K-1 WORLD MAX 2011 -63kg Japan Tournament FINAL 試合感想


 さて、6月も終わりですが、やっと今年最初のイベントが開催されますK-1ですよ。一応、下半期の予定もちらちら顔を出しつつありますが、実際のところどうなるのですかねえ……。

▼第1試合 -63kg Japan Tournament FINAL第1リザーブファイト K-1ルール 3分3R延長1R
渡辺理想(極真会館/RISEライト級2位)=63.0kg
vs
谷山俊樹(谷山/ISKAインターコンチネンタル63kg級王者)=63.0kg

 やや谷山の出入りの印象がいい序盤。渡辺の回転蹴りも今のところ不発か。中盤に掛けて渡辺も蹴りを増やすが、ミドルでは止まってくれない。ポイント差はつかないが、谷山ペース。
 3ラウンドに谷山が仕掛けるが、ここで渡辺もストレートを伸ばして反撃。差がつかず延長。
 延長もやや手数で谷山。どのみち、どちらも当分本戦はありえないようなファイトであった……。

▼第2試合 -63kg Japan Tournament FINAL第2リザーブファイト K-1ルール 3分3R延長1R
麻原将平(シルバーアックス/RISE KAMINARIMON 60kgトーナメント優勝)=62.9kg
vs
吉本光志(ヌンサヤーム/RISEスーパーライト級王者)=63.0kg

 この第2リザーブと言うのが役に立った事ないんだから、もうなくていいんじゃない……と思うんだが、まあチケット売るためなんでしょうね。
 麻原の突き上げる膝がヒットし、さらに右ストレートが直撃、吉本はよろめく。いつものタフネスで後半盛り返せるか?
 果たして乱打戦に持ち込む吉本、麻原は疲れて来た……。細かいヒットで吉本が攻め込む。相変わらず決定力はないな〜。
 延長に突入し、ここは吉本が押し切る。いや〜この吉本をかつてローキックで止めてねじ伏せた黒田アキヒロは驚異的なのだよ……。

▼第3試合 -63kg Japan Tournament FINAL 準々決勝 K-1ルール 3分3R延長1R
大和哲也(大和/K-1 WORLD MAX 2010 -63kg Japan Tournament優勝)=63.0kg
vs
HIROYA(TRY HARD/K-1甲子園2008優勝)=63.0kg

 大和気合い入り過ぎだろ(笑)。
 差のない立ち上がり。大和の方がプレッシャーかけてるが、まだ距離が合わず。
 HIROYAのローもじわじわ蓄積されるかと思っていたが、終盤に出たところに大和のカウンターの左フック! たまらずダウンしたHIROYA。3ラウンドは押し返したが、大和も踏みとどまり決定打は与えず。
 HIROYAにも勝つ要素はあったと思うが、勝負強さで大和だったな〜。しかし大和も立ち上がりとしてはいいとは言えない。次に不安を残す内容。

▼第4試合 -63kg Japan Tournament FINAL 準々決勝 K-1ルール 3分3R延長1R
卜部功也チームドラゴン/Krush -63kg初代王座決定トーナメント準優勝)=63.0kg
vs
裕樹(リアルディール/初代RISEスーパーフェザー&ライト級王者)=63.0kg

 卜部は手数出して上体浮かせて、ローを打たせない作戦か。ラウンド最後に裕樹がフックを合わせ、卜部をぐらつかせる。ローを封じても、意識は行ってたか。
 2ラウンド、卜部がバックブローを合わせてダウンを取る。これは綺麗に当たったな。しかし裕樹も左ローのタイミングを合わせ、反撃。さすがにちょっと効いて来たか?
 そして最終、完全にローが効いて卜部の足が止まる。奥脚にも何発かヒット。これはダメージでかいぜ。
 ダウンの分、判定は卜部。しかし次戦に向けて大きな不安を残した……。

▼第5試合 -63kg Japan Tournament FINAL 準々決勝 K-1ルール 3分3R延長1R
久保優太(DC LAB.GYM/元WPMO世界スーパーフェザー級王者)=62.9kg
vs
才賀紀左衛門(M&Jキックボクシング)=63.0k

 距離が合わないが、組むと久保の方が力強い。どこから差がついてくるか? 左のテンカオが当たり始め、そこから久保が上にもつなげるように。キザえもんは押し込まれて手数が出ず。
 3R、若干久保の優勢のまま進んでいたが、終盤にもつれたところでキザえもんのストレートが当たってしまう。延長もあるか?と思ったが、久保が2−0で振り切った。
 まあ噛み合なかったなあ〜。久保も快勝とはいかず。

▼第6試合 -63kg Japan Tournament FINAL 準々決勝 K-1ルール 3分3R延長1R
梶原龍児チームドラゴン/初代Krush -63kg王者)=63.0kg
vs
野杁正明(大石道場/K-1甲子園2009優勝)=62.9kg

