『ゾイド』商品展開終了に寄せて

ZOIDS RCZ002 ギルベイダー

ZOIDS RCZ002 ギルベイダー

 1983年に商品展開の始まった「ゾイド」だが、人気の低迷により90年にシリーズは打ち切りとなった。
 86年頃(当時9歳)の頃にファンになった僕は、まあガンダムトランスフォーマーでも遊んでいたとは言え……その終了にひどく寂しい思いをしたものだった。
 資金の問題もあり(当たり前だ)、後期の名機「ギルベイダー」などにも手を出せず、「バトルストーリー」も最終巻だけ買い逃した。


 それから10年……1999年、まさかの復活。アニメ化、旧キットの再販、斬新な新商品の発売。夢の時代がやってきた。買い漁りましたよ、僕は。10年間の空白を、乾きを癒す勢いで。
 かつて持っていた「ゴジュラス」「アイアンコング」「ウルトラザウルス」「デスザウラー」「マッドサンダー」……大型に予算をつぎ込んだあまりないがしろになっていた小型機「コマンドウルフ」「レドラー」「カノントータス」……。
 新コンセプトで生み出された「ブレードライガー」「ジェノザウラー」「ライガーゼロ」「ゴジュラスギガ」……etc。
 計4シリーズ作られたアニメを中心としたマルチメディア展開。旧来のバトルストーリーも継承され、復刊なった最終巻も手に入った。
 幼い頃の夢は、ことごとく叶ったのだ。


 そして、さらに10年。昨年の25周年企画を最後に、どうやらゾイドの商品展開は終了しそうである。ブロックスバイオゾイドなどの新シリーズも定着せず、不況の影響かキットの価格も高騰。もはや大きなお友達でなければ手が出せないレベル。90年第一次シリーズ末期の商品「キングゴジュラス」「ガルタイガー」などが最近になって再販されたが、再びそれを最後としてブームが終わるのが、何か象徴的だ。
 結局、空白の10年の間に蓄積された情念と、この新たな10年に積み重ねられた技術が、ついに全て吐き出されたということなんだろう。旧ファンも新ファンも惹き付けるものを生み出すには、そろそろ限界だったのだ。
 向こう数ヶ月、新商品の発売予定はない。これからまた、明日も知れない空白の時が始まるのだ。寂しいなあ。


 しかし、ネットを回っていると、古くからのゾイダーがこんな事を言っていた。


「この10年間は夢のような時間だった。だが、我々がそれ以前の空白の10年を戦い抜いたことを忘れてはならない。
 そして、この10年は、我々が今後また10年戦い抜くだけの蓄えを残してくれたはずだ」


 うーむ、その通りだ! いいこと言う!
 写真は未組み立てゾイドの山。まだこれで半分。
 確かに、これとネットの世界に積み上げられた資料の山があれば、10年ぐらい余裕で戦えそうだ。とりあえず、「ギルベイダー」と「ギルドラゴン」の二体並べる事を考えただけで、もうお腹いっぱいです。


 10年後、この10年でさえも霞むような、素晴らしきゾイドの時代が来る事を祈りつつ、しばしの別れだ。


 あ〜、でも最後に「サラマンダーF2」だけは再販してほしかったなあ。黄金色の煌めき……!

ZOIDS RCZ001 キングゴジュラス

ZOIDS RCZ001 キングゴジュラス