"本能に従え"『トリプルタップ』

トリプルタップ [DVD]

　『ダブルタップ』の続編！

　射撃大会で優勝を目指していたチョン警部だが、投資会社で働くクワンに敗れ、二位に終わる。自分を凌ぐ「トリプルタップ」を使いこなすクワンをライバル視するチョン。だが、大会の直後、クワンは帰り道で強盗事件に遭遇し、強盗犯三人を射殺する。起訴されるクワンだが、誰もが彼の正当防衛と無罪を支持した。しかし、チョンはどうしても疑惑を拭い去れず……。

　まあ前作観てないんだけど、別に知らなくても楽しめる。ルイス・クーとダニエル・ウーが共演ということで、え〜、君たちいったい何回対決したら気が済むの……という、まさに名勝負数え歌ですな。

　冒頭の射撃競技のシーンがいきなりキレキレのかっこよさで、ちょっと自分もやってみたくなった（笑）。ここでいきなりハイスコアを出したダニエル・ウー刑事、最後にダブルタップを叩き込んでフィニッシュ。優勝か……と思いきや、このあとに出てきた会社員ルイス・クーが、0.5秒速く最後もトリプルタップをぶち込んでクリア！ 逆転！ マジかよ、みたいな顔したダニエル・ウーだが、表彰式では「世界大会でまた勝負しようぜ」とさわやかに握手。いや〜、スポーツマンですね。しかし、勝ったルイス・クーにはどこか暗い影が漂う……。

　競技会の帰りに早速強盗事件に遭遇してしまうルイス・クー。その射撃の腕前で、ちょっとビビりながらも強盗犯を射殺！ 逮捕されてダニエル・ウーの取り調べを受けることに……。ここ、事件シーンの映像を見てると、まあ競技用の銃をぶっ放したとは言えほぼ正当防衛だし、駆けつけた警官が撃たれてしまったことも不可抗力だよなあ、と思える。起訴前提で捜査するダニエル・ウーは競技会で負けたのを根に持ってるんじゃなかろうか……。
　しかし……実は……この事件シーンの映像はバッチリ編集が入っていたのでしたあああああ！ あ〜、騙された、完全に騙された。でもこの編集はずるい。小説で言うと三人称の地の文で嘘を書いてるようなもので、ミステリ的には完全にアンフェア。
　騙されておったので、途中もかなり頭を悩ませながら観てしまったわ。いったいこの展開はどこへ行くのだろう、何が起こっているのだろう、と……。

　今回のルイス・クーは徹頭徹尾シリアスキャラなんだよね。影を背負い、どことなく弱さとコンプレックスがちらつく。実は仕事も全然できず上司の言われるがまま、けれど銃の扱いだけはトップ、という……。しかしながら看護士の女シャーリーン・チョイと、会社の女上司リー・ビンビンと、二股をかけていたりして……またか！ なんでこの男はいつも下半身がだらしない役ばかりなのだ！
　対するダニエル・ウーは徐々に疑惑を深め、じりじりと迫っていくのだが、銃の腕では負けているあたりをどう埋めるかも見所。

　まあ編集がずるいところ以外は、おなじみイケメン対決でまずまず楽しめる。競技用の銃というのも物珍しいしね〜。

ダブルタップ [DVD]

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