『紀元前一万年』

紀元前1万年 [Blu-ray]

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 遥かなる太古、誰も見たことない時代で、人類最初のヒーローが誕生する……!


 主人公はマンモスを狩って生活する民族の少年。後の人類最初のヒーローとなる男である。彼は家族を「四本足の悪魔」に殺された少女と運命的な出会いをする。
 村で孤独な立場にある少女に、父親に捨てられて孤独な彼は、空にある北極星を指差してこう言うのである。


「あの星は、あの同じ場所から動かない。あそこで永遠に輝いてる」


 ちなみに彼らの部族の台詞はみんな英語。


「俺にとって、おまえはあの星だ。いつも俺の胸の中で、輝いてる」


 出た〜! これが「人類最初のヒーロー」による「人類最初の口説き文句」だ〜!


 人類初の女の口説きは北極星だったということで、ぜひみなさん使ってみて下さい。しかしこれのどこが紀元前1万年なんだろう。10年前の間違いじゃなかろうか。


 謎の文明を持つ「四本足の悪魔」によってこの少女はさらわれ、主人公はそれを追って旅立つ。その途上で、同じように「四本足の悪魔」に家族を奪われた部族と邂逅するのだが、そこの部族のリーダーは、なぜか彼等の言葉を知っているのだ。それは村を離れた主人公の父親がそこにたどり着いた時に教えたということなのだが……。
 冷静に考えると、アフリカに住む黒人の部族で常に半裸だが、英語は勉強して話せる……って現代でも全然普通だよなあ。


 どこが紀元前なのかカオス状態のまま、主人公はピラミッドの建設現場に侵入。これもおかしいよな、歴史研究ではピラミッドの建設はせいぜい紀元前5000年だろ……と思ってたのだが、ここらへんには一応エクスキューズというか、「謎の文明」と合わせて仕掛けあり。ちょっと力技だけど……。


 「愛」「友情」「親子の絆」「種族を超えた団結」がテーマということで、全然悪い話じゃないんですけど、実に「現代的」だなあ。そういう意味では「オレたち優良民族は300人でもめちゃ強い! 劣等人種どもなんて100万人集まっても楽勝よ」という『300』の方が遥かに「前時代的」だったんですねえ。


 どうせ歴史考証なんか無茶苦茶なんだから、もっと徹底的にバカ映画にすれば良かったのに、突っ込みどころ以外に面白みがなかったところが残念。


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