『7つの贈り物』

 今年、試写会一本目。公開は2月21日。


 過去にあった出来事により、心に傷を負った男。彼は、ある目的のために7人の男女を選び出し、密かに接近する。なんのために? なぜ彼らを? 行く末に待ち受ける衝撃と感動の真相とは……?


 ウィル・スミス主演作なのだが……すごかった……ものすごいオレ様映画……。


 序盤はややサスペンスフルなのだが、どうも主人公ウィル・スミスは悪い人間じゃあないな、とわかり、7人の間の共通点がなんとなく見えてきた時点で、だいたいの展開は読めてくる。退屈になり、眠くなり、この単純なお話でいったい何を見せたいのだろう?としばらく頭の上をクエスチョンマークが飛び交ったのだが……。


 映画とは、シナリオのみで観るものにあらず。画面に映っているものに、全ての意図は表現されている……。画面上にあるのは、苦悩する男、涙する男、影を背負って佇む男、絶望する男、わずかな幸福を見出す男……全部ウィル・スミス! わかったわかった、なるほど、良く見たら製作もウィル・スミスじゃん! 大スター様による「オレ様を撮れ!」的映画、文句のつけようのない善人でありながら苦悩するオレ様の演技を余すところなく収めておけ、というコンセプトだっ!


 あ〜あ〜、やっちゃったなあ。さすがはビッグスター。もはや黒いトム・クルーズだね。『ザ・エージェント』とか出てた頃の奴と、フィルモグラフィーが被るよ。
 スター様のイメージを壊さないために作られたお話は、いくらなんでも綺麗ごとすぎ。いや〜、凄かった。こういうナルシーなものが平然と作られるハリウッドのシステムには、むしろ敬意を表したいね。