2010/04/03 K-1WGP in YOKOHAMA 試合感想
さて、ワールドグランプリも今年一発目。
何かが起こる!? 横浜大会ですが……。
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▼K-1ルール 3分3R延長2R
セルゲイ・ラシェンコ(ウクライナ/キャプテン)
VS
佐藤 匠(極真会館)
あ〜、ちょっと心配していた結果に……。
なんか動きが切れてないな〜、ラシェンコ……。序盤は単調な蹴りの攻防、2ラウンド目からパンチが出始めるも、ほぼ手打ち。佐藤もあまりダメージを受けた様子もなくフックを返すが、これも切れなし。ヘビー級でこれをやると、本当にこないだのMAX日本予選の面白くないバージョンになっちゃうんだよな。
お互い頑張って手は出すものの、一向に決定打にならない、見てて単調な試合に……。
ややパンチの有効打が評価され、ラシェンコ判定勝利。
しかし、大いなる凡戦であった……。
▼K-1ルール 3分3R延長2R
グーカン・サキ(トルコ/チーム・レベル)
VS
シング“心”ジャディブ(インド/パワーオブドリーム/J-NETWORKヘビー級王者)
出入りが早いサキ、ローキックと左右フックのコンビネーションが冴えてる。シングは出入りについていけず、当たりそうなのは、入り際の右ストレートぐらいか。それもサキは頭振って命中率下げてるから、容易な事では当たるまい……。
バックキックなども放って散らしたサキが、悠々とペースを握り、2ラウンドにはボディも交えたラッシュもかける。シングはプレッシャーをかけて膝を狙った場面は良かったが、捕まえ切れず。でかいって行っても動ける方なんだから、もう少し出ないと勝てないよなあ。
決め切れなかったが、サキの圧勝。次はヘビー級タイトル戦でいいんじゃないの。
▼K-1ルール 3分3R延長2R
ジェロム・レ・バンナ(フランス/Le Banner X tream Team)
VS
タイロン・スポーン(スリナム/ブラックレーベルファイトクラブF.F.C.)
圧力かけるバンナ、スポーンも右を突き刺して止めるのだが、バンナは前に出てくる。得意のテンカオに相打ちのような格好でジャブを合わされ、スポーンダウン……。ああ……怖れていた事態が……。その後もロープ際でラッシュ! 危ない! 凌げ!
なんとか耐え切ったが、1ラウンドから致命的な失点。2ラウンド以降、プレッシャーをかけて押し返すようになるんだが、やっぱり全然身体の厚みが違うな……。特にテンカオが吸収されてしまってるか。
3ラウンド、渾身の左フックをヒットさせ、一瞬棒立ちにさせるも後が続かず。試合後インタビューによると右手が折れたそうで……。バンナ判定勝利。
あ〜、やっぱ無理があったか……。あまりに体格差ありすぎ。おかげでバンナが調子いいのかどうかもわからんかったな、最後は失速してたし……。
▼K-1ルール 3分3R延長2R
アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデングローリージム)
VS
ジャバット・ポトラック(ボスニア・ヘルツェゴビナ/チーム ポトラック/K-1ファイティングネットワーク・プラハ大会2007優勝)
ストレート系パンチで距離を取り、回ってフックを当てるポトラック。組まれたら抱きつくか、ステップで離れるか……。危険な距離は避ける対策はしてきているか。アリスターも、ジャブ、フック、ローを返し、もう完全にK-1仕様の戦い方。序盤は互角……だったんだが、組際のフックでポトラックがばたり……あれっ、もう効いちゃった? 立ち上がったところに、アリスターのフックが続く。フックからの膝蹴り、最後はきっちり頭をホールドして右膝! 強烈にヒットし……え〜と、これ新ルールだと反則じゃないの……と思ったらそのままKOでした。なぜだ!? ここは勇気を持って反則負けにするとこじゃないの?
……って、できるわけないよなあ、こんだけ綺麗に決まったら……。あのつかんですぐのタイミングで打たれてすぐ放されたら、レフェリーは割って入る間もない。緻密に運用もできないルールなら導入しなきゃいいのに……。前ルールでも両手→片手→両手のつかみは流し放題だったし、新ルールなんてないものと思っといた方がいいですよ。
武蔵引退式は早送りした。まあでも、録画には残しといてあげようか……。
▼K-1ヘビー級タイトルマッチ 3分3R延長2R
京太郎(チームドラゴン/王者)
VS
ピーター・アーツ(オランダ/チーム・アーツ/挑戦者)
おおおおおおお、アーツの身体すげえ、顔まで渋いよ。
しかし……なんかフワフワしてるな……ミドルは早くなってるが……パンチ打った後、ローキック貰った後に身体が流れる。バランス悪い……。
京太郎は、ジャブの後に右ストレートを合わせる策か。アーツは左ガードが低い。いつもは圧力かけて崩して打ってるから、被弾しても効かないんだが……。踏ん張りが弱いから、カウンターが序盤から効き始める。右ロー、左ミドルももらって……。
これはまずいかな……? まあ強引に行って一発右ストレートぶち込めば、あっさり流れ変わると思うけど……と思ってたら、またもジャブの戻しの隙を突かれ、強烈な右、さらに返しの左を被弾、あっという間にコーナーに詰められ、顎にもらって座り込む……おおおおおおお、まるで2002年、レコ戦のリプレイのようだ……! ゴング寸前の右も効き、アーツはふらふらに!
