『エスター』


 ダークキャッスル最高! ゴーストハウスと並んでバカホラーを提供し続ける暗黒の城が、またも歪みなき新作を投入!


 3人目の子供を流産したことをきっかけに、孤児院から養子を迎えることにした夫婦。ロシア生まれの9歳の少女エスターは、非常に利発で頭が良く、年齢よりも大人びて見えた。難聴の義妹もすぐに懐き、すぐに家族にもとけ込むように見えたエスター。だが、徐々に彼女はその本性を現す……!


 衝撃のラストもあるのだが、それよりもそこに至るディティールの精緻さ、さらに少女による悪逆無道という胸の悪くなるような状況の連発がいい。なんとなく落ちは想像もついてしまうのだが、そこまでの過程で充分楽しませてくれるし、標的になる兄妹の無力さ加減が、緊迫感を生むいいスパイスになっている。そして、こういう映画に出ては、相変わらずいい人とも言い切れない微妙な存在感を醸し出すピーター・サースガートがまたやな感じ。子供絡みで「お父さん」というのはいかに役に立たないかを、思い知らせてくれる。


 エスター役の子役がまた愕然とするぐらい上手くて、思わず張り飛ばしたくなるし、細部まで練り込まれた感じがいいね。監督はスペイン人、撮影はカナダだそうで、さほど予算もかかってない作品にも関わらずこの完成度、邦画もまずここを目指してほしいんだが……。


 毎度毎度ダークキャッスルは楽しませてくれる。次は間髪入れず『ホワイトアウト』だっ!


人気ブログランキングへご協力お願いします。


↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
素晴らしい すごい とても良い 良い