“この星の支配者”『GODZILLA 決戦機動増殖都市』
CGゴジラ第二弾!
ゴジラ・アースに敗れ、ほとんどの戦力を失ったハルオらは、謎の部族に救われる。彼女らは2万年前、地球に取り残された人類の末裔なのか? 一方、ハルオらと行動を共にするビルサルドたちは、かつて自分たちが建造したものの起動直前に破壊されたメカゴジラが残存している可能性に気づく……。
完全に前作の続き。「神の卵」を崇める一族に救われた主人公たちは、300mを超えるゴジラに再度の決戦を挑むか、決断を強いられる。まあ普通に考えれば、こてんこてんにやられた後の残存戦力では勝ち目ゼロだが、かつて地球脱出の前に破棄されたビルサルドの秘密兵器メカゴジラがまだ存在しており、しかも元の姿ではなく、より拡張された要塞都市として地球の一部を作り変えるほどになっていたことがわかる。
いや、これを使ってゴジラをおびき寄せれば、前回ミニラを倒したのと同じ作戦のバージョンアップ版を展開して勝てるんじゃね?と色めき立つ地球人とビルサルドたち。だが、卵の一族は、その都市を危険だと警告する……。
小説版一巻で、生物兵器ヘドラを使って複数の怪獣を倒しているが、かえって甚大な被害が生じ、あのヘドラもまた「怪獣」と言える存在だったのではあるまいか、と言い残されている。今回で行きすぎた文明へのカウンターとしての怪獣が定義づけられ、地球人類に対するゴジラ、エクシフの星を滅ぼした「名前を言ってはいけないあの怪獣」がその存在と明言される。ではビルサルドはというと、地球に来てから彼らの技術力が生み出した自己再生、自己増殖する生きた機械……メカゴジラということになるのだな。怪獣をもって怪獣を倒そうとする行為は、結局勝ったところで強い方の怪獣が残るということに過ぎない。
メカゴジラに同化さえして行くビルサルドに対し、これまで闇雲にゴジラを倒そうとしていた地球人類は選択を迫られ、この流れは当然、三作目にも続くということになるかな。
テーマ的なことが見えてきて、話はかなり面白くなってきた。メカゴジラがバージョンアップして要塞都市になっているのもアイディアとして面白いし、「怪獣」の怪獣たる所以を付与して地球人にとってのゴジラ、ビルサルドにとってのメカゴジラとして完全に対比させたのもいい。
が、怪獣型じゃなくて都市になってるせいで絶望的なまでに絵面は動かなくなった。いや、金も時間も足りないのかな……。スピード感や威力の表現も「以前の3倍!」とか口で言っちゃうもんだから、かえってハードル上がりすぎてるような……どうももったいない内容だ。
完結編のネタは完全に前回予想した通りだったので自画自賛したいが、あとは「卵」の怪獣が絡むか否かだな。しかし、最後の名前を言うところがいわゆる「バンク」使いすぎで超長くて、あれは完全に計算を間違えているのではないか。引っ張ればいいというものではなかろう……。
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