”ハイエナと踊れ”『カンフー・ヨガ』
ジャッキーがインド映画とコラボ!
古代、天竺と唐の争いによって失われた秘宝を求め、中国の考古学者ジャックと、インドの考古学者アスミタは協力して調査を開始。一枚の古い地図の謎を解き、秘宝の鍵となる「シヴァの目」を探す。だが、秘宝を追う謎の一味が迫り、チームにも裏切りが……。
ワールドワイドに活躍するジャッキー、アジア圏においても韓国や日本の役者を起用して若手のフックアップを図っているのだが、今作ではついにインド進出と相成りました。
近作『スキップ・トレース』ではロシア行ったりモンゴルを横断してたりしていたので、まあ今更どこへ行っても驚くことはないだろうと思うんだが、さあインドはどうかな……?
結論から言うと、まったくいつものジャッキー映画であり、前述のロシアやらモンゴルやらがインドに変わっただけだったな……。まったくジャッキー映画の文法を壊さず、『THE MYTH』(一応、これの続編らしいぞ)や『ライジング・ドラゴン』でもおなじみの宝探し系の新作として、「文化財を守ろう!」という熱い正論を語るジャッキーメッセージ。その中でちょいちょいと小技アクションを披露……。大掛かりな(と言っても数m飛んだり車の屋根に飛びつく程度だが)アクションは若手にやらせて、ジャッキー自身は決めどころでちょいちょい頑張る感じね。
ドバイで水着でオークションしたのちカーチェイスするあたり、激しく既視感を覚えるワイスピっぷりだったりするが、特筆すべきはインド描写で、笛吹いて縄を立てたり蛇を操ったり空中浮遊している行者の側で戦うあたり、さすがにちょっとベタ過ぎやしないか、フジヤマゲイシャレベルの扱いにインドの人は怒り出さないのか、と心配になってしまう。
宝探しの達人だ!と持て囃されるたびに、「一介の学者ですよ」とたしなめるジャッキーの謙虚さこそが今作のテーマで、大量の金塊を前にしても「お宝に目が眩んではならない」と諭す。その割に資料価値高そうな古文書で人を殴ってたりするあたりが、やっぱりいつものジャッキー映画で最高なんですがね……。
NGシーンはないんだが、クライマックスだけはインド映画らしく群舞で締める。いや、これを観るために100分観てきたような多幸感。登場人物もスタッフも全員参加で、悪役も改心?して混じっている。ダンスは途中でもうちょいやっても良かったかもしれないが、まあいいか……。
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