2010/5/2 K-1 -63kg日本トーナメント 試合感想
いや〜、試合数多かったね、そして長かった!
果たして番狂わせはあったのか?
サクサク行きましょうか!
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▼第1試合 −63kg Japan Tournament 1st ROUND 3分3R
○裕樹(リアルディール/初代RISE 60kg級王者)
KO 2R1分53秒 ※右ハイキック
●“狂拳”竹内裕二(菅原/第8代MA日本キックボクシング連盟スーパーフェザー級王者、第2代WMAF世界同級王者)
1ラウンドから、前蹴りで距離を取り、素早い出入りで縦のジャブ、強烈なフックを打ち込む竹内。裕樹のブロックが横を抜かれ、テンプルを叩かれてしまう。ボディも打って一ラウンドを完全に掌握。こりゃ相当研究してきてるな。賢く闘ってる。裕樹はローがクリーンヒットしない。
が、2ラウンド、やや距離を詰めたら、さっきまで当たらなかったローがヒットし始める。竹内は二発ぐらいで効いちゃったか、足が棒に! 裕樹もパンチが危ない距離に入ったのだが、リズムが狂った竹内のパンチの精度は上がらず。ロー効いたところに跳ね上がって来たハイキックが直撃!
あちゃ〜、狂拳の魔性はどこへやら、再戦で完敗。何かちょっと手堅くやろうとして、それが上手く行き過ぎてしまい、妙な色気が出てしまったのか……? 2ラウンドのペースの変化にまったく対応出来ず。
▼第2試合 −63kg Japan Tournament 1st ROUND 3分3R
○谷山俊樹(谷山/MA日本ライト級8位)
延長判定2−1 ※10−9、9−10、10−9
●卜部弘嵩(チームドラゴン/2007全日本新空手K-2軽中量級王者)
※本戦は1−0、30−30、30(卜部)−29、30−30
いや、なかなか元気はつらつとした打ち合いでしたな。
延長、序盤に手数押さえた卜部だが、これはチードラがいつも策に溺れるパターンやがね。後半攻めたが、谷山の手数に押し切られてしまった。
▼第3試合 −63kg Japan Tournament 1st ROUND 3分3R
○麻原将平(シルバーアックス)
判定3−0 ※29−28、30−27、29−28
●嶋田翔太(島田塾/K-1甲子園2009準優勝)
ガード下げ過ぎの嶋田。若いうちからこんないちびったことをしていると、とんでもないしっぺ返しをもらうぞよ。
しかし麻原のパンチもクリーンヒットはなし。2ラウンドに飛び膝でダウンを奪い、そのまま逃げ切り。嶋田も後半攻めたが、一発がなかった。
▼第4試合 −63kg Japan Tournament 1st ROUND 3分3R
○卜部功也(チームドラゴン/K-1甲子園2008準優勝)
判定3−0 ※三者とも30−28
●大石駿介(OISHI GYM/J-NETWORKスーパーライト級1位)
兄の敗戦を尻目に、ここは圧倒する卜部弟。大石はサウスポーのコンビネーションに釘付けにされ、攻撃をことごとく空かされる。最後まで悠々とペースをキープした卜部が完勝。まだ余裕ありか。
▼第5試合 −63kg Japan Tournament 1st ROUND 3分3R
○才賀紀左衛門(アンリミテッド/大誠塾)
判定3−0 ※3者とも30−27
●ファイヤー原田(ファイヤー高田馬場/J-NETWORKライト級2位)
うおおおおおお、ファイヤー攻撃みじけえ〜! あまりの射程距離の短さに呆然。距離を取ったキザえもんが、1ラウンドは滅多打ち。しかし倒し切れず、前蹴りとロー、ミドルで見る展開になってしまう。ファイヤーも見せ場を作れず、キザ男も倒し切れないという最悪の展開に。うーん、プロ意識とやらはどこへいった? 判定でキザえもん圧勝だが、これはしようもなかったな。
▼第6試合 −63kg Japan Tournament 1st ROUND 3分3R
