"これ誰？　情報量にパンク寸前！"『機動戦士ガンダムUC2　赤い彗星』

　BD発売に先駆けて先行公開。

　覚醒した可能性の獣……ガンダムタイプに変化したユニコーンは、その性能でクシャトリヤを圧倒し、ネオジオンを撃退する。だが、新たな敵はすぐそこまで迫っていた。シャアの再来と呼ばれる男……ネオジオンの現総帥、フル・フロンタルが、真紅のモビルスーツ・シナンジュを駆り戦場へと現れる。次々に撃破されるネェル・アーガマのMS隊。オードリー……いや、ミネバ・ザビを人質に取ったダグザだが、交渉は決裂。人々をを守るため、バナージはユニコーンで再び出撃するのだが……。

　頭についてた「前回のあらすじ」長っ！　なんだこりゃ、本編じゃないよな。特典映像か？　あらすじ終わったところで、隣の兄ちゃんが時計見たのでちょっと笑った。

　さ〜、ようやく続きが見れるよ〜。しかし、やはり新鮮さは薄れていた。前回はおおおおお、と思ったファンネルの挙動にも大きな驚きはない。戦闘シーンの演出は素晴らしいのだが、ハイライトが前回と同じNT-D起動（しかも同じ曲がかかる）なので、ちょっと物足りない。
　赤い軌跡を引くユニコーンの高機動戦闘の演出は良かったし、外れまくるビームマグナムが面白い。普通にテレビのガンダムなら、雑魚敵を何機も何機も吹き飛ばすはずのシーンだろう。が、ほぼ赤いモビルスーツにかわされる。これは、かっこいいとこを見せておもちゃを売るための演出じゃないということだな。
　シナンジュも、まあ地味だ……。本読んだ時も地味だと思ったが、基本素早いだけだからな。必殺武器持ってないし。ここは福井君がオタク的に攻めた部分なんだよな。逆にリディが何か健闘しているように見えるぐらいのパワーバランス。

　さて、前回は謎が謎を呼ぶ展開、ということで、
http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20100311/1268311054
　あまり説明的にならず勢いで押し切れば良かったと思うのだが、今回はその設定の裏の部分が色々と露呈するはずの話。う〜ん、さすがに説明不足のような気がして来た……。こっちは小説読んでるからだいたいわかるんだけど、アニメしか見ないガノタは、ついてきてるのか？　いや、筋はわかるだろうけど、福井小説は延々と地の文でキャラクターの心理を書き込んでしまうので、そこを単に筋通りに映像化しただけでは、それが伝わらないような……。そのせいか、箱、箱、と何回もうるさいので、そっちの大変さはまあ伝わるんだが、逆に状況の描写は何か説明的になってきた。
　そして部分部分に説明的なわりに、後半のパラオ内での演出などは、どうも舌足らずに感じる。もっと中の民間人の日常を描くべきだし、あの子供とのやり取りだけでは、彼らの境遇がいまいち伝わらない。小説はそこらへんをねっちり書き込んだからこそ優れた作品になったのだし。
　マリーダについても、視聴者は散々モビルスーツ戦闘を見て、サンライズカットでバナージと激突するのを見ているわけだが、そこで「マリーダさんもモビルスーツに乗ったりするんですか？」と言われても、えっ、まだ知らないのか？　と思ってしまう。無線とか通じてなかったっけ？　もっとマリーダがパイロットではない、と勘違いするような描写が欲しいところ。あのジンネマンと共にバナージを連行するシーンなどで、士官クラスでないと思う方がおかしい。

　ちょっとバランス悪くなって来たかな。映像だけでは説明不足、台詞の部分は過剰……いかん、これではただの下手な演出ではないか。これ誰？と思われそうなキャラも多い。あのアナハイムのデブの人が重要キャラだと気づいている人はいるのだろうか……。情報量が半端ない原作だけに、処理を誤るとこれから苦しくなりそうだ……。

　ま〜でも、マリーダかわいいよマリーダ。ガキ持ち上げるとことか最高！　これからあんなことやこんなことになる、福井君の嗜虐性の犠牲者なわけだが、映像でも遠慮せずにお願いします！　すまない……オードリーには……萌えないんだ……。
　そして、デルタプラス最高。ハンガーに立ってるだけでカッコ良すぎ。オレも乗りたい（笑）。

　さて、盛り上がって来たところで、

　
　「今度は……ここが戦場になるのか！？」

　……続く。

　またかよ！　これからがいいとこなのに！　赤い彗星大活躍の戦闘シーンが中盤に終わってしまう構成なのでしようがないんだけど、物足りんなあ。ランタイム一時間弱、映画なら半分の時間だからな。

　次回は三月！　ただ、小説も次の巻が面白かったので今度は期待している。燃えるところはまだまだこれからだからな！　次回予告では裸祭りもあったよ！