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”僕はここにいていいんだ”『スーサイド・スクワッド』


映画『スーサイド・スクワッド』日本版最終予告編

 DCユニバース最新作!

 スーパーマン登場以後、政府はデミヒューマンへの危険視を強め、同じくデミヒューマンや犯罪者たちで構成された特殊部隊スーサイド・スクワッドを結成する。捨て駒としての犯罪者たちのみで構成された最悪の部隊は、世界の危機である魔女の暴走に対し投入されるのだが……。

 バットマン他に登場するヴィランが集結し、悪の部隊を結成という話をデヴィッド・エアー監督が映画化。
 各ヴィランは最初から逮捕されて刑務所に入っており、大変悪いお顔をしたヴィオラ・デイヴィスが、今後もスーパーマンみたいな怪物が荒れ狂っても対策を打てるように、悪党で超人部隊を作ろうと提案。彼らのプロフィールを解説する。
 のっけからダラダラと説明的なのだが、マーゴット・ロビーハーレイ・クインとウィル・スミスのデッドショットだけ長くて、その後に出てくるメンバーはどんどん短くなっていくから笑った。映画としては推しが露骨だということだが、ヴィオラ・デイヴィスのキャラは何を思ってこんな(以下略)みたいな説明をしたんだろうね。

 その後も各キャラの行動を交えて紹介が続くのだが、脇キャラのバックボーンがばっさり切られているので、ハーレイとウィル・スミスのバディムービーでもいいんじゃないか、という気がしてくる。しかしそもそもハーレイはバット持ってるだけの女だし、ウィル・スミスは射撃がうまいだけの男なので、超人部隊という体裁を整えるには火を出す奴とかワニ男が必要なのだな。でも別にブーメラン男とか、「ホリョダ!」のアダム・ビーチとかいらんよね。

 さらに、本来なら超人部隊と同じ手駒の一つだった魔女が裏切って逃げ出したせいで、用意しかけていた部隊がたまたま必要になりました……という、なんだこのマッチポンプ感は……すごい内輪めいた話で、まったく緊張感がない。でもまあ、魔女は世界を滅ぼすだけの力を持っているのだから、なんとかしないといけないんだ!
 ページをめくると大ゴマで、悪役が世界を滅ぼそうとしていて、周りの人が「WOW!」「BOMB!」とか言ってる……というのがアメコミに対する浅薄なイメージなんだが、その通りに展開するのでなんだかなあ、という感じ。

 相当、編集で切ったらしく、権力者と手打ちしたはずのウィル・スミスが次に牢を出る場面でまた看守に抵抗してたり、どうにも辻褄が合わないつなぎが多くなっているのも盛り上がりを削ぎ、ずーっと面白くないまま続く。非常にわかりづらい、入り込みにくい話になっているが、 「アメコミの素養が必要」「ユニバース構想はやっぱりマーベルが」とか大げさな話じゃなく、単純にメンバーが集まってスーサイド・スクワッドを結成するまでをパート1で描き、続編を魔女との戦いにして、90分ずつにすれば普通に面白くなったんじゃないかな、という気もした。

 しかし後半に入って盛り上がるかというとそうでもなく、いつの間にかよくわからないことに廃墟になっている無人の街中で、無個性な量産型の脇役と延々撃ち合うシーンが続くと、もう起きているのも辛い。この時点では主役メンバーもまったくやる気がないし。
 が、『フューリー』のブラピ神主催のお食事シーンもひどかったが、やる気出すはずの今作の酒場のシーンもやたらとじめじめして、何を言ってるのかわからない。

chateaudif.hatenadiary.com

 そして魔女との戦い……。技が決まった→解説→次はあの手だ! という、アメコミ的なもっさりしたコマ割りをそのまま映像にしちゃうと、こんなにもダサくカッコ悪いのか、と衝撃を受ける。しかもそれがクライマックスだからな……。
 スモークの中で大勢が何をするでもなく、突っ立つかウロウロする間抜けな絵面にも驚いた。そして決めは……スローモーション! これがそれなりに金かかってる超大作なのか……?
 魔女二刀流からのチャンバラ、殴り合いの末、武器を引っ込めた魔女が「もう飽きた」と全員の武器を奪っちゃう展開にもビックリ。さっきまでのチャンバラは何だったんだ?

 全編まんべんなく面白くなくて、終盤で全てぶち壊しにした『ファンタスティック・フォー』とまた違う肌触りのつまらなさだった。やっぱり前振りなしで「有名」キャラ集合!というのは無理がある。確かにジョーカーは知っているが、このジャレッド・レトジョーカーが今までに何をした人なのかに関しては、よくわからないんだよな。ジャック・ニコルソンジョーカーとかヒース・レジャージョーカーがやったことは参考にならんし。アメコミ読んでなんとなくイメージ作ってきてください、ということであろうか。まあジャレッド・レトはそれなりに熱演したそうで、これもカットの弊害なのかもしれない。あまり活躍しない白塗りの人、ぐらいの印象だしな。
 逆に綺麗なジョーカーが出てくる夢は、TVエヴァの最終回のようで爆笑した。

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 時々出てくるベンアフバットマン、初めて観たけど、ケツアゴ以前に露出してる顎が無精髭だらけで超汚いな……。でもベン・アフレック自体の演技は、こいつら成敗してやるぜという意思を常に感じさせて、いつもみたいにぼんやりしてなくてなかなかいいと思う。

 話の都合で刑務所に最初から集まって、続編の都合でまた刑務所に戻されるあたりも含め、何もかもが様々な事情によって縛られている印象を強く受けましたね。これでは面白くなるはずもないし、監督も腕を振るえないわな。これが最後のDC映画観賞になってしまうかな……。

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