まだまだ佐藤嘉洋。2010/5/30 「its showtime」 試合感想その2

 さてさて、続きです。

 もうちょっと佐藤の話ですけど、彼もかつては「判定上等、オレはローと膝で勝負する」というキャラだったんですな。しかし数々の敗北を味わい、それでも日本ではトップクラスに在り続けてMAXのメインアクトの座を確保し、「K-1で勝つ」ためにスタイルを変えて来た。付け焼き刃のボクシング修行じゃなく、同じ指導者の元で二人三脚で闘い方も肉体も作り替えてきた。

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 それはK-1で勝つためであり、K-1を盛り上げるためであり、K-1の恩義に報いるためであり……本当にK-1に全てを賭けて来た選手であると思う。物凄いプロ意識であるし、真面目さ、人柄の良さであると思う。彼がK-1向きじゃない、なんて、とんでもない話だ。口だけ達者でパンチだけ振り回すばかりの選手なんかより、ずっとずっとK-1に対して真摯に向き合っている。

 でも、あまりにK-1に特化しすぎたのではないか……と思わせたのが今回の敗北。技術や判定基準といった競技的な部分だけでなく、「K-1」という存在の求めるもの……視聴率、打ち合い倒し合い、プロモーターへの忠実さ……そしてそれを満たすことに対する恩恵……テレビでの露出、ギャラアップ含めた待遇……。かつて収入もろくにない海外時代を経てK-1に出陣し、その恩恵の確かさを誰よりも味わい、その恩義を感じているだけに……なにかそこに過剰に適応しすぎているような気がする。日記なんかを見ていても、生活全て、ものの考え方全てがK-1仕様になっているような……。

 簡単に言うと、よそのリングでぐらい、そんなしがらみをちょっと忘れて、無茶苦茶やってもいいんじゃないか?

 視聴率なんて気にしなくていい。そんな戦いしなくたっていいんだ。お見合いで距離測って、前蹴りで距離取って、組み膝連打からローにつなげても良かったんじゃないか。視聴率? 盛り上げ? 知らないよ、オレはローで判定勝ちするんだ……。かつて、そんな思いを持ってK-1を斜めから見てたんじゃなかったのか。K-1に出るなら、パンチで打ち合って会場盛り上げて、それはそれで結構。でも、海外の違うリングで闘う時ぐらい、昔の佐藤嘉洋に戻って闘えば良かったんじゃないか。相手は昔みたいにまたタイ人。かつてやった相手たちも、ああいう展開になれば平然と逃げ切りに入ったはずだ。そんなタイ人相手でも、イライラなんて間違ってもせず、顔色一つ変えず前に出て、ローを蹴り込んでいくひょろひょろだったあの頃のあんちくしょう、K-1になんて間違っても呼ばれなかった、エンターテイナーじゃない勝負師のあいつに戻ってさ……!


コスモ・アレクサンドラ(ブラジル) vs ニキー”ザ・ナチュラル”ホルツケン”(オランダ)

 アレクサンドラは77キロの王者か……でかいな……。しかしホルツケンがフック一発でダウン取ってしまった。うーむ、あのショートで効かせるかね……。
 アレクサンドラが前蹴りなんか蹴り出して、ブアカーオ戦でも思い出したかなんかちょっとその後は不発になってしまったが、やはり強い。今年もMAX本戦に絡んでくるか? 魔裟斗も「やりたくないな〜」と漏らしていたが、本当に凶器のような選手だ。

 続きます。


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