『パブリック・エネミーズ』
大恐慌時代、発足間もないFBIにより、市民の敵ナンバー1と呼ばれた銀行強盗、ジョン・デリンジャー。逃亡生活の最中、彼はビリーと言う女と運命的な出会いをする。だが、包囲の輪を狭めるFBIは、ビリーをおとりにデリンジャーを逮捕しようとするが……。
『コラテラル』『マイアミ・バイス』と、キメキメの映像とスタイリッシュ演出だけは冴えているものの、意味の取れないストーリーやキャラクターで、もうそろそろ手法の限界を感じさせてしまったマイケル・マン監督。新作は実在の銀行強盗を主役に据え、現代劇からも離れた。しかしながら、史実を下敷きにしたことで、ストーリーで無茶できなくなったせいか、お得意のキメキメ演出は不発に終わるという悪循環。ていねいに作ってあるものの、なんか窮屈な印象であった。
スティーブン・ドーフが出てるのに全然気づかなかったりとか……
マリオン・コティヤールは『TAXI』の頃から可愛かったなあとか……
クリスチャン・ベールがいつ部下に「ア〜ユ〜プロフェッショナル!?」と怒鳴るか気が気でなかったりとか……
ドン・フライが出て来るとこで、つい声出して笑ってしまったりとか……
リーリー・ソビエスキーは老けないなあとか……
う〜ん、余計なことばかり気になってしまったな。
しかし、終わって映画館を出た後、スローモーションで大げさにコートを羽織ってみたり、ちょっと横目で辺りを見回してみたり、ついついデップ様の真似をしてしまうあたり、それなりに演出も冴えていたということであろうか……。