今日の買い物

霊幻道士』BD

霊幻道士〈日本語吹替収録版〉 [Blu-ray]

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 DVDから買い換え。キョンシーブームを起こした伝説の映画。ラム・チェンインさんはやっぱり最高だな。


スプライス』BD

 DVDから買い換え。ナタリ監督作。『カンパニー・マン』も頼む!


『スリザー』BD

 DVDから買い換え。ジェームズ・ガン監督作。

”通天閣は心斎橋じゃない”『GANTZ:O』


『GANTZ:O』特報 第二弾

 『GANTZ』がCGアニメで映画化。

 オニ星人との死闘の果てにリーダー玄野計を失い、弱体化した東京チーム。新メンバーである加藤勝を加えて次に転送された先は、すでに大阪チームが戦い始めた道頓堀だった。「ぬらりひょん」と呼ばれるターゲットの元、妖怪たちが百鬼夜行を繰り広げる中、熾烈な戦いが始まる……。

 実写版はもちろん見ていないが、今作はそれより後の時系列、「O」のタイトル通り大阪編を抜粋して映画化。なんだ……ONIのOじゃないのか、と言うぐらいオニ星人編が好きな僕ですが、まああれも坂田さんや風のキャラ立ちがあってこそのものなんで、単発の映画にするならスケールデカくてギミックの面白い大阪編になるかな。

 その坂田さんや風などサブキャラはすでに死んだことになっていて、玄野、加藤、レイカ、おっちゃん、西くんぐらいしか主要人物は出てこない。が、カットされたと言うよりは、冒頭の玄野の死も含め、そうしてキャラクターが死んだことによってストーリーが分岐し、原作と違うパラレルな展開になったように思える。もし玄野が……もし加藤が……と想像して、キャラが減ってチームの戦闘力が低下し、より不利になった状況をシミュレーションした話と捉えても面白いかもしれない。
 まあ大阪チームも星人側もキャラが減っているので、単に尺の都合で切っただけと見ても全然問題ないが……。

 大筋の流れは原作とほぼ同じだが、正義感溢れる加藤のキャラクターは誰であろうと助けようとするから、生き返らせる対象が玄野じゃなくとも話が成立するのだな。もちろんキャラが減っているので、見せ場も減って縮小版のような印象は否めないが、単純にバランスだけ考えたらこぢんまりとうまくまとめたな、と思わせる。

 原作もCGで描かれているので、CGアニメの表現と相性も良かったのだろうが、今回はMX4Dで見たのも幸いして、振動や水しぶきのエフェクトも含めて十二分に世界観を味わえたように思う。正直、話は知っている上に縮小版なので、普通の2D上映だと割合淡々と観てしまったかもな、という気がするね。

 ビジュアルの再現度も高く、総じて良かったと思うが、バトルの組み立てはもう少しサプライズが欲しかったところでもあるな。吸血鬼がいないので、西くんの活躍が増えるあたりなど、配役的にこれしかないところだったのが逆に見え見えで、もう一捻りが欲しかったところである。

 ところで、大ボスのぬらりひょんの初登場カットが通天閣の上にいるシーンがあるのだが……あれ、何で通天閣なんだ? 他の舞台はすべて道頓堀なのに、あそこだけ違和感が……。いや、地元民じゃなきゃ近所みたいな認識なのかもしれないが、駅にすると二駅ちょい、2キロは離れているぞ。交通は麻痺しているだろうし、堺筋さえ空いていれば、あのバイクに乗ったらあっという間に着くのは間違いないが、そもそも串カツ屋は道頓堀にもあるわけで、なぜ新世界までわざわざ行ってまた戻ってきたのか、超謎だ……! そもそも信号で区切られてるゾーンはそこまで広かったのか……?
 まあ大阪だから、ということで安直に出したんだろうが、大阪以外の人が見たら、通天閣が道頓堀にあるって勘違いしはるやないかっ!

”愛憎は止まらない”『香港、華麗なるオフィスライフ』


『香港、華麗なるオフィス・ライフ』予告編

 ジョニー・トー監督作!

