レッドスコーピオン最期の日。K-1 WGP 2010 in YOKOHAMA 5カード決定。
そしてワールドグランプリシリーズも、いよいよスタート。
■「K−1 WORLD GP 2010 IN YOKOHAMA」
4月3日(土)神奈川・横浜アリーナ 開場16:00 開始17:00(予定)
<K−1スーパーヘビー級タイトルマッチ K−1ルール 3分3R(延長2R)>
[王者]セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
[挑戦者]エロール・ジマーマン(キュラソー島/ゴールデングローリージム)
<ワンマッチ K−1ルール 3分3R(延長2R)>
バダ・ハリ(モロッコ/ショータイム)
アレクセイ・イグナショフ(ベラルーシ/フリー)
<ワンマッチ K−1ルール 3分3R(延長2R)>
アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデングローリージム)
ジャバット・ポトラック(ボスニア・ヘルツェゴビナ/チーム ポトラック)
<ワンマッチ K−1ルール 3分3R(延長2R)>
ジェロム・レ・バンナ(フランス/Le Banner X tream Team)
ルスラン・カラエフ(ロシア/フリー)
<K−1ヘビー級タイトルマッチ K−1ルール 100キロ以下 3分3R(延長2R)>
[王者]京太郎(日本/チームドラゴン)
[挑戦者]ピーター・アーツ(オランダ/チーム アーツ)
【出場予定選手】
セルゲイ・ラシェンコ、シング“心”ジャディブ、野田貢、佐藤匠
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まずは………まずは触れておこう……。
いよいよ来てしまったね、この日が……。
レッド・スコーピオン最期の日が……。
復帰戦でいきなりのバダ・ハリとの対戦。
「かつてバダ・ハリをKO」「かつてシュルトをKO」「完全なダウンがない」「KO負けがない」……そんな勲章が、イグナショフにはかつてありました。しかし、去年シュルトにはリベンジを許し、フレディ・ケマヨ戦ではパンチラッシュで天井を仰ぎ、そのままラウンド終了時にTKO。ドクターストップらしいが、おそらく戦意ももはやなかっただろう。
K-1を干されてからはや数年、かつての勲章は、貯金が食い潰されるがごとく、一つ、また一つと減っていき、それと並行するかのように技の切れも落ちていった。いや、一試合一試合を観れば、ポトラック、クレイブル、ケマヨなど、ヨーロッパの強豪とそれなりに渡り合い、そう悪くない動きにも見える。シュルトにも判定まで持ち込んだ。
が、2003年パリ、福岡、2004年シュルト戦と比べれば、衰えは一目瞭然だ。伸びないジャブ……ハエの止まりそうな右ストレート……精度を欠く左フック……。そして、それら一連のパンチはことごとく蹴りにつながらない。単発のミドル、ハイにかつての威力はなく、脚を痛めるのが怖いのか、ローも出ない。ケマヨ戦の集中打の被弾から、反応もバランスも鈍っていることがわかるし、それを自覚しているのだろう、近距離に入る必要のある、かつての最大の武器、膝ももう出ない。何度も指摘されている話だろうが、フィジカルも追い込んでいるようには見えない。
体格、リーチ、それなりの打たれ強さとディフェンス能力でごまかしてきたが……いよいよそれも終わりだ。その全てにおいて差がなく、破壊力なら現最強であろうバダ・ハリとの対戦で、レッド・スコーピオンはキャリアに関わるダメージを負わされるだろう。リベンジを許した上での、完全なKO負けだ。
僕はイグナショフとは同い年だ。古くからこのブログを見て下さっている方はご存知だろうが、2005年の開設時から(それ以前の2001年名古屋大会から)、ずっと彼の事は応援し続けて来た。今でも、応援したい気持ちはある。出来る事なら、復活してまたトップ戦線に戻って来て欲しい。
だけど、もう夢を見ることには疲れた。才能を消費し切った早熟な天才は、今や普通の選手となり、若き現トップの前に、まだあるのが不思議なくらいのプライドと共に、粉々に叩き潰されるだろう。
