"今夜、わたしはヅラを捨てる"『17歳のエンディングノート』
ダコタ・ファニング主演作。
癌で余命わずかと言われたテッサは、化学療法をやめて自宅に戻ることに。ベッドサイドの壁に、死ぬまでにしたいことを書きとめ、それを一つずつ実行することに。別れている両親や弟、友達、隣に越してきた少年と過ごす中、テッサの命の期限が迫る……。
『トワイライト』シリーズ(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20091121/1258727316)に悪役で出演するのに時間を取られていたダコタ・ファニングだが、久々に単独主演作が公開。その前は『ランナウェイズ』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20110328/1301238090)だったので、やっとクリステン・スチュワートと縁が切れて、喜んでいるのか悲しんでいるのかは謎である。
さて、今回の映画はひねりのない難病ものです。もう子役時代からキャリアの長いダコタですが、難病映画は初かな? ひねりがない、ベタとか何とか言いつつも、やっぱりこれからも続いていく女優歴の中で、やっぱり一回やそこらは経験しておかねばならない、悲劇的に死んでいくシーンをフィルモグラフィに焼き付けねばならない、そういう意味では今作にも意味があるんじゃないかなあ、と思います。
ちょっぴりポップに幕を開け、友達がそそのかす程には羽目も外せず、全然悪い人じゃない両親との軋轢があり、やがてイケメンが現れる……という、全てお約束の展開! 子役あがりのダコタは、近年の女優女優した体型をしていないので、意外とナチュラルな雰囲気を醸し出しており、映画のトーンは尖ったものがなく、実に普通。彼女自身の表情など、いくつになっても天才的演技ではあるが、さすがにこのどっかで見たようなシーンを羅列しただけの映画では、そのポテンシャルも発揮できなかったなあ。
内容の良し悪しは置いて、一昨年の難病三連打『50/50』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20111214/1323775719)、『わたしだけのハッピー・エンディング』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20111227/1324990294)、『永遠の僕たち』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20111214/1323775719)と比べても平凡。ただまあ、両親のキャラクターに名前がなく単に「父」「母」としかなっていなかったりするあたり、確信犯的なことでもあるのだろう。
平凡だが、別に下手な映画ではなく、娘の死を受け入れられない「父」のキャラなど、まあまあ泣かせる。難病定食涙味をたまには食べたい人にはいいかな……。
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