『アイアンマン』DVD

 昨年の快作。
 『トランスフォーマー』とか見てても、もう「CG?」とか思わんわけよ。もうあれは、全部本物。映像の精度ももちろんなんだが、メカメカしい重量感の表現とかがここ数年で本当に洗練されてきて、さらに背景との一体化も進歩して、さらにミニチュアワークやスーツアクトとの組み合わせも活かされて、全体的な映像の完成度は以前より遥かに上がってる。


 で、生身の人間がスーツを着込む、というもっとも粗の見えそうなこの内容でも、もうほとんど違和感が感じられない。ダウニーJr.が人工心臓を埋め込む、という生々しいシーンと合わせてリアリティが増している。音速で空を飛び始めるところはともかく、自室で数mほどホバリングしてみるシーンの危なっかしさ、でもこれぐらいは実際に出来そうという感覚……。


 シリアスなテーマを語るには少々底が浅く、そこらへん『インクレディブル・ハルク』に一歩譲るが、隅から隅まで詰まった娯楽作品。