『機動戦士ガンダムUC 2 ユニコーンの日(下)』福井晴敏

 2冊目〜。


 あ〜、福井さんが己の文章力でコロニー内部とかを綿密に描写したいのはわかるんだけど……。
 なんというかね……「もう見た事あるから!」という気分がどうしても拭えない。いや、細かい描写には確かに「へえ〜、コロニーのここらへんってこんな風になってるんだ……」と思わせるところもあるんだけど、でもそれは単にそういう設定を作ってあるってだけで、もしアニメだったらば、一瞬のカットで流されるところ。そこを描くのが小説ならではの味わい、と言いたいのかもしれないが、ここまでねっちりやる必要があるのか?と考えたくなる。単に設定の矛盾を突かれるのがいやでやってるとは思いたくないが……。


 実際、アニメだったら1話のとこを贅沢に紙面使ってやってるのはいいことだが、ちょっと間延びしてる印象。脇役の心理などをきっちり描いてるのは、のちのち効いてくると思うし、無駄にはならないだろうが……。


 ……とまあ、こんなグチグチ考えながら読んでたのは、実はフラストレーションがたまってたんだな。「あれ」は……「あれ」はまだ出ないのか?
 強化人間が「ファンネル!」と叫ぶお約束のシーンを通過し、ついに主人公が乗り込んだ。一本角の白き獣……「ユニコーン」の名を冠されたモビルスーツに……。武装なしで、その強化人間の新型機をパワーで圧倒。ついに放たれたファンネルの火線にさらされた時、純白の外装が展開され、一角獣はその秘められた真の姿を明らかにする……! あれは……!?


ガンダムだと!?」


 いや〜、素晴らしい。これぐらいは当然やってくれると思っていたが、やっぱりお約束は外さないぜ、福井晴敏。カッコいい〜!


 さて、仮面の男やら、謎の血縁者やら、ライバルキャラも続々と登場し、主人公の前途は多難。なんとはなしに歯痒い感覚を抱きながらも、この作品に付き合う日々は続きそうだ。


 あ、なんか富野御大が、来年これが映画化、と、外国のイベントで発言したそうです。えええええ〜、「00」もやるっていうのに〜?