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”ボヴァリー夫人でもない”『わたしは潘金蓮じゃない』


『わたしは藩金蓮じゃない / I AM NOT MADAME BOVARY / 我不是藩金蓮』 予告編 Trailer

 大阪アジアン映画祭2017、五本目!

 会社から提供される部屋が目的で偽装離婚したリー・シュエリエンとその夫。だが、復縁するはずが夫は別の女と結婚してしまう。訴訟を起こすシュエリエンだったが、事態はますます複雑化し、彼女は陳情のため北京に向かうことに……。

 邦訳もされている中国の人気小説を、フォン・シャオガン監督が映画化。
 いや、事前に予告編はチェックしていたんだが、画面サイズがすごいことになっている! 通常のスタンダードサイズをさらに丸く切り取った小さい画面がずーっと続くのだ。話が進んで時々田舎から北京に出かけていくのだが、そこでスタンダードサイズになる。が、田舎に戻るとまた丸い画面。
 おかげで……なんだか……よく見えないぞ……? かなり前の方で見ていたのだが、そもそもその構図に収まるような画面づくりをしている上に、クローズアップも使わないので、役者の顔までよく見えない。主人公のファン・ビンビンの表情もよく見えず、妙に突き放したような絵面が続く。
 さすがに情報量が少なすぎ、なかなか話が頭に入ってこない。あ、眠い……。

 クライマックス後の現代パートで、やっと普通のビスタサイズの画面になり、そこから突然、主人公が自らの行動の意味を語り、その心情を吐露する。ここに至るまで、彼女のこだわりの正体を敢えて見せないための設計だったことがわかり、なるほどと納得させられたわけで、実に見事な構成……なんだけど、やはり見づらくて眠いのは仕方ないねん。

 人を噂話で潘金蓮扱いしちゃう田舎の閉塞感は強烈で、またファン・ビンビンの美貌を前に臆面もなく「やりたがる」村人たちよ……。そして本来彼女の訴えを処理しなければならない役人は、無責任で、仕事せず、全てをたらい回しにしていく。それでも十年にわたって食らいつき続けた彼女の執念の原動力とは……。今作は、中国の法制度や政策の矛盾などをダイレクトに問いかけていく。

 これは大変渋い映画で、意図を汲んで観ればなかなかすごいはずである。が、ちょっと眠気に負けて頭が追いつかなかった。残念だ……。この年の『孫中山』枠だったかな。