2ラウンド、再三ジャブに右を合わせ続ける京太郎、アーツはワンツーも力がなく、ローも体重が乗ってない。単調な攻めを見透かしたかのように、入って細かい連打を当てる京太郎。最後はドンピシャのタイミングで炸裂したカウンタードラゴン、老いた帝王を沈めた……。
アーツは減量でパワーをなくし、コンディションも良くなかったが、敗れるべくして敗れた完敗。チャレンジの方向性を間違ったな……。京太郎はプラン通りだろう。次はサキの挑戦を受けて立つべきかな……。
▼K-1スーパーヘビー級タイトルマッチ 3分3R延長2R
セーム・シュルト(オランダ/正道会館/王者)
VS
エロール・ジマーマン(キュラソー島/ゴールデングローリージム/挑戦者)
いや〜タフだね、エロジマン……。しかしシュルトさんの距離に入り切れず、時折左フックを当てるも単発。ステップでもう一歩踏み込んで当てれば、レミーみたいにダウン取れるかとも思うのだが、拳一個分ぐらい当たりが浅い。そして一発当てる間に、波状攻撃を受け続け、延々と耐える羽目に……。いや〜、タフだ……タフだが……やっぱり何もできない……。
やっぱりシュルトを一度は倒し、このタフなジマーマンを完全粉砕したバダ・ハリは、信じられないような選手なのだね。
冷静にジマーマンの攻撃を裁き続けたシュルトさんが、盤石の防衛。これは今年も予定調和か。
▼K-1ルール 3分3R延長2R
バダ・ハリ(モロッコ/ショータイム/K-1 WORLD GP 2009準優勝)
VS
アレクセイ・イグナショフ(ベラルーシ/フリー/K-1 WORLD GP 2003 in Paris優勝)
おお〜、イグ絞ってる、110キロと言えば、あの2003年108キロに次ぐウエイトではないか。イグと言えば、一時は体重がそのまま調子のバロメーターになっていてね……。これは今日はいいんじゃないか? 入場曲はいつもの「To Forgive But Not Forget」、表情も「風呂に入るようにリングに上がる」と評されたあの頃のようだ。一瞬……昔に戻りかけた……あの優勝を信じて応援していたあの頃……。
その昔の夢に……1ラウンドはまだ浸っていられたかな……終盤のバダのラッシュを全て紙一重でかわしてみせたディフェンス……これだけのディフェンスワークを見せた選手が、ここ数年のK-1にいただろうか? だが2ラウンド以降……何の手も出ない……。脚を痛めてるような力ないインロー、バダの三分の二のスピードしかない右ミドル……再びラッシュを浴び、薙ぎ倒されるようにダウンを奪われる。これでポイント差も決定的。
バダは圧力をかけ、要所ではバックステップも使って、安全策を取ってたかな。ポイントリードで、やや慎重になったか。しかしイグナショフはまったく手が出ず。遠い距離から腰の引けたハエが止まるような右ストレートを放つ……そう、これです。これが今のイグナショフです。ヨーロッパで最近二勝三敗だった、今の実力そのままですよ。
やっぱりね……人間、急には変わらない。変わる時ってのは、それまでに積み重ねてきたものが花開くから変わるんです。この三年、彼は何を積み重ねてきたのだろう? 試合後のインタビューも大言い訳大会……バダともシュルトともアーツとも一勝一敗、レミーとは二勝二敗……でもイグが勝った昔と、バダが勝った今、積み重ねられて来たものにどれだけの差があるだろう?
もう呼ぶのが間違いだったというしかない内容だった。ずっと干していれば良かったなあ。そうすれば僕らイグナショフファンは、彼が歳を取って引退してしまっても現実を見ずにずっと、「なぜ呼ばなかったんだ?」と谷Pを罵っていられたのに……(笑)。さて、一応予選のメンバーには入っているが、まあ一つ勝つのが関の山だろうなあ……。
ん〜、京太郎は良かったが、他はいまいち。世代交代は終了モードだが、さて、じゃあ次の対立軸はなんなのか?というとさっぱり見えて来ない。予選シーズンが始まるが、その間に何か出てくればいいですね……。
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