”ヒロインはいったい誰?”『詠春拳』
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叔母と共に豆腐屋を営む女武術家の詠春。かつては看板娘であったが、そこからも退き、腕を磨きつつ静かな日々を送っていた。だが、ある日、山賊に目を付けられた美女・艶娘を助けたことで、村ごと山賊に狙われるように。そんな中、かつての幼なじみである梁博滔がやってきて、艶娘を成長した詠春と勘違いしてしまい……。
時期的には、傑作『アイアン・モンキー』の少し後。ユエン・ウーピン監督作であるが、やっぱり他の監督が撮った『ドラゴン・バーニング』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20130223/1361587010 )『邪神拳』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20130226/1361875749 )『新流星蝴蝶剣』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20130306/1362486162 )の三作ぐらいとは、全然強度が違うわ〜。基本緩くて、人も死なない楽しいカンフー映画なんだけど、画面上で展開されるアクションシーンの密度の濃さと、意味付けの明確さがきっちりしているので、ちゃんと緊張感があるんだね。戦いがきっちり「攻防」になっていて、漫然としたところがない。
そのユエン・ウーピン演出下で、ドニーさんが本領発揮……と言いたいところであったが、主人公はあくまで詠春ことミシェル・ヨーで、ドニーさんはその幼なじみでヒロイン(!)ポジション。最後の戦いでも、ドニーさんが帰りを待つ男状態なので、詠春拳だからって『イップ・マン』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20110424/1303616111 )シリーズを期待すると壮絶に肩透かしを食いますから! ミシェル・ヨーが木人椿で特訓したり、ディフェンスでそれっぽい型を見せたりと、ところどころに登場しますがね。
そんな脇役のドニーさんですが、やはり動きは切れ切れなれど、作中のポジションがそんな感じなので、もっと強いはずなのに悪役にも苦戦。蹴り入れられて血を噴いたり、ろくな目に遭いません。恋愛話でも誤解から嫉妬の炎を燃やしたりして、色々と不遇だ……まあ今回は正統派ヒロインなので『新流星蝴蝶剣』みたいなことにはなりませんが。
街を襲う山賊と闘う、非常にローカルで牧歌的な話なんであるが、その山賊の頭としてチョイ・シウキョン出ていた! 『妖刀・斬首剣』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20111219/1324297718 )の宮本一郎ね。相変わらず男臭い顔で、カンフーもやや固いが力強い。ドニーさんとの対決が期待されたが、顔合わせ程度に終わり、ミシェル・ヨーと二度に渡る対決を繰り広げるのであった。でもこの戦いも良かったですよ。
ドニー・イェン映画としては萌え要素がアクションを上回るものの、映画単体としてはまずまずオススメの出来でありました。ウーピン御大に頭が上がらなかったのか、脇役ポジションをちゃんとこなしているのもこれぐらいか。ここ三作が面白くなかったので、正直辛くなっていたドニーマラソンですが、ここで持ち直したぜ! まだ続きます。
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