 香港にそびえる巨大総合商社ジョーンズ&サン。女社長のチャンは会長の愛人でありながら、敏腕の経営者として鳴らしていた。巨大な取引が進む中、副社長のデイヴィッドは密かに会社の金を使って投資を進め、さらにチャンをも通じて野望の実現を図るのだが……。

 東京ではカリコレで先んじて上映してましたが、大阪では遅れて公開。今作はミュージカルということで、チョウ・ユンファがゲスト出演。ちょっと普段のジョニー・トー映画とは毛色が違いますね。
 主演の一人であるシルヴィア・チャンが自ら脚本・演出を手掛けた舞台のミュージカルとして、オリジナルが割とかっちり存在している、ということで、ストーリーもこれまたジョニー・トー印ではなく、ノワール路線はおろか、一連のワイ・カーファイとの共作や恋愛ものとも違うテイスト。

 では新境地なのか……というと……? 会社上層部内の軋轢と愛憎、権力争いと愛人関係という図式がまず古臭い。もちろんミュージカルなのでそれを大仰に歌い上げ、情緒的に煽る。そこに絡んでくる新人社員二人、一人は社長の娘という若い力……。

 すでにお金の話としては『奪命金』という傑作を撮っているジョニー・トーなので、いかにも新鮮味がなく、状況描写も社内が中心なので、他社との駆け引きもいまいち実態が見えてこない。テクニカルさよりも、ドロドロの愛憎がオフィスライフを動かし、昼ドラ的な華麗と言うより陰湿なやりとりが繰り返され、それをウェットな演技と大仰な歌唱が煽る……という、まあミュージカルなんだからそりゃそうなんだろうが、見てて疲れる代物であったわ。

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 若い力がその状況を打破し切り開いて行く……というよりも、上の自滅が原因で、結果はともかくその上の人たちの行動にも一本筋が通っているかと、まあ原因は愛憎なんでどうも場当たり的なのだよね。

 さすがにオフィス内や地下鉄などをスケルトンで構成した豪華セットは見所であったが、これはジョニー・トー映画なんで、香港の街や建物がセットとCGというのは悲しいな……。『単身男女』のオフィス描写そのままで、香港の街中で踊り狂ったら面白かっただろうに。

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 やっぱりちょっと資質に合ってなかったんじゃないか、という映画で、なかなかにもやもやさせられました。次は『三人行』に期待だ。

ドラッグ・ウォー / 毒戦 [DVD]

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”君はここにいた”『ダゲレオタイプの女』


黒沢清監督 海外初進出作品/映画『ダゲレオタイプの女』特報

 黒沢清監督作。

 銀板写真家ステファンの助手になったジャンは、その不可思議な世界に惹かれるとともに、モデルを務めるステファンの娘マリーと恋に落ちていく。同じくモデルを長期間務め、自殺したというマリーの母ドゥニーズの気配が色濃く残る屋敷で、二人はやがてステファンの支配からの脱出を企てるのだが……。

 まだ『クリーピー』も記憶に新しいところですが、こちらも黒沢清。時系列的には少し前に撮ってるのかな? 全編フランスでの撮影、キャストもスタッフも全員海外勢とのことで、ヨーロッパでも人気の高い監督ならではだな……。

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 しかしながら、やっていることはいつも通りで、まあ問題の家に入った瞬間の不穏さがただ事じゃないですね。『岸辺の旅』でもあった幽霊と生身の人間の関わりが物語のベースになりつつ、相容れないはずの二つの物が交わる瞬間を描く。
 事前番組見てたら監督が「生と死の境目がなくなる感じ……わかる?」と主演の人に聞いたら「わかります」と言われ、「えっ、わかるの?」「聖闘士星矢のセブン・センシズですよね」と答えられて目を白黒させてしまった……というエピソードを語っていた。こりゃ大丈夫なのか、と思ったが、主演のタハール・ラヒムさんはさすがの情感、別に役者がわかっていようがわかっていなかろうが演出で見せるのが黒沢清だと思うが、そこはきちっとムードを出してくれましたね。
 いや、大切なものがすでになくなってしまっていると薄々感づきつつ、でも認めたくないあの感じね……。『岸辺の旅』のタダノビー夫と同じく、まるで生身のようにリアルに感じられ、触れ合えさえするのだけれど、でもそれは生きているのとはやはりまったく違うのだ。そういった状況を呼び起こす触媒が「ダゲレオタイプ」であり、それを撮り続ける芸術家の狂気なのだな。