これは予想だ。裏切って欲しい。頼むから裏切ってくれ。ど素人のたわけた妄想に過ぎなかったと思い知らせてくれ。僕に何もかもが終わる日を、見届けさせないでくれ。
さて、それはそれとして、他も楽しみなカードが揃ったなあ。
アーツVS京太郎はヘビー級王座戦に。うーん、僕はこれはいいと思うなあ。アーツももう40歳、バダ、アリスターに完敗し、正直もうこれからどんどんトップ戦線からは外れて行くと思う。ただ、無差別のトーナメントというあまりに過酷な舞台設定についていけるかどうか、ということだけがK-1の物差しである、というのは、いささか狭量であろう。階級を落とし、選手として延命を計る……別に恥ずかしい事ではない。これがある種の「逃げ」のように捉えられるのは、ヘビー級のベルトの権威のなさ故で、それは競技やプロモーター、現王者の責任だ。
アーツの挑戦は、この実のないヘビー級王座にとっても、箔付けになり得る。第三代王座にアーツがつくとしても、京太郎に苦杯を舐めさせられるとしても、この試合を経る事で、大いに王座の価値は高まる。
今年40歳。アーツが貢献できることは、まだ大いにある。プロモーターがおかしなマッチメイクで延命を計っているようなこともないし、もうすでにランディ・クートゥア同様、「続けているだけで価値がある」域まで来ている。階級を落としてでも「挑戦」を「続ける」ことにアーツが意味を見出すならば、やらせるべきだ。
本気でワールドカップ構想を実現したいなら、階級分け、ランキング、国別王者の設定、まだまだ可能性は埋もれている。ヘビー級ベルトもそこに向けた布石として活かすべきだ。アーツが勝てば、対スポーンやカラエフも面白い。世界路線に向けて、日本国内のWGP決勝だけを権威としておくのは、もはやリスクが大きいように思う。MAXのように、独立した新たな対立軸をもっと生み出して行くべきだ。
さて、ワンマッチだろうがトーナメントだろうが関係なく強いシュルトさんの、スーパーヘビー級王座。
セフォー、モー、バンナ、ハント……一発のある選手をことごとく潰して来たシュルトさんだが、次に白羽の矢が立ったのはジマーマン。うむむむむ、一撃の威力という点ではいささか小粒だなあ。ジマーマンの良さは、攻撃を受けても前進し続ける重戦車のような不気味さと、パワフルな連打であって、それが即シュルトさんに通用するかというと……。
まあ無難に王座防衛だろうが、それでもアリスター戦に次いで見たいカードなのに変わりはない。
去年旋風を巻き起こしたアリスターは、ポトラックと対戦。
一見、脈絡がないカードだが、あまりにトップ級と当たり続けてきたアリスターの、「安定度」を計るには面白い一戦になりそう。「ヨーロッパの強豪」というローカルレベルとは次元の違うところにいるのか、それとも意外な脆さを露呈してしまうのか? アリスターと言えば、プライド、HEROS時代は脆さの代名詞だったのだ。今の彼にも、いまだ誰も気づいていない大きな穴があるのではないか……そこらへんに注目。
カラエフはバンナか〜。
いつかの開幕戦で実現しなかったカード。まあでも、今の方がカラエフ的に機は熟していると見ていいだろう。マヌーフに倒された頃は、いつ壊れてしまうのかと心配したカラエフだが、ハリには水を空けられたものの、ピチュー、ハリッド、京太郎など中堅どころは次々と撃破。よく踏みとどまっている。二年前のバンナ相手なら、それでもミドルとローを効かされて敗れただろうが、今のバンナはモチベーションも怪しく、倒すのは今しかない。
んん〜、しかし現時点で自力ではカラエフ有利と思うんだけど、なんかバンナの右フックをかぶせられて沈んじゃいそうな気がするんだよなあ(笑)。
んん〜、バラエティ豊か、かつ勝負論に溢れたカードが揃ったね!
もうお腹いっぱいなので、これらの宣伝に力を入れて、あとはもうアンダーカードでいいよ〜。若手、中堅にチャンスを与えるような
試合を組んで下さい。
知らん間にあと四週なんだな! 楽しみだ!
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