”次元の壁を超えて”『ウォークラフト』
ダンカン・ジョーンズ最新作!
平和な時代の続いていた王国アゼロスに、突如侵略者が現れる。オークと呼ばれる種族が、次元の扉を開いて異世界から侵攻してきたのだ。アゼロスの騎士であるローサーは国のため、王のため、妻子のために、守護者と呼ばれる魔法使いを訪ね、そこで強大な闇の力が動いていることを知るのだが……。
『月に囚われた男』『ミッション8ミニッツ』とSF続きだったダンカン・ジョーンズ、新作はゲームの映画化ですよ。まあ日本ではほとんど知名度のないゲームですが、まあ基本設定はよくあるファンタジーなので、わかりやすいんではないかな。
chateaudif.hatenadiary.com
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人間と、エルフやドワーフが暮らす世界に、突如、荒廃しきった異世界から次元の扉を開けてオークたちが侵入してくる。人間はオークという存在を見るのは初めてで、オーク側には人間が少数だがいるらしい。それだけならただの侵略ものだが、人間側だけでなくオーク側にも主人公を置いて、両者の立場を対等に描く。互いに争いを好まないキャラがいて、不可避とも思える激突に向かう様を憂う……。
全然顔はわからんのだけど、オーク側にも有名キャストを配置し(ダニエル・ウーなど……)、あくまでバランスはイーブン。さらに両者の混血であるキャラも登場して、将来的に架け橋となることを匂わせる。
基本設定を調べればわかることなのだが、このゲーム自体のストーリーは、続編が出てまだまだ延々続くのだな。当然、この映画の中ではそのすべては網羅できず、両者が痛み分けした時点で途中で終わってしまうことになる。設定的にはこの後で一時的にオークが勝つらしいしな。アメリカではコケて、中国では大当たりという『パシフィック・リム』と同じく続編ができるかどうかにはひと揉めもふた揉めもありそうな……。
超古典の『ロード・オブ・ザ・リング』に比べると、CG全開で全体的に派手派手。特に魔法のエフェクトが派手で、守護者たる大魔法使いのベン・フォスターが、テレポートに光の壁などを駆使して大活躍……なんだが、この人は『疑惑のチャンピオン』に続いてまた闇落ちしてしまうのであった……。力に取り憑かれすぎだよ!
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世界観の再現度は高いのだろうし、グリフォンも格好良かったが、物語的には着地点が読めないので、少々読み解きづらい。争いが永遠に続く世界、ぐらいに解釈して、そこで生きるその儚さと切なさに着目すべきであろうか。そうするとダンカン・ジョーンズの作風にもマッチしてくるのだが、いかんせん、この続きが描かれないことにははっきりせんなあ。でも続編ができるかは微妙そうね。
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