2009/12/05 K-1WGP2009決勝 リザーブファイト他追加

 今年は予選の規模が小さかったこともあり、大きな波乱もなくおなじみのメンバーが出揃っている感じのWGP
 ただ、その決勝から漏れてしまったピーター・アーツがリザーブファイトへ。

<リザーブファイト(1) K−1ルール 3分3R延長1R>

ピーター・アーツ(オランダ/チーム アーツ)
グーカン・サキ(トルコ/チーム レベル)



<リザーブファイト(2) K−1ルール 3分3R延長1R>

ダニエル・ギタルーマニア/Kamakura Gym)
ハリッド“ディ・ファウスト”(ドイツ/ゴールデングローリージム)



スーパーファイト K−1ルール 3分3R延長1R>

京太郎(日本/チームドラゴン
タイロン・スポーンスリナム/ブラックレーベルファイトクラブF.F.C.)


<オープニングファイト K−1ルール 3分3R>
ヤン・ソウクップチェコ極真会館
高萩ツトム(日本/チームドラゴン


<オープニングファイト K−1ルール 3分3R 60キロ契約>
寒川慶一(日本/S.F.K)
梶原龍児(日本/チームドラゴン)


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 前回はパワー差に踏みにじられたアーツだが、今回は対照的に小兵であるサキとの対戦に。サキは怪我で今シーズンを棒に振ったが、ここで決勝に勝ち上がれば、また来年の開幕戦のチケットも得られるだろうし、それなりにモチベーションはあるだろう。
 対するアーツも、もうこれは負けるわけにはいかない。
 体格的にも「ミスマッチ」なイメージのカードだが、これは実は結構見たかった。アリスター戦では絞ったのが裏目に出た感のあったアーツだが、ジマーマン戦でも五分の削り合いになってしまってたし、スピードアップが目覚ましい効果を上げているかというと、いささか疑問なところがある。
 サキやサメドフのような、いなしてくるタイプを捕まえられるのか? 結果的には強打で圧勝したものの、ペタス戦でも中に入られて被弾するシーンもあり、こういう小さな選手は苦手ではないかな。

 アーツのようなベテラン選手は、試合前のコンディショニングが物凄く重要になってきてると思う。パワー重視のスタイルでバダ・ハリに敗れ、スピードとスタミナ型に変えてアリスターに敗戦。これは調整のミスで、逆のパターンで調整すればどちらも勝っていたかもしれない。
 ……が、裏を返せば、もはやどちらかに偏るような調整しかできない、ということでもある。ボンヤスキーやハリ、アリスターはスピードを維持したまま増量し続けているが、年齢的にもそんな伸びしろはもはやない。誰が相手でも自分より小さいシュルトさんは、スピードを落とさないスタイルでいいが、アーツの体格はいかにも中途半端だ。

 今回もリザーブだが、スピード重視の調整でサキをねじ伏せたとして、次の相手がハリやレミーになればまだいいが、アリスターシュルトになれば開幕戦の憂き目を再び見ることになる。
 そろそろ、多様なタイプを迎え撃たなければならない今のWGPで生き残るのは、厳しくなってきたのかもしれない。セフォーもスピードの劣化と共に闘志を失い脱落していったが、アーツもとうとうそのレールに乗ってしまうのか。ここまでトップで続けてきたことがもはや驚異的なのだが、今年は初めて本当にアーツの衰えを感じ始めた年でもあった。サキ戦はまた一つの試金石になる。

 話は変わるが、ゴールデングローリー、最近うざくね?と思ってる人いません? 僕だけ?
 若貴に加え貴ノ浪安芸乃島貴闘力あたりを擁したころの二子山部屋黄金時代があったじゃないですか。相撲は絶対に同部屋当たらないから、マッチメイクもとい取組が硬直化。対する曙や武蔵丸は最初から不利な状況に陥って、ハンデ戦同様。
 開幕戦までは当たらず、決勝でもクジ次第で対戦を回避する傾向にあるこの状況……同じとは言わないが、どうもそんな匂いがする。
 対戦相手の情報を交換し合い、綿密に戦略を立て、組織力で追い込んで行く。いや、別に悪いことじゃない。現代格闘技はチームで勝つ。組織力こそが重要。複数の選手を送り込んで、協力しあって誰かが優勝すれば勝利。結局はリングで闘うのは一人ずつだし、別にいいんじゃね? 何も間違ってはいない。
 ……と、まあ……理屈ではその通りなんだけど……どうもせこいイメージもまつわりつく。

 シュルトアリスター、ジマーマン、カラエフ、サキ、ハリッド……(ジャジャ、レコ、ハリトーノフ)。
 ずらっとトップファイター並べてさ……黄金の栄光ですか……フ〜ン……。

 繰り返し書きますが、別に何も悪いことはしてない。だが、数や組織の力で戦いを優位に持って行くことに対して、感情的に反発を抱いてしまうのも事実。
 前振りが長くなったが、ここ3年ぐらい、自分の中で裏テーマとして「ゴールデングローリー狩り」が大きなウエイトを占めているのだ。数と組織で上回るGGに、単身、あるいは少人数で立ち向かい蹴散らす……そんな選手に大きなカタルシス、ロマンを覚える。ゴールデングローリーを倒す、それこそが栄光だ!
 アーツはシュルト、ジマーマンを破るもアリスターに敗北。ハリはカラエフ(当時はGGじゃないけど)、ジマーマン、シュルトを倒しているがアリスターには負けている。古い話ではブレギーなんかにも期待したんだが、ジマーマンにのされてしまった……。
 開幕戦ではシュルトさんに敗れたが、ダニエル・ギタもまた、この過酷な挑戦に挑む一人だ。まずは格下のハリッドが相手だが、きっちり勝ってジマーマンやアリスターを次なるターゲットにしてもらいたい。

 さらに、先のGG記念大会で、カラエフとレコさんをそれぞれ葬ったチャクリキ勢の台頭にも、今後期待しよう。

 京太郎はスポーン戦か……うーむ、スカパー入ってて良かった!と思える、豪華おまけカードが続く。京太郎はカラエフに続いてここでも負けるようなら、もうベルトは返上すべきじゃないかな。
 思えばチードラも一時、戦術と組織力で勝ってきたが、それにも陰りが見えつつある。国内キック興行でも、以前のような破竹の勢いはもはや見られない。澤屋敷が消えて、孤独な戦いを強いられる京太郎も、真価が問われる。高萩は共同戦線を張れるような地位まで上がれるか?

 おまけで60キロ級。梶原はクラッシュでも早々と消えてしまったし、勝ち切れないファイターだね……。寒川慶一は地元の興行でよく見るんだが、指導者というイメージが強い。渋カッコいいおじさんで、個人的には好きだが、試合ではどうだろう。

 あと一ヶ月か……何だかんだ言って楽しみですね〜。

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