○久保優太(アンリミテッド/Krushライト級グランプリ2009準優勝)
判定3−0 ※3者とも30−27
●DJ.taiki(フリー)
左ミドルを集めた久保が一気に優勢に。DJはフックなど狙ってたパンチはあったようなのだが、ミドルで距離を作られてしまい、攻め込めない。近距離では組み付かれ、崩しでコントロールされてしまう。2ラウンドも粘るが、同じ展開。
しかし3ラウンド、逆に蹴り合いに持ってったところでヒット数が多くなる。右ミドルもズバリと当たり、ハイキックも当たりかける場面も……。んむむむむ、これはもしかしてムエタイやってた方が勝ち目あったんじゃないか? ダメージの蓄積は大きく、消耗したDJが反撃しきれず判定負け。
久保も優勢を守ったが、インパクトは残せず。
▼第7試合 −63kg Japan Tournament 1st ROUND 3分3R
○松本芳道(八景/日本ライト級王者)
判定3−0 ※28−27、29−27、29−28
●大月晴明(フリー/WPKC世界ムエタイライト級王者)
今日の大月は、ちょっと「危ない試合」する気かな?と思った1ラウンド。距離を測ってから攻めるのではなく、攻めながら距離を測ろうとしている印象。フックもローも重く、序盤のスローペースを掌握。2ラウンドに手数を増やし、左右に散らして松本を封じ込める。このままどこかで一発当てるか、それとも判定まで持って行くか……と思ったのだが……。徐々に距離が詰まったところで松本の右フックが直撃! スウェーのタイミングが遅く、かわし切れない大月、そのままフラフラと後退し被弾。
3ラウンド。意地でフックを振るう大月だが、松本は行けると踏んだか、ガードを下げず返しのフックを合わせてくる。ついに尻餅をつく大月。この局面では競り勝った大月だが、ダウンのポイント差は大きく、挽回し切れず終わった。
んん〜、番狂わせ、と言っていいものか……。全日本キックの大物が、もはや過去の遺物と化していた。攻めも受けも勘が鈍って、ガード下げてる姿が、まるでいちびったおっさんだ。最後は意地を見せたが、全盛期を思うと悲しくなる試合。やっぱり出てくるべきじゃなかったな……。
▼第8試合 70kgスーパーファイト 3分3R延長1R
○ヴァヒド・ロシャニ(イラン大誠塾)
判定3−0 ※30−28、30−29、30−28
●城戸康裕(谷山/2008日本トーナメント優勝)
高速のフックとミドルを振るうロシャニ、城戸とは瞬発力対決になったか。箸休めにしか思ってなかったが、意外と好勝負に。んん〜、しかし城戸は手数に押され、膝もハイもクリーンヒットしない厳しい展開。ローを蹴られてスイッチする醜態。ヨーロッパ型の技の綺麗な選手には好勝負する城戸だが、こういう力と速さ、タフネスで来る相手にはいつも押される。不用意にコーナーを背負う場面も相変わらず。リズムも単発になり、反撃も当たらない。
ローブローの応酬もあり、判定はロシャニ。城戸はまだまだフィジカルがな……。
そうだ、このロシャニを中東代表に仕立て上げて、自演乙と当てたらいいんじゃね?
ところで、長島、日菜太、山本と解説で出て来たが、みんな上手いね。三人とも、すでにK-1での勝ちどころ、ジャッジにアピールするポイントを熟知している印象で、いまいちそれがつかみ切れてない63キロの面子に対して重みがある。
▼第9試合 −63kg Japan Tournament 1st ROUND 3分3R
○大和哲也(大和/WBCムエタイルール日本ライト級&WMCインターコンチネンタル同級王者)
延長判定3−0 ※3者とも10−7
●山本真弘(藤原/IKUSA GP&Kick Return Tournament&Krushライト級GP覇者、第22代全日本フェザー級王者)
スピードを活かし、おなじみのヒットアンドアウェイを仕掛ける山本。大和もがっちりガードを固め、フックを返すが当たらない。ハイ、ローと散らす山本。幾度かヒットを奪うのだが、大和は効いた素振りを見せず。やっぱり体格差か?
