”今日も世界のどこかで誰かが"『101回目のプロポーズ』
日本のドラマのリメイク!
お見合いに99回失敗した内装業者のホアン・ダーは、100回目に臨む直前、美貌のチェロ奏者イエ・シュンと出会う。仕事仲間の応援を受けて彼女と距離を縮めようとするダー。婚約者を交通事故で失ったイエ・シュンは、人を愛することに臆病になっていたが、ダーはその彼女の眼前で車道へと飛び出す。「僕は死にましぇん!」
まだまだ続きますよ、フリーパス月間。いや、一応、中華系映画はまめに観てる方だし、これも当然要チェックではあった。リン・チーリン出てるし、主演の男の方もチャウ・シンチー映画に今度主演しているそうだし……。正直、こちらの記事(http://d.hatena.ne.jp/throwS/20130225#1361806925)で初めて存在を知った時には絶句しましたが……。
ただまあ、ドラマも全然見ていないからなあ。ナットを指輪にするところだとか、有名な車に轢かれないシーンぐらいはまあ知っていたが。
今回の映画、途中で武田鉄矢が登場し、ドラマ版の登場人物として、自分が過去に結婚までこぎつけたエピソードを語る……というシーンがあり。さらにチェリストのリン・チーリンは浅野温子の弟子という設定で、つまりこの映画版はドラマ版と同じ世界観、時間軸にあるということなのだな。かつて日本で起きたある恋愛物語と同じような、車道に飛び出してわめき、ナットを指輪にするようなお話が、三十年の時を経て遠い中国で繰り返され、登場人物同士が親近感を持つ……って、なんだその設定。ありえないよ!
しかし二時間の映画ということで、連ドラのように毎回見せ場が必要なわけでないので、登場人物も刈り込まれているし、残ってる主要人物、特に主演の二人も過剰なエキセントリックさが影を潜めて、好人物になっておるね。ご存知、車に轢かれそうになるシーンも、それまで愛想笑いを浮かべてばかりで、大人しいんだけれどどこか本心を隠していた主人公が、初めて感情を爆発させる展開として処理していて、もっと強引に入れ込んだように感じるかと思ったが割と自然。その後の武田鉄矢登場は、リン・チーリンに「恩師のダンナさんを接待しなきゃ……先にあなた行って……」と言われて男の方が行かされる、という死ぬ程強引な展開でしたがね!
リン・チーリンは、まあこれが37歳か、というぐらいに美し過ぎ、かつ身長も乳もでか過ぎで、『レッド・クリフ』よりもずっと生き生きして見えたな(やっぱりジョン・ウーは女は撮れんのだな……)。かなり好人物に設定されつつも、優柔不断に陥ったり、ツンツンして偉そうで微妙に嫌な性格をしている面もあるのだが、そこがまたいいではないか。むくれている顔やジト目など、まあ美人は何をやっても美人なのでそんなところまで良く見えるというだけなのかもしれませんが!
やっぱり結婚式はぶち壊してなんぼだよなあ、というクライマックスも良かったですね。『のど自慢』みたいな番組に出て無理矢理盛り上げるような強引さも素晴らしいし、記憶喪失の婚約者が敗北を認めるあたりも潔くてグッと来ましたよ、ぼかあ。
劇場はビックリするぐらいガラガラで、隣のカップルは女の方が携帯いじった挙句に爆睡という(男の方はわりと楽しそうだった)体たらくでありましたが、映画自体はなかなか良かったですよ。
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