いよいよK-163キロもスタート

 始まりますな〜。皆さん、PPVの事前申し込みも始まってますよ!

 キックですでに対抗戦が盛んになってしまって、正直1年遅かったな〜という気がしないでもない。しかし逆に、そのキックの対抗戦も、まずは最初の勝敗が出ただけという状況。今現在そんなに盛り上がってるかというとそうでもないので、K-1がこれを盛り上げるんだ!という気概で行ってほしいものである。

 ここ2年ぐらい、やるやると言って実現してこなかったわけだが、その間にキック界が代表選手を送り込むような体勢が整ったということもある。かつてのPRIDE全盛時代、立ち上げすぐの武士道が、小プロモーションの有力選手を引き抜きまくったわけだが、そういうことをせずとも円満に選手が集まった。それだけの資金力、勢いがないということでもあるが、どのみちキック団体もなくては成立しないイベントなのだ。こちらの方が正しいだろう。

 あ〜、ところで試合数も増えてしまい、まったく存在意義のない城戸の試合が可哀想だ。もちろん意味はあるんですけどね、契約数の消化と言う……。そして、この契約消化で、リザーブ他で呼ばれる可能性もぐっと減ったということだ……。


<-63kg Japan Tournament 1st Round K−1ルール 3分3R延長1R>
大月晴明(日本/フリー/WPKC世界ムエタイライト級王者)
松本芳道(日本/八景ジム/新日本キックボクシング協会ライト級王者)

<-63kg Japan Tournament 1st Round K−1ルール 3分3R延長1R>
上松大輔(日本/チームドラゴン/ISKA世界ライト級王者)
チョン・ジェヒ(韓国/プサン テサン・ジム/韓国ムエタイジュニアライト級王者)

<-63kg Japan Tournament 1st Round K−1ルール 3分3R延長1R>
石川直生(日本/青春塾/第2代全日本キックボクシング連盟スーパー・フェザー級王者)
渡辺理想(日本/極真会館/第24回全日本ウェイト制中量級準優勝)

<-63kg Japan Tournament 1st Round K−1ルール 3分3R延長1R>
“狂拳”竹内裕二(日本/菅原道場/WMAF世界スーパー・フェザー級王者、MA日本スーパー・フェザー級王者)
裕樹(日本/リアルディール/初代RISE60キロ級王者)

<-63kg Japan Tournament 1st Round K−1ルール 3分3R延長1R>
久保優太(日本/アンリミテッドジム/Krushライト級GP2009準優勝、元WPMO世界スーパー・フェザー級王者、元NJKFフェザー級王者)
DJ.taiki(日本/フリー)

<-63kg Japan Tournament 1st Round K−1ルール 3分3R延長1R>
山本真弘(日本/藤原ジム/第22代全日本キックボクシング連盟フェザー級王者、IKUSA−U60GP優勝、全日本キックボクシング連盟Kick Returnトーナメント優勝、Krushライト級GP2009優勝)
大和哲也(日本/大和ジム/元NJKFライト級王者、WMCインターコンチネンタルライト級王者、WBCムエタイルール日本ライト級王者)

<-63kg Japan Tournament 1st Round K−1ルール 3分3R延長1R>
尾崎圭司(日本/チームドラゴンK−1MAX2007日本トーナメント第3位、RISE DoAトーナメント2006王者)
小宮山工介(日本/北斗会館/2007年KAMINARIMON CLIMAX 60キロ級優勝、RISING ROOKIES CUP 60キロ級優勝)

<-63kg Japan Tournament 1st Round K−1ルール 3分3R延長1R>
大石駿介(日本/OISHI GYM/J−NETWORKスーパー・ライト級1位)
卜部功也(日本/チームドラゴンK−1甲子園2008準優勝)

<-63kg Japan Tournament 1st Round K−1ルール 3分3R延長1R>
才賀紀左衛門(日本/大誠塾)
ファイヤー原田(日本/J−NETWORKライト級2位、2003年全日本新空手K−2軽中量級王者)

<-63kg Japan Tournament 1st Round K−1ルール 3分3R延長1R>
卜部弘嵩(日本/チームドラゴン/2007年全日本新空手K−2軽中量級王者)
谷山俊樹(日本/谷山ジム)

<-63kg Japan Tournament 1st Round K−1ルール 3分3R延長1R>
嶋田翔太(日本/島田塾/K−1甲子園2009準優勝、K−1甲子園2008第3位、新空手K−2トーナメント軽中量級優勝)
麻原将平(日本/シルバーアックス/2008年RISE KAMINARIMON 60キロトーナメント優勝)

