"魂の還る場所"『タイタニック 3D』
1998年に一本目に観た映画だったな〜。3Dになって公開。
1997年、沈没して85年の経つタイタニック号に残されているはずの蒼いダイヤモンド「碧洋のハート」を探し、深海調査船による捜索が行われていた。ある船室から見つかった金庫から、そのダイヤを身につけた美女の絵が発見されるものの、ダイヤの行方は知れない。だが、報道された絵を見た102歳の老女が名乗り出て、調査船にやってきた。彼女の名はローズ……。老女は、世界最大の船で起きた事件と、そこでの一つの恋を語る……。
いや〜、ほんとに久しぶりに観たんだけど、アホみたいに面白くて悶絶しそうになったよ! 舞台になるタイタニック号のスケール感がまず最高。狭いようで広い船内、豪奢な一等客室や食堂など、美術も素晴らしい。もう二度とこんな映画は作られんだろうなあ。いや、船を沈めて大量の水使って皿を割りまくる映画は出て来るかもしらんけど、それはどうやっても『タイタニック』にはなりえないよね。『ポセイドン』とか……。
主演二人の輝きっぷりもびっくりした。デカプーのスケッチブック越しのマジな目が、最初に回想で映った時にもう鳥肌きたもんな〜、なんだこりゃ。このちょっと目つき悪い感じだからこそはまるこのショット。ケイト・ウィンスレットはこの頃から貫禄十分だね〜。
映画の象徴として船首のシーンが有名だけど、実際にストーリーに多く絡むし重要なのは船尾なんだね。出会いと別れ、「飛び込む時は一緒」っていう台詞も全てここにつながってくる。ローズが一回ボートに乗るんだけど、また戻ってくるところが好きだな〜。あそこがあるからこそ、最後のジャックの行動があるわけでね。
ヒロインが生き残ってることはわかりきってるし、船がいかにして沈んだのかも全部再現CGで冒頭から観せてしまう。それなのに後半は怒涛の盛り上げに手に汗握りまくってしまったよ。出会ってたった数日の二人だったが、だからこそあれほどに燃え上がるのか! でも二人が過ごしたのはごくごく短い時間なんだけれども、恋愛のいいところがぎっしり詰まってる。一緒に笑って泣いて、楽しい事も嫌な事も哀しい事も共有して、手をつないで全力で走る。斧振り下ろした後で馬鹿笑いしてるとこが最高。船は沈んでるし笑ってる場合じゃねえんだけど、緊張の限界が途切れて思わず笑っちゃうんだよね。人間は、どんなつらい時も笑って乗り越えるんだよ!
14年ぶりに観たから、細かいとこは完全に忘れていた。ケイト・ウィンスレットの唾とかパンチとか斧とか、まったく覚えてなかったので、いちいちハラハラしたね。箱入り娘が武闘派になるってのは『ターミネーター』以来のパターン。最後の婚約者ガン無視から名乗るとこ、海ポチャまでまことに痛快。
登場人物多い割に、友達とか全然活躍しなくて群像劇になってないところもまた恋愛映画らしく面白い。それでも要所要所に実話通りのエピソードは入ってるし、船長の事故後の心の折れっぷりもリアルだなあ。唯一惜しかったのは、キャシー・ベイツがあんまり活躍しないとこだな〜。さっさとボートに乗ってしまうからね。あそこでもうちょっと残ってれば色々と展開が望めただろうに。
突っ込みどころも大量にあるんだが、大パニックの中での大恋愛、燃え上がる最高の娯楽作であったわ〜。ラストもいいよ〜。TV版エヴァの最終回のような感じもありましたが(笑)、人が死んでも魂は一番幸せだった場所へ帰って行くのかな、と考えましたよ。最初に観た時はダイヤの行く末が気になってたけど、今回は色々と他のところも注目できた。そして今回も14年前と同じく、終わった時は劇場中が泣いていたよ!
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