2012/6/20 WBC・WBA統一戦 井岡VS八重樫 観戦記


 さて、実現困難と言われた日本人対決が、地元で開催される、と言う事で行って参りました。地元も地元、歩いて15分だからな。
 前回はK-1観戦に来たわけだが、今回はボクシング。しかしK-1時代は生で観た事なかった京太郎が観られるってのは、なんか不思議な気分ですね。


 当日は開場時間ちょうどぐらいについたら、すでに人が入り口に向けて流れ込んでいたので、ぞろぞろと入る。先に格闘技観戦の大先輩Mr.Y氏が来ているはずなので電話したところ、まだ外で並んでる、とのこと? ん? オレ、並ばずに入っちゃったけど……あれって列の途中だったの? これには伏線があって、


https://twitter.com/T_STYLE_Axis/status/212879048152592385


 こんなツイートを見かけてたんだよね。こりゃあ売れてないんじゃないの? 開場前に行列なんてないだろ、と思い込んでいたせいもある。実際にこんなチケットが投げ売りされてたのか、あるいは怪しい伝聞情報だったのかは知らないが。
 自由席ということだが、応援団的なのがごっそり席をテープで囲ってたりして、あまりいい環境じゃない。南側のカメラ横の三列目を確保し、バッチリと思ったのだが……。
 ここでY氏と、そのマイミクのCHIさんと合流。Yさんが「席バッチリじゃないですか!」と言ってくれたが、「いや、一つ弱点がありまして」。実はビジョンの真裏だったので、煽りも番宣もリプレイもまったく観られなかったのであった(笑)。


 前座はいきなり女子の試合でKOがあったり、なかなかいい滑り出し。だったのだが、5時開始で放送開始の8時までは如何せん長かった……。ダラダラとしゃべりながら観てたが、前座はまったく倒す気配がなかったり、実力差ありありだったり、決定力に欠けたり、露骨なロートルを連れて来ていたり、ということで、見事につまらなかったなあ。判定もちょい井岡ジム寄りな印象。これがホームか。
 そうそう、京太郎の試合も相手が弱過ぎて最悪だったが、まあ彼のボクシング仕様の新たなスタイルは観られて良かった。得意のかぶせる右もまた観られたしね。
 途中はうつらうつらとしてしまったけど、最近、ほんとに映画の最中とかでも、ちょっとつまらなかったらすぐに寝ちゃうんだよねえ。これが年齢というものでしょうか……。
 そしていつもmixiで「オイラは試合なんてどうでもいいんですよ」とうそぶきつつラウンドガール写真を公開しているY氏だが、今日はカメラも持って来ておらず、真面目に観戦モードであった。まあこの日は普通の水着だったし、興味がわかなかったらしい。


 さて、舐めていた客入りですが、前座の間にちょっとずつ増えて、6時を迎える前にほぼ座席はいっぱい。何時になっても「今、仕事終わって駆けつけました」という風な人が続々と現れる。じわじわと通路に座る人が増え、立ち見も……。こりゃあ完全に座席以上にチケット枚数出してるな……。気がつけばとんでもない客入りになりつつある。昨年のK-1に来た時は某ライター氏が「なんで(府立)第二にしなかったんですかね……」と言ったぐらいのイマイチ感が漂っていたのだが、さすがはボクシングというところか……。全然、底力が違う……。逆に大阪城ホールでやれば良かったんじゃないの。
 メインを前にして、早くも立錐の余地無し。アリーナの立ち見も解放されたっぽい。そりゃあ、このまま放っといたら暴動が起きるっしょ(笑)。通路も完全にふさがり、トイレもいけそうにない。こりゃひどい、どんだけ商売っ気出してんだ、ふざけてんじゃないぞ、と、この時は思っていた……。


 生中継のテレビ放送と同時に試合開始。ライトアップの演出もここから始まったが、まったく会場の空気が変わるすごい盛り上がりで騒然。なんせ超々超満員ですから(笑)。


 さて12回戦ということで長丁場、当然駆け引きが重要……と思ってましたが、いきなり八重樫が回転数を上げる! えええええええええ、マジかよ、最初から打ち合い? 高速ジャブを連打し距離を作る井岡に対し、詰める詰める。しかし、井岡のカウンターと精度が勝り、よく見えなかったけど早くも目の上が腫れて来たとのこと。さすがに距離が遠いので、ヒットしたのかブロックの上かもよくわからん! 1〜4ラウンドまでは2-2で分かれた判定になり、現地で観てた時は1〜2が八重樫かと思ったが、後で家に帰って録画観たら取ってそうなのは2と4だった。とは言え、出だしから勢いの良かった八重樫に飲み込まれることなく、井岡がペースを作りつつある、というのがこの序盤の総じての印象。点数以上に井岡優勢に思えたところ。


 中盤はそれが徐々に形になった感じで、距離感もボディ打ちの精度も増した井岡がその差をじわじわと広げて行く……が、ところどころビッグヒットを物にする八重樫が、食らいついて差を広げさせない! 序盤4ラウンドも綺麗な当たりは井岡が多く、ポイント差がついてもおかしくはなかったと思うが、今日のジャッジは手数や強いヒットも重視し、主導権争いがどちらにも傾かない現況をポイントに反映させていた印象だな。テレビ向けのプロ興行らしい視点というか。


 さて、下馬評では長期戦になれば井岡有利に傾く、という話だったのだが、魔裟斗でもおなじみの土居フィジカルトレーナーのダッシュ特訓が効を奏した八重樫、一向にペースを落とさない。顔の腫れもなんのその。井岡がわずかなポイントリードはまだ黄信号と読んだか応戦してきたため、終盤も激しい打ち合いに。ここまでわずかに井岡優勢だった流れは、ほぼ五分と五分に。序盤にもっと差がつけば井岡ももう少しディフェンシブに展開できたのだろうけど、若干効かせられつつも打ち合わざるを得なかった。だが、結局そこでも当たり負けはしなかったし、総合的な強さを見せ切った感あり。八重樫も凄まじい闘志で、最後までまったく集中力が切れなかったな。やはり最後まで物を言うのはスタミナだな〜。あと4ラウンドあれば勝っていたかも(笑)。


 判定は1〜2ポイントの微差ながら3−0で井岡。実に妥当なところだろう。場内はスタンディングオベーション


 いや〜、試合前はね、客詰込み過ぎだろう、と怒っていたんですけど、終わった時は、この名勝負、好試合を少しでもたくさんの人が観られて良かったなあ!という気持ちになりましたね(笑)。王者対決に相応しい白熱の攻防で、正直ドローでお互い持ち帰ってほしかったぐらい。井岡は返上で階級上げを示唆したそうで、それがまあ落としどころかもなあ。


 終了後はYさんとラーメン食って、後楽園での再会を約束しつつ解散。次に生観戦できるのはいつかねえ。もうちょっとまめに地元の小興行にも行きたいですね。