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 ざっとメンバーを観ると、思いのほかキック系に偏ったな、という印象。個人的には、HIROYAと渡辺、もう一人くらい総合の選手も加えて、もっと「カオス」な雰囲気が欲しかったところ。60キロ以下はほとんど山本真弘に蹴散らされているわけで、未対決な選手以外は幻想が無い。

 石川なんかも、去年あたりから急にアピール上手になったな、という印象だが、実質は山本にまったく歯が立たず、ここ3年は「年に一回KOされている」選手。今回もメインイベントを要求するなど口は達者だが、今現在の地位でもいいとこ三番手。まあ上松には勝っているし、キャリアもあるが、そろそろ若い選手の踏み台になるべきだろう。こういうビッグマウスの選手が壮絶に散った方が盛り上がる。

 しかし「本命」山本も、確かに戦績こそ圧倒的だが、久保戦、板橋戦と苦戦が続き、フィジカルも含め少々研究されてきた感あり。そこをねじ伏せて来た底力もあるだけに、恐ろしい選手だ。が、一番手なのは間違いないが、一番手が勝てないのもK-1だからな……。今回は無難に勝っても、決勝ラウンドはすんなりいかないように思う。

 あとからカード決定の大月が、ベテラン対決になってしまったこのくじ運、吉と出るか凶と出るか? 新日本キックも、「松本哉朗って、もっと上の階級じゃなかったっけ?」とオレに思わせた(笑)、最近なったばかりの知名度低い王者をここぞとばかりに送り込んで来た。対抗戦に目を背け「鎖国」を続ける新日本キック勢の実力やいかに。

 上松も、K-1からのプッシュを活かし切れずに低迷中。石川、前田尚紀に完敗し、プッシュが実力相応なものではなかったことを露呈。KID、渡辺を飲み込んで来た「人気者キラー」ジェヒの前に、後が無い戦いを強いられる。何かこの選手、プラン通りに試合を進める技術とクレバーさはあるが、そこを押し切られた時、決め切れなかった時の引き出しに欠けるよね。なんか、チードラの選手ってみんなそんな感じだが……。勝ちパターンではズルズルと判定に、負けパターンではのされてしまう、局面を一発で持ってくだけのインパクトが無い。顔だけではスターになれない……

 代わってプッシュされつつあるのが小宮山か。先の査定戦では、口だけのオッサンになってた村浜に何もさせず圧勝。あれぐらいのつかみは流した方がKO増えるよね。出入りで幻惑し、多彩な蹴りを正確に当てて一発で効かせてくる。パンチへの流れもまずまずスムーズだし、何度もウエイトを変えていまいち動けてない尾崎にも圧勝するんじゃないかな。
 その尾崎、「足技のルーツはテコンドーにあって、それを空手が真似したものだ」という、ネトウヨが発狂しそうな台詞で挑発。しかし、もうピークは過ぎた印象だし、K-1の文脈では、70キロで挫折し一度終わった選手。こういう選手に勝たせてはいけないところだ。

 リベンジマッチになった竹内VS裕樹は、唯一もったいない印象のカード。バラした方が見たかったのだが……。
 前戦はパンチで食い下がる竹内を、裕樹がキラーローでズタズタにして勝利。ただ、延長での決着でもあったし、効果的なパンチをまとめれば、竹内が逃げ切ってしまう可能性も充分あり得るか。

 久保とDJも同じくちょっともったいない……DJにとってはほとんど制裁マッチか、というぐらいに、いやらしく完成度の高い久保。逆にDJはそのキック的いやらしさを打ち砕くような、総合選手らしいノンセオリーの戦い方を強いられることになる。その辺りをクリアしなければ、ファイナル8に進んでも仕方ないということか……。逆に久保の方も、DJが渡辺を完封したようなことをやってのけても、次に進めない可能性がある。そこらへんがどう影響するかに注目。

 甲子園トリオプラスワン(嶋田、才賀、卜部兄弟)は、とりあえず実力相応の相手と激突か。一人ぐらい試しにビッグネームとやらせても面白かったと思うが……。HIROYAが足踏みする中、一気にスターダムをかっさらうチャンス。キザエモンVSファイヤーなど、実に谷Pらしいカオスなカードだ。
 しかし、相手の知名度がない分、内容を問われるということでもあり、結構ハードルは高くなったような……。

 11試合! Krushで組まれるかもしれない査定戦と合わせ、これはかなり絞られることになりそうだ。ベスト8に、予想もつかないような面子が集まる事を期待したい。本来なら、二年かけるなら70キロも16人からスタートしてもいいぐらいだろう。キック界の序列を打ち破らなければ、K-1K-1である意味は何もない。

 来たれ、混沌の時代よ! 

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