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 主人公が練習で撮ろうとすると、写真家が「身分をわきまえろ、ボケが」みたいなことを言ってやめさせるのだが、実に宗教的と言うか、選ばれし神官でなければ触れてはならぬ「穢れ」がそこにあるようで面白い。それもまた写真家の独善であるわけだが……。
 中学ぐらいまでは同級生に必ず「写真を撮られると魂が抜かれる!」なんて言う奴がいて、ああアホなんだな……と思ったものだが、タイトルの「ダゲレオタイプ」の銀板写真は、それもあながち与太ではないと思わせる説得力に満ち溢れていて、なるほど、これならば人の魂の一欠片を現世に永遠に焼き付けるのではないか、と思わせる。

 意外に写真を撮るシーンは少なく、前半に集中しているため、少々拍子抜けした感はあるが、後半は銀板写真によって呼び覚まされたものを中心に描くことになる。
 黒沢清映画、『クリーピー』の「まだまだ行くぞ〜!」などでもそうなのだが、台詞回しが面白いんだけれど時々狙いすぎで上滑りしていたり、説明的すぎるように感じる時があったのだが、今作は何せフランス語なのでヒアリングできず、字幕というワンクッションを挟んでいるだけに、かえって演技や演出に集中して観られたところ。いやあ、浸れるな……。
 待っているのは当然、悲しい結末だが、死者との関係もまた生きている人間次第である、ということなのだな……。取り殺されるしかなかった父と、つかの間でも幸せな時間を得られた主人公と……。
 長続きしない、いずれ消えるとわかっていながら、それでもずっと側にいたい、ずっと見ていたい………という主人公の気持ちと、その時まさに映画のラストシーンを見ている自分の終わってほしくない気持ちが重なったな。温室で「カリスマだ!」、お母さんに「回路だ!」、車が事故ったところで「岸辺の旅だあ!」と毎度大騒ぎしつつ、最後にまた違ったところに連れて行ってもらったような感覚。最後の「旅」は、いつものクロマキー合成の異界へ渡るのではなく、ほんの束の間だけ幸福を味わえる世界へ行けたような……。ただしそれも、静謐にそびえ立って見えるエッフェル塔に象徴される、幸福ではあるけれど他人は存在しない、幻の世界なのかもしれないね。
 いつもの黒沢清なんだけど、非常にスマートで、おフランス力も感じさせる映画でありました。銘品!

回路 [DVD]

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カリスマ [DVD]

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”鬼畜の園へ”『八仙飯店之人肉饅頭』


『スーパークレイジー極悪列伝』 予告篇

 アンソニー・ウォン主演作!

 マカオの海辺で、腐敗しバラバラになった人間の手足が発見される。切断面から殺人の疑いありと見たマカオ警察は捜査に動き出す。やがて、辛うじて取れた指紋から行方不明の老婆を割り出した警察は、彼女の親族が経営する食堂「八仙飯店」を訪ねる。だが、そこはウォンという男が一人店主に収まり、店の持ち主だったはずの一家は行方をくらませていた……。

 以前、『エボラ・シンドローム』『タクシーハンター』とまとめて公開されてましたが、今回は単独で、某劇場の企画上映にて上映。前回は観られなかったのでありがたい限りであります。

 昔、VHSで観たはずだが、当時はアンソニー・ウォンのこともよく知らなかったな……。今回の上映はBDだが、販売用DVDのマスターをアップコンバートしたものか、画質は大したことなかった。テレビで観るには充分だが、劇場では物足りないレベル。さらに、スタンダード画面を上下カットしたか、いわゆる「貧乏ビスタ」になっていて、登場人物の頭が切れる箇所もチラホラ……。まあ最高の環境とは言い難かったですね。

 が、やっぱり映画は面白く、ジョニー・トー映画や『インファナル・アフェア』で渋さが認知される以前からアンソニー・ウォンはすごい! 狂気じみた目の血走り様、非人間性を感じさせる顔芸……。
 血や内臓に一切嫌悪がなく、人体を解体することに何のためらいもないこのキャラクターは、当然、女子供であろうが容赦なく切り刻み、バラバラにし、ミンチへと加工していくのである。
 バックボーンなど一切明かされず、非常に怪物的に描かれているのだが、かといって行動パターンが一貫しないわけでもなく、全てにおいて自己中心的な性格でもあるのだな。自由な間は自分だけは大丈夫と思っているし、お前の物は俺の物精神が炸裂する。逮捕されれば無実、無実、無実と言い張り……。

