pixiv FACTORYで本を作った話

 このブログでもお知らせしていたが、この二年ほど、ずーっとゾイドの二次創作小説を書いていた。
 pixiv上で無料公開という形で連載し、先日、無事に完結。延べアクセスは20000ちょい。通して読んでくれた人はおそらく50人弱であろうか? わずかながら反響もいただけたし、まったくありがたいことである。

 さて、その拙作はwebにあって無料で読めるのだが、pixivにはpixiv factoryというサービスがあり、これを活用すれば紙の本も作れるという。無料で読めるものをわざわざ買う人はいないだろうが、作者本人、すなわちオレ様だけは別だ。

factory.pixiv.net


 原稿を作った後、それを自分だけの販売サイトにアップする。誰でも買える。

chateaudif.booth.pm



 

 ……あまりにあっけなく作れて、簡単に家に届いてしまったので、若干、拍子抜けした。まるで本みたいではないか(本なんだよ)。
 文庫本と同じサイズで、一冊につき最大200p弱まで。いわゆる「薄い本」である。

 連載では文庫本800〜900ページぐらいの話を、四十回ぐらいに分けてアップしていた。これをそのまま製本することもできるが、webで読みやすいレイアウトと紙で読みやすいレイアウトは少し違うし、目次等の設定も必要なので、非公開で製本用のデータをpixiv上に作る。これが紙版のベースになる。三部作プラス外伝だったが、一作目7冊、外伝1冊、二作目5冊、三作目5冊という構成になった。

 データが出来れば、あとは簡単だ。表紙も自動で作られるし、表題をつけ紙を指定すれば、いつでも印刷できる本がweb上に誕生する。
 これはオンデマンド本と言うらしく、注文があってから初めて印刷される。だから、作者が見本をもらえるといったことはない。
 仕方ないので自分で注文した。ページ数が増えれば増えるほど高くなるので、少々値段は張る。如何に市井の文庫本が値段が抑えられているか、わかるというものである。ページ数の少ないイラスト、漫画本ならもう少し値段が抑えられるのだろう。正直、小説本は割に合わない。特にこんな大長編となると……。

 ……とはいえ、実にいい眺めである。売れずとも、究極の自己満足として本棚に存在してくれるのだから、こんなに嬉しいことはない。これを眺めながら酒でも飲みたい。
 売れるあてがある人もない人も、ぜひ一回、作って見てほしい。