”手を使わないで”『タチャ 神の手』


 ビッグバンのタプさん主演作。


 幼い頃から勝負強かった少年テギルは、成長して叔父と同じようにギャンブルの道を歩む。しかし、借金を作ってしまった家族を救ったことで追われる身になり、故郷を離れソウルへやってくる。そこでも賭場の一員になり、頭角を現したテギル。だが、客の女社長を誘惑し罠に嵌める手はずが、うっかり本気になってしまい……。


 『サニー』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20120531/1338461888)の監督の新作は、全然知らんアイドル主演の続編もの。しかも『10人の泥棒たち』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20130628/1372414360)と同じく、上映時間決め打ち、割引なしの2000円興行。完全に主役のファンの人狙いになっている。


 花札は子供の頃に遊んだがいくつか遊び方があるし、韓国でやっているのはそのどれとも違うルールのようね。一応、札の強い弱いは共通のようで、役が揃えばより強くなっていく。ただし札を伏せて、ブラフをかけての下ろし勝ちもあり……。
 映画らしく勝負もテンポ良くバンバン進んでいくので、『カイジ』(漫画の方の話ね……)のように延々心理を描くこともなく、ストーリーに沿ってより「強い」「上手」の方が勝つようになっている。


 二時間半、ほぼタプさんが出ずっぱりで、序盤は直情的で女に弱い騙されやすいキャラなところが、負けて散々な目に遭いつつも成長していく。そうしてタプさんファンも大満足だが、韓国映画的にもいい顔のオッさん役者達が続々登場するので、OKですよ。『アジョシ』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20111009/1317816944)でウォンビンに瞬殺されたオッさんが、またもボディガード役でKOされるのにほっこりしましたね。
 女優も下着程度ですがサービスシーン多し。さらには格闘アクションにバイオレンスシーンも入っていて、日頃韓国映画に期待しているものはだいたい揃っており、アイドル映画ながら充分楽しませてくれますよ。


 サービス精神も旺盛で見せ場も連発、タプさんも脱いだり決めたり変顔したり、かっこいいところから情けないところまで全て見せ尽くす勢い。さらに、上映前の前説で花札のルールや掛け声などを解説! それも見たらあまり意味がなかったりして、あれもサービスショットの一環だったのだな……。


 まあまあ面白かったのだが、こうなると2000円払ったのが非常に惜しい。1300円ぐらいで観られていたら、ああ楽しかった、いい映画だった!と思っていたのは間違いないのだが……。

サニー 永遠の仲間たち デラックス・エディション Blu-ray

サニー 永遠の仲間たち デラックス・エディション Blu-ray