 舞台がマカオということで、死刑制度がなかったり、香港への渡航が制限されたり、両警察の軋轢もあったりと、この地ならではの展開も多数あり。ハーマン・ヤウ監督はゆるゆるのマカオ警察をコミカルに描きつつ、惨殺シーンにもそこはかとないユーモアを漂わす。かなり誇張はされているが、一応は実話ベースということで、非常に救いなく後味悪く、司法や警察の限界までも浮かび上がる展開にはなかなかの深みがあり、一筋縄ではいかない映画ですね。

”魔女は俺が倒す”『ラスト・ウィッチ・ハンター』


『ラスト・ウィッチ・ハンター』予告編

 ヴィン・ディーゼル主演作!

 かつて、魔女の女王を滅ぼすも呪いを受け不死となり、800年生き続けている戦士コールダー。ウィッチ・ハンターとして現代で人間と共存できない魔女を駆る彼だが、ある日、相棒であるドーラン神父の36代目が何者かに殺されてしまう。37代目ドーランとともに敵の正体を探る彼に、思いもかけない形で仇敵が立ちはだかる……。

 『高偏ゾン』と同時に公開されましたが、あちらは三週、こちらは二週で終了という憂き目に遭いました。まあスクリーン足りなくて打ち切りだな……みんな『君の名は。』が悪いんや……。

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 魔女狩りの時代から生き続ける男がヴィン・ディーゼル。魔女によって妻子を失い、復讐のために魔女の女王と戦い、死闘の末倒したものの末期の呪いによって不死にされてしまった、という設定。その頃は髪の毛とヒゲがあったが、時代は流れ現代。すっかり垢抜け、スキンヘッドで決めるように……完全にいつものヴィン・ディーゼルです。
 その昔、『ペケ』という4コマ漫画で、現代にタイムスリップして来た桃太郎が「高橋秀樹」というあだ名をつけられ、最初は「鉄のイノシシだ!」とかお約束の反応をしてたのが、段々と平成の世にも適応してすっかり垢抜けていた……というのを思い出しましたね。

 現代においては魔女の血族は散り散りになり、男女問わず能力の継承者がそこかしこにいて、ヴィン・ディーゼルは最後のウィッチ・ハンターとして、悪意がない人は保護して魔力を濫用しないようにし、悪者は成敗する、という仕事にたずさわっている。助手はマイケル・ケイン。魔女狩り時代の相棒の後継者の後継者の後継者の……今や36代目。見た目はもちろんマイケル・ケインの方が爺さんだが、ヴィン・ディーゼルは800年生きてるので若造呼ばわりだ!

 どこが特別面白いか、ということもないのだが、普通に退屈せずに見ていられる映画で、まあこれはハゲのスター性ゆえかな……。作中でもモテモテで、世界中を飛び回りつつ常にフライトアテンダントに声をかけてお楽しみ、という設定。しかしヒロインの子は地味な魔女っ子で、死んだ妻ともスッチーともタイプが全然違ってて、こういう子と付き合って再び真面目になる……というのは、マッチョからの卒業みたいで面白い。

 不老不死の呪いには、未だ現存する魔女の心臓が介在していることが明らかになり、後半はその心臓の行方を追う戦いに……この設定は、『スーサイド・スクワッド』のエンチャントレスのエピソードを独立させたような感じね。心臓を取り戻し、復活した魔女の女王は、かつてヨーロッパを席巻した黒死病の呪いを再び解き放つ……! このカタストロフィ描写は、大量の蝿などいかにも魔女っぽくストーリー的にも整理されて、やっぱり悪役を一キャラに絞るとちゃんと描き込めるんだなあ、と当たり前のことを考えたのであった。

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 37代目の助手としてイライジャ・ウッドも登場し、なんだか相変わらずの役だったな……。マイケル・ケインの後継は映画によってトビー・マグワイアだったりイライジャ・ウッドだったりするのだが、傾向としてはどことなく似ているような気がしますね。

 まあ特別オススメもしないが、見て損というほどではない、という映画……これだけ早く上映終わってはどうしようもないがな!

今日の買い物

『モンキー・フィスト 猿拳』BD

 ユン・ピョウ主演作! デアゴスティーニからのBDですが、画質は大したことありません。



『ミスターGO』BD

ミスターGO! [Blu-ray]

ミスターGO! [Blu-ray]

 シュー・チャオ主演、ゴリラが野球する!