ゾイド小説『戦場の突風』西方大陸編

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 ゾイドの小説を書いています。
 え〜、ゾイドとは何か、というところから話を始めると面倒なのですが、80年代に始まり、今も玩具展開やアニメの放映など、メディアミックスが続くシリーズです。
 20世紀に一度、終了しましたが、2000年代に初のアニメ化とともに復活。今作はその頃の展開を下敷きにしたストーリーになります。
 『ゾイドバトルストーリー』と呼ばれる公式のストーリーと年表があり、それに即したお話の展開になります。正直言いまして、原典を知らないとチンプンカンプンかもしれない。原典である『ゾイドバトルストーリー』『ゾイド公式ファンブック』は紙媒体で出ていましたが絶版となっています。まあググれば出てこないこともないですが……。

 拙作はその中でもZAC2099年から始まった西方大陸戦争を皮切りに、暗黒大陸、中央大陸を舞台に繰り広げられた戦いを、名も無き兵士たちの視点から描いています。こう書くと硬派な感じがしますが、まったくそんなことはありません。
 当時のオフィシャルなストーリーが、いささか煮え切らない感をもって終了したのですが、まあそれ自体はしようがないことかな、と思っておりました。で、10年ほど前に書いたのが第一話に当たる「砂漠に吹く突風」の回です。元々はこれ一本だけ、砂漠に取り残された二人の兵士を描いた、ワンシチュエーションの短編のつもりでした。ただ、何せ年表と後のストーリーは存在しているので、さて、拙作の登場人物たちはその後、どんな道を歩むのかな、と言うことを考え出したら色々と出来てきて、8年に渡る物語の大筋がぼんやりと生まれました。ただまあ、なかなかの分量になるし、壮大すぎてとても書ききれないのがわかりきっていたので、頭の中で彷徨うに任せ、10年の間、寝る前に布団の中で筋を反芻するだけに止まっていました。

 しかし、昨年末、形になることはなかろうと思っていたものが、急に出口を求めて自己主張を始めました。まあちょっとだけ続きを書いてみるか、ざざっとダイジェスト程度でもいいしな、と軽い気持ちで書き始めたらなぜか止まらなくなり、新しい展開はどんどん出てくるわ、キャラクターは勝手にしゃべりだすわで、ほとんど自動手記人形のような勢いで書き続け、四ヶ月を過ぎる頃には、文庫で900ページ近い分量になっておりました。若い頃に書いては投げ出しを繰り返していたのが嘘のようで、まさか完成するとは思いませんでした。これがおそらく「物語が降りてくる」という現象なのだと思います。

 小学生の頃から続いてきた自分のゾイド熱の集大成に、結果としてなったと思います。公式ストーリーやアニメへのオマージュなども含め、自分の好きなもののごった煮のようで、クオリティはともかくとして、自分以外誰も書かないものであることは間違いないので、公開してみることにしました。なんとなくネットの海に流せば「なんかこれ好き!」「あのゾイドの活躍を見たかった」という人のアンテナに、いつか引っ掛かるかもしれません。

 物語は、レッドラストの砂漠から幕を開けます。それでは、はじまりはじまり。

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