 的確に当てる野杁コンビネーションが出てるな〜。梶原も左合わせるのうまいんだが、序盤はやや野杁ペースか。
 2ラウンドも淡々とローを当て続け、時折飛び込む。顔面前蹴りの後、梶原が一発右フック当てるが差はつかず。
 お互い勝負を賭けて手数を増やすが、決定的なヒットはなし。このまま延長にもつれこむ。
 延長は完全に手が止まる梶原。ローをいいように受け続け、パンチのクリーンヒットは奪えず。しかし一者梶原というのは、どこにつけたんだ……? 野杁が延長を制して準決勝へ。

▼第7試合  -63kg Japan Tournament FINAL準決勝(1) K-1ルール 3分3R延長1R
大和哲也
vs
卜部功也

 当然ローから入る大和だが、卜部も左ストレートを伸ばす。一発まともに入ったが、大和は右目にダメージあり?
 徐々に卜部に余裕が出て来た。大和は左がことごとく空転し、捕まえられない。ローも大きなダメージには到らず。あとはカウンター狙いか?
 詰める大和だが、卜部はジャブを突いて止めにかかる。何発か浅いヒットもあったが、やや卜部優勢のまま終了か。消極性がどう取られるか?
 判定は三者取って卜部。打ち合っても勝てそうだったが、かわし切った。大和は最後まで詰め切れず。少々、無策に見えたねえ。

▼第8試合 -63kg Japan Tournament FINAL準決勝(2) K-1ルール 3分3R延長1R
久保優太
vs
野杁正明

 ついに実現した超技巧派対決! 仙道VS流川的な趣きですか。
 まずは探り合いからローの応酬。久保が徐々に圧力を強めるのだが、野杁も必死の粘り。右ローの連発と左フックで連打を許さない。
 お互い崩し切れず、ガードの上から叩いてるのは久保だが、野杁もヒットを奪う。もつれるなあ……。
 ダメージも的確さもわずかながら久保で、判定勝利。しかし決定的な差は奪えなかった。とりあえず野杁君が大きなダメージなく終えられて一安心。

▼セミファイナル(第9試合) スーパーファイト K-1ルール 70kg契約 3分3R延長1R
佐藤嘉洋(名古屋JKファクトリー/K-1 WORLD MAX 2010準優勝)=70.0kg
vs
アルバート・クラウス(オランダ/チーム スーパー・プロ/K-1 WORLD MAX 2002王者)=70.0kg

 ジャブからワンツー、右ローを伸ばす佐藤。おなじみのパターン。クラウスもローまでつなげてくる。まだお互い大きな当たりはなし。
 2ラウンド、佐藤はやや緩急をつけてうまく攻めてるな。ワンツースリーローを叩いて、クラウスが出てきたところにローや膝を合わせ、自分が攻撃する時間を延ばしている。
 最終、佐藤の方が手数は上で、パンチのヒットもあり。クラウスが終盤にラッシュを賭け、ぐらつく佐藤。ここで逆転かと思われたが、渾身の右フックを佐藤がヒットさせ、逆によろめかせる。終盤のパンチのポイントだけならイーブンだろうが、そこまでの蹴りの数をここでようやく加味して佐藤というところかな〜。むしろ、やっとまともな判定が来たと言う感じだが……。まあこの二人の実力差は紙一重というところで、ようやく佐藤に運が来た感じ。作戦では2ラウンドまでの攻めを続けて封じ込める予定だったのだろうが、さすがにクラウスはそれを跳ね返し、しかしまだ佐藤の方に余力が残っていた。

▼メインイベント(第10試合) -63kg Japan Tournament FINAL決勝戦 K-1ルール 3分3R延長2R
卜部功也
vs
久保優太

 ついに決勝。ここも技巧派、そしてサウスポー同士。
 とうとうローが効いて来た……! 久保は左ロー一辺倒で潰しにかかる。卜部も必死にストレートを伸ばすのだが、もう足が踏ん張れてない。3ラウンド、パンチでぐらつかせるが時すでに遅し。


 優勝は久保、最後までクレバーに攻め抜いたな〜。結局、テレビに映らない大会なんだから、勝たないと何の意味もない。次の大会さえあるかわからない状況なんだから、目先の勝利を求めるのは当然の話で、その先を用意できないのに選手に対して理想ばかり求めるのは、無駄であり傲慢だな〜。
 構造がプロの大会じゃなくなりつつあるK-1の、悪い面がもろに出た大会……なんだけど、のんびりマニアックな視点で見るなら良くもないけど普通の興行、水物の一形態に過ぎない。さあ、今後のK-1はどっちへ転がって行くのかねえ……。


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