"オバンバが脳味噌を喰らう!"『バタリアン』

 カナザワ映画祭2012(http://www.eiganokai.com/event/filmfes2012/index.html)で鑑賞。


 『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』は本当にあった話だ! 医療器具を扱う倉庫に就職したフレディは、先輩社員フランクからそんな話をきかされる。そして、倉庫の地下には軍から流出した樽があり、その中にゾンビが、死体を生き返らせるガスごと封印されていると……。半信半疑のフレディを倉庫に連れて行くフランク。果たして樽の中には……。


 この映画、観たいと思いつつ観ていなかったのだが、それには理由があって、小学校の時、3・4年の担任だったF井先生に、「ラストで○○が飛んできて街が○○ってびっくりした!」と完全にオチまでネタを割られていたのだよね。そんなわけで昔からオチだけを知ってる映画だったのだが、やっとこういう機会に恵まれて見ることが出来ました。


 原題無視の邦題、内容と関係ない煽り文句、まったく原語の台詞と違う字幕など、隅から隅まで東宝東和イズムが浮き上がり、特に台詞は「yes」なのに「オバンバ」と言ってるあたりでは爆笑。タールマンとかバタリアンとか、いったい誰が名付けておるの……。
 事件の発端のガス漏れのシーンからして神がかり的な呼吸で(「大丈夫、軍の樽だから漏れないよ」バン! ブシューッ!)、いきなり腹を抱えて笑ってしまったが、そこからは矢継ぎ早にショックかつ笑えるシーンを畳み掛ける。動く死体を「狂犬病のイタチだよ!」と言い張って燃やそうとするシーンも面白かったな。面倒見のいい中小企業の人たちや、墓守のおじさんもいい味を出している。


 映画祭のテーマはエロスということだが、割合即物的な、というかまったく意味のないヌードも披露され、やっぱり食い殺されたあたりも最高。状況のエスカレートっぷりの描写もうまく積み重ねてて、芋づる式に悪化して行く感覚が良かったですな。最後は話に聞いていたオチも確認して、大満足であったのでした。
 しかしまあ、僕なんかはやっと第一作を観たわけですが、コアなゾンビ映画ファンたちがこないだTwitter上で『バタリアン4』と『5』はどっちが面白いか、と大激論してるのを観て、ちょっと怖いなと思ってしまったのでありました。 

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