”カードは指で読む"『ゴッド・ギャンブラー レジェンド』


 バリー・ウォン監督作!


 引退し、娘のレインボーと共に平和に暮らすケン。長年の親友ベンツと再会し、その息子クール、従兄弟のカールに弟子入りを志願されるもののすげなく断る。だが、クールの兄ライオネルの秘密捜査に娘が巻き込まれ……。


 自分にとっては「ゴッド・ギャンブラー? ああ、チャウ・シンチーのあれね……」というのが普段の認識なのだが、ここはユンファさん主演ですよ。共演はニコラス・ツェー、チャップマン・トー。こないだの『スペシャルID』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20150307/1425704810)で刑事役だった女優も出ている……。またゴリ押しか!?


 秘密捜査官の親戚が、ニコラス・ツェーの家に機密情報を隠し、そのせいで家族がまとめて狙われ、ちょうど再会したばかりのユンファさんも危機に……というのが、あってないようなお話。悪役に追い回されつつ、ちょっとした恋愛話も絡んでドタバタドタバタ……。しかし、まったく退屈させない手際の良さで、ベタなギャグを連打しながらサクサク進んでいきますよ。銃撃戦にカンフーファイトも放り込んで、サービス精神旺盛なところを見せる。
 そして「賭神」ユンファさん……なんですが、やってることは基本、仕掛けとイカサマだから! トランプを投げまくって敵をやっつけ、頭脳戦の要素などまったくなし!


 全編がものすごいテンポの良さとサクサク感で、このスムーズさはさすがバリー・ウォンだな……と思うのだが、ジャンプカットあり、お話も超展開ありと大胆に省略しているからか、なぜか役者が全く動いていないように見える。カットとカットの間の移動まで端折るから、ユンファもニコラス・ツェーも一歩も動かず単に背景だけが切り替わっているように見えてくる。この感覚は……何か新しいな……。
 まあビッグネームのユンファさんは、もうあんまり動き回りたくないのかもしれないし、これぐらいがちょうどいいのだろうか。


 これでこの春の中華映画祭りも、三本とも皆勤しました。頑張った!

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