"絵姿にトキメキ!?"『新流星蝴蝶剣』
- 出版社/メーカー: ツイン
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武術の一派「快活林」の頭首であるコウは、因縁の敵「聚賢山荘」の抹殺を領主に命ぜられる。自身の幼なじみでもある剣士シンとイプの二人を差し向け、密書を奪おうとするコウ。結婚を控えたシン、そのシンを愛しているコウ、密かにコウに恋慕するイプ……。思いの絡む中、暗闘の幕が上がる……。
さて、キャリア序盤は脇役も多いドニーさんですが、今回もまたもそんな役回りで相棒役。主演はトニーさんことトニー・レオンで、さすがに主役強奪しようにも人気があり過ぎてダメだった……という感じでしょうか。ミシェル・ヨーも共演し、アクションも華やかなんですが、ワイヤーワーク全開で身体能力やスキルの見せ所にも乏しく、ここでも目立てない! カット割がスピーディ過ぎて何やってるかわからないところがあったり、敵の身体を打ち抜く演出でまったく同じことを二回やってたり、チン・シウトン演出としてはいささか精緻さを欠く印象ですね。それでも空中二段蹴りを叩き込んで暴れるドニーさんですが……。さらに今作、武術界制覇を目論むミシェル・ヨーだけがやる気満々で、その子分格のトニー&ドニーは全然モチベーションがないので、数々の対決シーンもさっぱり盛り上がらんのですな。敵側の武術家も「長年の宿敵だから戦わねば」みたいな空っぽの描き方しかされていないし……。さらに最後はゲスト出演の台湾アイドルがスピニングバードキックと共に美味しいところを持っていくといういい加減な作り。さらにその後で敵にとどめを刺すのは一応ドニーさんなんだけど、そのあたりとか、もうね……。
まあでも、ストーリー的には見せ場もあります! モテモテのトニー・レオンが、ジョイ・ウォンと結婚しながらも年上のミシェル・ヨーにも愛されているというラッキーなご身分で、そのミシェル・ヨーに密かに惚れているのがドニーさんという役回り。恋情は募りますが全然相手にされず、ついに墨で描いたミシェル・ヨーの絵にチューするドニーさん……! 口元に墨なんかつけて、そんなピュアな感じについつい失笑してしまいますが、この報われない感じ、実は後の出演作でも定番ですね。昨年公開の『画皮』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20120829/1346162024 )でヴィッキー・チャオに捨てられ、『孫文の義士団』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20110312/1299929052 )ではファン・ビンビンに捨てられ……強いけど家庭人としては破綻している人、というのが一つのパターンになっていますね。ドニー・イェン本人は愛妻家なんですがね……。
悲恋パターンは『新ドラゴン危機一発』などもありますが、『ドラゴン危機一発’97』も好きですね。後半、老いた組織のボスであるドニーさんが、彼の命を狙う若者に対し、
「私が君に勝るところもあるが、敵わないところもある。私には、私のために命を投げ出そうとする恋人はいない」
と、重々しい表情で語る(その過去には悲しい記憶が……!)というところ。これら数々の悲恋ものも、今作があってこそのものであったのかもしれないですね。
しかしミシェル・ヨーが野心家で、武術界制覇のみならず、ドニーを袖にしてトニーを略奪したいと願う欲張りな人なので、この人が黒幕なんでは、と思ってしまったよ。そうでなくてホッとしましたが、しかしこんな図々しい女にそこまで入れ込まんでも……。さて、この次はまたもミシェル・ヨーと共演の『詠春拳』に続きますよ!
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