ボディへのフックがえげつない大和。3ラウンドに詰めて接近戦に。山本も大きなリードがないのを承知なので、ここを受けて立つ……が、結果論で言うとこれがミスだったか? ボディフックで運動量がガクリと落ち、顔面へのフックも続けて被弾。コンビネーションを返して押し返すも、ダメージの蓄積度合いで一気に不利な体勢に。
そして延長、強引にねじ込まれたフック、コーナーに詰められてもらった膝蹴りで、立て続けにダウン! 60キロ最強最速の男が、パワーで蹂躙されてしまった。
うん、これは正真正銘の番狂わせか。板橋との連戦の影響など、山本も完全な状態ではなかったのかもしれないが、ここ2戦のインファイトでも打ち勝ったイメージに捕われ過ぎたか? しかし大和強い! 上手さと破壊力を併せ持ち、一気に優勝候補に躍り出た印象。
▼第10試合 −63kg Japan Tournament 1st ROUND 3分3R
○尾崎圭司(チームドラゴン/K-1 WORLD MAX2007日本代表決定トーナメント3位)
判定2−1 ※30−29、29−30、30−29
●小宮山工介(北斗会館)
うわ〜回る回る。しかし組んで膝連打の小宮山もアレだが、尾崎の露骨なバックヒジを、二度も流したレフェリーには仰天した。ありゃ即イエローもんじゃね? 完全に腕曲がってたから、山本VSチビン戦ともまたわけが違うぜ?
組まれたらブレイク待ちしてる尾崎にはちょっと違和感あったな〜。小宮山は攻めてたが何か空回りし、ハイペースで最後はバテてたか。尾崎も別に良くはなかったのだが……。
▼セミファイナル(第11試合) −63kg Japan Tournament 1st ROUND 3分3R
○石川直生(青春塾/第2代全日本スーパーフェザー級王者)
判定3−0 ※3者とも30−29
●渡辺理想(=ゆうと/極真会館2007年全日本ウェイト制空手道選手権中量級準優勝)
極真野郎はやっぱりキャリア不足か、ペースを握れず。しかし、ここまで判定判定、天敵二人も消えていよいよオレのターン!のはずの石川も、カマキリフェイントからの飛び込みばかりで、持って行こうという気迫に欠ける。相手も大したことなかったので、絶好のチャンスだったはずだが……。
距離をキープしたまま無難に勝ったものの、戦前のメイン要求はいったいなんだったのだ……?
▼メインイベント(第12試合) −63kg Japan Tournament 1st ROUND 3分3R
○上松大輔(チームドラゴン/ISKAオリエンタル世界ライト級王者)
KO 1R1分9秒 ※右フック
●チョン・ジェヒ(韓国/Busan Taesan/韓国ムエタイジュニアライト級王者)
フックを叩き込み、一気に攻勢に出たジェヒに対し、ぐらつきながらも反撃した上松が、右フックで意識を飛ばして逆転勝利! 逆転と書いたが、ファーストコンタクトから積極的に攻め、最初にパンチのタイミングをつかんだことが、フィニッシュにつながったと思う。ジェヒは逆に攻め急いでしまった。
疑問ありありのメイン抜擢だった上松だが、正しかった事を実力で証明。見事に締めた。
さて、これで勝ち残りは、裕樹、谷山、麻原、卜部弟、才賀、久保、松本、大和、尾崎、石川、上松の十一人。
嶋田君に反撃を許してあっぷあっぷだった麻原は文句なしの落選、レベルが落ちる谷山と反則野郎の尾崎がリザーブでいいかな? これで八人もだいたい決定……ついでだから、組み合わせも希望だけ書いときます!
生意気な若造に制裁マッチ! 裕樹VS才賀!
全日本キックの誇りを守れ! 大和VS石川!
兄弟タッグマッチへの因縁の布石! 久保兄VS卜部弟!
イケメンVS地味男! 上松VS松本!
……まあ、実際はどんな組み合わせでもいいし、出来れば抽選がいいかなあ。
しかしまあ、判定だらけで正直いささかきつい興行だった。特にプロ意識溢れる発言をしていたはずの面子が、見事に有言不実行、言うなれば口だけに終わってしまったのが厳しい。少なくとも、大口に責任持つ姿勢だけでも見せるのがプロだろう? まあこの軽い階級で、この実力合わせた組み合わせで、このいちいちブレイクで寸断する3ラウンドしかないルールで、そんなKO連発になるはずがないんだがね。
ん〜、そんなこと言ってる場合じゃなくて、まあ決勝はやるとして、来年この階級はどうなってるのだろう? 今日、誰かに何か輝いてるものを感じました? 山本、大月が飲み込まれたのはさすがに既成の文脈が通用しないK-1らしいと言えるが、一ジャンルとして成功しそうな盛り上がりは感じず。今回は最初だから仕方ないが、次は結構崖っぷちかも。ブアカーオやクラウス、キシェンコのファンを切り捨ててまで、日本人選手を並べて新しいイベントをやる意味は果たして生まれるのか?
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