"総当たりリーグ戦勃発?"『ドラゴン・バーニング』
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2006/03/24
- メディア: DVD
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ギャングによって同僚を殺されたウー刑事は、危険を承知で捜査を進めていた。その元同僚で、今は観光ガイドをしているチー・ランは彼女を心配している。一方、ギャングは中国各地に眠る秘宝を追い求め、あらゆる病を治すと言われる水晶の仏像を手に入れるため、チー・ランの恋人ジョイスの父、考古学者のロー教授を誘拐するのだが……。
ドニー・イェンの未見作を続けて消化しよう、と思い、購入していなかったものもちょうど値下がりしていたので、立て続けに購入。今作もその流れで手に入れた。製作順では『タイガー刑事』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20130219/1361273590 )、『クライム・キーパー』の次に当たる作品。
まあびっくりするぐらいに予算がなかったのかな、という街中のドタバタを中心としたストーリー。元刑事で、今は観光ガイドのドニーさんは、縞のパンツにサスペンダーというスタイルが超いけてないぜ! しかし正義感溢れる彼は元同僚シベール・フー刑事を助けるために、水晶の仏像を巡るマフィアの抗争に挑む! 街中から、舞台は裏山へ……。
wikiを見てたら、「男女問わず皆腕が立つ」という記述があって笑ってしまったが、話は正直どうでもよくて、全員が入れ替わり立ち替わりカンフー対決するあたりが見どころ。リーグ戦のごとく相手が入れ替わり、最終的に誰と誰が激突するのか、とか、興味津々ですよ。途中までは全然戦わなかった金持ちの女まで最後に殴り合いに参戦したりしてカオス。ただまあ、おかげでライバルストーリーや個々の強さの表現は限りなく散漫になり、決着も金的と凶器攻撃が飛び出す体たらく。名著『ドニー・イェン アクション・ブック』で書かれていたアクション理論は、おそらく今作を反面教師としたのではないか……とも思わせるね。
ドニーさんは軽い男路線が未だ続いており、ジャッキー映画の影響か、ワイヤーを駆使した自転車アクションなども見せる。ファイトシーンで時として決め顔を見せるあたりは、現在でもおなじみ……なんだけど、それがギア・チェンジとして描かれずその後で凶器攻撃に頼ってしまったりするあたり、やっぱり狙いが絞れていないね。
ドニー黎明期の貴重な資料として記録しておきたい映画でした。さあ、次は『邪神拳』の予定。
- 作者: ドニーイェン,谷垣健治,Yen Donnie,浦川とめ
- 出版社/メーカー: キネマ旬報社
- 発売日: 2005/10/01
- メディア: 単行本
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