”尻vs尻”『リベンジ』


【映画 予告編】 REVENGE リベンジ(2017年)

 砂漠で大逆襲!

 砂漠の別荘で不倫相手のリチャードと過ごすジェニファー。だが、リチャードの狩猟仲間のスタンとディミトリが日程を間違えて1日早く現れたことで、事態は急変する。ジェニファーに欲望を剥き出しにして迫るスタン。犯された彼女は、リチャードに怒りを訴えるのだが……。

 メンズデイに観たら、見事に男性客ばかりだった。8割おっさん、2割にいちゃん。主人公は『サバイビング・ゲーム』みたいに最初からハンティングの獲物として連れてこられた……というわけではなく、単にリーダー格の男の不倫相手。リーダーは狩猟が趣味、砂漠に別荘持ってる金持ち、妻子あり、マッチョでイケメンだがなんとなくウィル・フェレルに似ている。何か別荘地の近くで狩猟大会に出る様子で、チームメイトが来る前に数日早く来て不倫をお楽しんでいる。
 主人公は別荘ライフとセックスを楽しみ、狩猟仲間と入れ違いに帰る予定……だったのだが、1日早くむさ苦しい男二人が登場。金持ちリーダーとは経済格差を感じるヒゲとデブ。行きがかり上、その夜はパーティして酒飲んで葉っぱやって大騒ぎ。使ったやつが自分の脚を縫った、という強烈な噂のある幻覚剤にはさすがに手を出さず、これはヒロインが隠しておくことに。

 翌朝、リーダーは狩猟のエントリーに出かけ、残った主人公は帰り支度……だが、昨日ダンスしたことで勘違いしたヒゲが迫って来て、あえなくレイプされる憂き目に……デブは知らんふり。帰ってきたリーダーは慌てふためくが、ヒゲには怒りつつも彼女には「これだけ振り込むから……」と金で黙らせようとする。「ふざけんな! 奥さんにバラす!」と怒るとビンタ! 家を飛び出した主人公は崖に追い詰められ、ついには突き落とされ口封じされるのだった。落下点の枯れ木が腹を貫通。ガクッ……。

 血だらけになって完全に死んでるビジュアルなんだが、今作のキャラはしぶとい! 落ちたライターを拾い、枯れ芝に火をつけ、枯れ木を燃やして脆くして脱出するという荒業。熱そうだし煙で失神しそうだし、どうも実現性は高くなさそうだが……。
 「死体」を始末しようと戻ってきた男たちは、消えてるもんだからびっくり仰天。こうして人間狩りが始まる。

 格的には金持ち>ヒゲ>デブの順なのが明白だが、ばらけて追跡した結果、真っ先に惨殺されるデブ! 「負傷した素人の女」相手ということで完全に舐めきっていたのが災いした感ありだが、結局三人ともずーっと「女ごときに」と思ってるのが敗因だな。ナイフで顔面えぐられたデブが川に沈む時、ナイフ引き抜いた穴から空気が漏れるシーンがこの映画の名シーン第4位でありました。

第3位……腹撃たれて出血した全裸男がサランラップ巻きつけて血を止めようとする
第2位……幻覚剤で完全にイッてしまったことを表現する目の演技
第1位……足の裏に深々と刺さったガラス片を必死こいて引き抜く時の痛そうな顔

 低予算だが、細かい工夫に役者の全力演技でカバーし、スラップスティックコメディの色合いもあって、ワンシチュエーションを飽きさせない工夫が詰まっている。
 しかしやたらと尻にこだわる映画で、主人公のトレードマークはお尻。ベッドでの浮気野郎のお尻への言及に始まり、何回もパンツを履き替え、その都度違う食い込みっぷりを見せる。最後に履いてたパンツは血と砂で汚れて真っ黒になり、いい感じにサバイバルショーツ感を出しつつ、やっぱり食い込むのだった。
 最終対決は、男もマッチョ尻で対抗! ボカシもあるよ!

 血の量込みでなかなか楽しめる映画でありました。