しようがないので、今作にしか出ないエミリア・クラークが腹かっさばいて悲劇のヒロインになるのを期待したが、こちらもまあまあ強くてそんな簡単に死んだりしないのでありました。代わりに女性型のドロイドが見事にバラバラになったりして笑ったが……。

 ただまあ、まったく面白くないかというとそういうわけでもなく、新鮮味はないながらもお約束はことごとく押さえ、ああスター・ウォーズ観てますね、という感覚だけは豊富。この点に関してはEP7をも凌ぐのではないかな……。職人ロン・ハワードが地面スレスレをベッタベタに低空飛行かつ高速で駆け抜けていくようで、リスクの大きいジャンプや飛行は決してしない。上手い……無駄がない……手堅い……。

 ハン・ソロ役はオールデン・エアエンライクさんということだが、これはデヴィッド・オイェロウォと並んで絶対に覚えられない名前になりそうな予感……。いや、この人自体は一生懸命に「ハン・ソロ・スマイル」をしていて大変健気だったし、演技も似せて頑張っていたと思うんだがね。

 ダース・モールは生きていたということらしいんだが、何かそれって今後のネタとして意味あるの? 次のスピンオフ企画もなかったことになりそうだし、なんとも煮え切らない映画でありました。