”愛は地球を救う”『コードギアス 亡国のアキト 最終章 愛シキモノタチヘ』


コードギアス 亡国のアキト 最終章 劇場予告

 ついに最終章!

 戦力を三分の一にまで減らしながらも、シン率いるユーロ・ブリタニア軍は、ヴァイスボルフ城への攻撃を開始する。アシュレイを加え、改良されたアレクサンダ部隊でそれを迎え撃つアキトたち。レイラの必死の指揮と防戦もむなしく、徐々に防衛線は切り崩されていくが……。

chateaudif.hatenadiary.com
chateaudif.hatenadiary.com
chateaudif.hatenadiary.com
chateaudif.hatenadiary.com

 公開延期して仕上げただけあって、戦闘シーンは映像、構成ともに今作中トップで、まさにクライマックスにふさわしいものになった。一時間のランタイム中、ほぼノンストップで戦いっぱなし、ずーっと攻城戦で通してるからな。アレクサンダも軒並み改造され、主人公機もパワーアップだ!
 が、アレクサンダはせっかくあの四つ足になったりするギミックが面白かったんだから、そっちを貫いてどんどん異形化していったほうが良かったんじゃないかな。いや、地を這う奴隷のイレブンがやがて甲冑をまとった騎士となる……みたいなイメージが付与されているんだろうけど、それってどうもベタではないでしょうか。

 ベタと言えばとにかくお話は全編がベタで、悪役であるシンさんの前回あたりから理性的イメージが吹っ飛んで「全てを滅ぼせ」とか言い出したのが愛によって救われる展開とか、味方側の主要キャラは誰も死なないハッピーエンドとか、なんかな……見ててかゆいんだよ、この「愛は地球を救う」みたいな展開……だからこのサブタイトルなんだろうが。
 ただまあ、そうしてベタを貫いたからこその満足感、安心感みたいなものは確かにあり、こうして五話分のお話にオチをつけてまとめることができました、ということで、それ以上のものを求めても最初から無理であったのかもしれない。だが、『コードギアス』というブランドに何を求めるか、というと、そういうお約束を「ギアス」という設定を駆使して超えた衝撃展開とその先のドラマなんじゃないか、という気がするのよね。

 ギアス自体は登場するけど、終盤にきても全然活用されず使ってるのは過去回想だけ、というのはさすがに苦しい。目があの模様になればそれっぽくなるというわけでないし、いきなり現実世界から消えてしまうという展開も特に意味もなく戻ってきてしまい刺身のツマ程度。『コードギアス』っぽい設定をなんとなく散りばめては見たが、いまいち活かせていないのだよな。
 そして、テレビシリーズとの連続性を強調するために登場したルルーシュとスザクも、今回はもう話とまったく関係ないので、開き直ったようにただ座ってるだけ!

 1〜4まで、いかに『コードギアス』としてのアイデンティティを見出せるか考えつつ見てきたが、結局のところ形と世界設定だけいただいた外伝というラインを超えられず、話もベタベタであるなら、果たして存在意義はあったのか……。まあ凡作であり駄作ではないというラインならクリアしていると思うし、それはそれで売れればいいのかもしれないな……。

 結局終わってみても、あの司令室のオペレーターの女どもの顔と名前をまったく一致させられなかったのが、何とも痛恨の極みである。あと、オッサンとなんかデブがいたよね、確か……。いや、それは印象に残るエピソードを全然用意しなかった作り手側のせいであろうが、まるでこちらが真面目に見ていないかのようではないか。そんなはずはない!

ROBOT魂 [SIDE KMF] アレクサンダ (アキト機)

ROBOT魂 [SIDE KMF] アレクサンダ (アキト機)