"隣は何をする人ぞ"『ボディ・ハント』
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両親の離婚により、母と二人で暮らすために都会から引っ越してきたエリッサ。隣家は、かつて精神に異常を来した少女が両親を惨殺したという曰く付きの家。そこには、少女の兄であるライアンが一人で住んでいた。クラスメートに幻滅したことを切っ掛けに、ライアンと親しく付き合うようになったエリッサ。だが、ライアンは家の地下室にある秘密を抱えていた。そこに、「彼女」がいる……!
かのイーストウッド御大の『人生の特等席』に、初週興行成績で勝ってしまったという映画。『ハンガー・ゲーム』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20121008/1349695180)効果か、御大がオバマdisで滑った影響でもあったのか、まあ快挙だろう。さて、内容はと言いますと……。
ボディ云々といかにもエロティック・サスペンスみたいな宣伝がされてたが、ジェニファー・ローレンスって別にそんなエロキャラじゃないよね。果たして、エリザベス・シューおかんと一緒に引っ越してきて、数年前に殺人があったという隣の家に住んでいる男と出会い、なにやら恋愛もののような雰囲気に。学校生活など青春映画っぽい要素も登場。さらにその殺人事件の犯人で、行方不明になったはずの頭がおかしくなった妹を、男が密かに地下室でかくまって世話している……。
事件に直接関わっていなかった息子に対する田舎の偏見と、気が触れた妹を庇う兄の気持ち、障害を持つ家族との同居、という重いテーマも含まれている。うーむ、これはもしかしてサスペンスみたいな宣伝してたけど、実は真面目な映画だったのかな? と考え込んでしまったよ。
結論を言うと、これらはすべてミスディレクションで、後半に真相が明らかになる。わかって振り返ってみると中盤までのネタの仕込み方はかなり丁寧で、アンフェアな描写もなくなるほどと腑に落ちるところ。ただまあ、終盤のバタバタっぷりが長ったらしかったのが残念。
真相が明らかになってみると、主役のはずのジェニファー・ローレンスが実は話の蚊帳の外にいたことがわかってしまうので、何か風変わりなものを見た感覚も残ってそこはちょっと面白い。
しかし、まあまあ面白かったものの、メインプロット以外は総じて緩め。出ずっぱりのジェニファー・ローレンスが、ギター弾いたり歌ったりお化粧したりを楽しむアイドル映画っぽさもありで、これがヒットしてしまうというのは、今相当人気あるんだなあ、と実感したのであった。
ところで隣の家のゲス野郎な同級生のおかんが、「あっ、クレア・フォーラニだっ!」と思ったのだけれども、似てるだけで違う人であった。
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