"廊下ではズボンぐらい履きましょう"『彼が二度愛したS』
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会社でも孤独な会計士のジョナサンは、ある日、弁護士のワイアットと出会って意気投合する。彼と電話を取り違えたことで、NYの会員制セックスクラブを知った彼は、次第にそこにのめり込んでいく。何人かの女を相手にした後、ある時地下鉄で見かけた女と再会する。「S」の字の入ったキーホルダーを持つ謎めいた女に、やがて恋するようになるジョナサン。だが、それは恐るべき罠の一部だった……!
筋としてはありきたりで、全然どうってことない、先の全部読めるサスペンスなんだけど、演出と雰囲気と役者の演技で結構見せる。
ユアン・マクレガーが熟女の前でキョドッたり、白ブリーフでホテルの廊下をウロウロするシーンには、いたたまれない気持ちになるなあ。堅い仕事をやってて、あまり人付き合いがうまくなくて、男の友情やハニートラップにあっさり騙される、という定番のキャラ。後の『ゴーストライター』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20111010/1317906322)でもほぼこれだよね。
ヒュー・ジャックマンがあの人好きのする笑顔であっさりと籠絡し、ミシェル・ウィリアムズがあの強そうなのになんか頼りない風情で迫る! ユアンに太刀打ちできるわけがない!
後半逆襲しだしても、やっぱりユアンはユアン的な甘っちょろいキャラのままなんで、ついついまたやられないかハラハラしてしまうのだよね。構成はシンプルすぎて面白くないが、キャストの持ち味で見せる作品。
いかにも商業的要請でダメ出し食らって撮り足したっぽいラストの散漫さが惜しまれるが、監督の意図してた別エンディング(映像特典)も少々尻切れとんぼだね。主人公の成長や解放を描くにしては、ヒュー・ジャックマンのキャラが単にあくどい人で、ピカレスク的な理想像になりえていないし、もう一つの目標である愛の描き方も足りない。あれじゃ詐欺やらハニートラップやらの肯定になっちゃうだろ。
ユアン・マクレガーありきの企画に思えるが、製作はヒュー・ジャックマンの会社だそうで、ヒューがユアンと一回やってみたかった(いや、共演という意味ですよ……)から生まれた作品なのかな。
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