「プロジェクト"Koshien"テストタイプ」HIROYAの担当博士による2010年K-163kgシーンの総括!

 さて、第三回となる今回は、K-1甲子園及び63キロ級について、タイプHの研究をされておられる博士に、お話をうかがいたいと思います!
 では博士、よろしくお願いします!
 
「あ〜、ごっほごっほ。待ちすぎて腰がいとうなったわい。あの尊大な奴もうるさいあいつも、もう少しワシに気を使ってもよさそうなもんだがな」
 
 ははははは、そこはまだ新興の階級ですから。
 
「そうじゃな。だが、63キロのコンセプトは、ヘビー級やMAXとは根本的に違う、と見ていいじゃろう。今日はそこらあたりも語れたらいいのう」


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  さて、まずはHIROYA選手についてうかがいます。前回は久保選手に完敗しましたが。

 
「夏のトーナメントの時にも言ったことだが、この結果は折込済みじゃよ。残念だが、今のHIROYAでは奴には勝てん。まだ大和なら、つけ入る隙があったかもしれんがのう。弱点の強化もテスト戦闘も、すべて遅れている。新しいジムがどんな環境になっているか知らんが、自分に優しい環境で終わっていなければいいがのう」
 
 今年の63キロシーンは、最高の盛り上がりでトーナメントを締めくくりました。しかし、その後はKrushで大和選手が敗れるなど、価値観の失墜とも言える事態が続いています。
 
「そうは思わんよ。大和に勝った卜部にしろ、K-1の文脈においても、甲子園準優勝、トーナメントでも無敗の選手だ。仮にランキングをつけるなら、挑戦者の位置にいてもおかしくない。ぽっと出の無名に負けたならともかく、あり得る話だろう。問題はKrushのリングでこれが起こったということにつきるじゃろうな。ただ、大和はK-1王者ではない。K-1日本王者に過ぎない。来年に世界トーナメントを開くなら、そこで久保、大和、卜部で競わせればすむ話じゃろう」
 
 では、Krush、RISEの活況は、K-163キロ級にとって脅威ではないと?
 
「もちろん、王者が出て行ってぽろぽろ負けるような不手際は、できれば望ましくないのう。今まで完全に下部組織扱いしてきたところに、盛り上がりをさらわれるようなことも、あっていいようなことではない。だからやはり世界トーナメントは必要となるな。ローカル団体とは違うという、権威付けの装置としてな。ただ、この階級は欧米の選手層も薄くなるし、ヘビー級や70キロ級のように「世界最強を決める」などと気張らなくてもいいじゃろう。タイも含めたアジアが中心になる。必要ではあるが、重要度は低くなるじゃろう。ただ、あまり無下に扱ってもいかんな。そこが上の階級と違うところだ。つかず離れず、関係を深めていかねばならん
 
 と、言いますと?
 
「63キロのコンセプトは、各団体のキック王者を集めるようなことではないんじゃ。最大の注目点はK-1甲子園から始まる「育てる楽しみ」じゃよ。各団体でも甲子園のトップ選手が勝ち始めて、やっとそれが浮き彫りになってきたな。地元の選手、自分も通うジムに所属する選手、自分の兄弟や子供……そういう身近な存在が活躍し、階段を上がっていく。選ばれし者が集う場所ではなく、どこにでもいる存在……あるいは自分自身が活躍できる舞台。日本人が等身大のまま活躍できて、ファンレベルの人間が直接関われる舞台。それが63キロ級じゃ。根本的に上の階級とは狙いが違うのじゃよ」


「しかしK-1甲子園と、開催回数の限られたMAXのリングだけでは、その身近な感覚を出すには至らない。選手が段階的に経験を積む場、ファンがそれを身近で体感する場として、キックボクシングジム群によって運営されるローカル団体の存在が不可欠なのじゃ。K-1はそのヒエラルキーの頂点に立つが、収奪する立場になってしまってはいかん。下の盛り上がりをすべてつなげていかねばならんからだ」


「だから、選手などもある程度までアマチュア的でいいんじゃな。親しみの持てる身近な存在であってもかまわん。アスリートの技術戦はMAX、超人同士の激突はWGPに任せ、63は等身大の舞台として見るのが良かろう。既存のファンはキックボクシングの文脈による制圧と矮小化を懸念したかもしれんが、甲子園出身者がそんなものは軽く吹き飛ばしつつある。逆にK-1側が取り込むんじゃよ」


「ただ、やはりこれは今までのK-1のコンセプトとは、似て非なるものじゃからな。63キロ級はある意味、K-1であってK-1ではない。日本ローカルではいいが、この階級だけではやっていけない。逆に技術的先端を目指すべき70キロ級は、ヨーロッパでは日本における63キロの役割も今まで通り担うことになるからの」


「残念なところというか、懸念としては、もう少し早くスタートしていれば、もう少し好況が続いていれば、というところじゃな。母体が傾いでおるからのう。アマチュアシーンの盛り上がりにつながるような、プロシーンの盛り上がりが期待できるかどうか。やはり他階級の隆盛が鍵じゃな」
 
 ありがとうございました。では来年の注目選手について。
 
「一敗地に塗れたとはいえ、日本王者・大和の役割は大きい。このクラスにはやはりプロとしての実力が求められる。大晦日のウィッキー戦は重要な見本市じゃな。始まったばかりのこの階級には、競技的権威が何もない。ファンにとっては身近な存在であってもいいかもしれないが、選手個人としてはスターの領域まで行きたいかもしれん。その辺りも試されることになる」


「ある意味、63キロはぬるま湯になりかねない。キャラクターだけでも生き残れる舞台になってしまうかもしれん。そこで安住せず、強さを追求できる選手がどれだけ出てくるかのう。久保もかなり完成された選手だが、ちやほやされていては伸びるものも伸びなくなる。厳しい課題を与えていかねばな」


「キザえもんも、早くも分岐点じゃな。関西人としての地元からの支持とビッグマウス石川直生を葬って、認知度は充分。しかし韓国の無名選手に煮え湯を飲まされた。大衆は、そっぽを向くのも早い。さすがに弱くては話にならん」


ファイヤー原田も、高校生に簡単にやられたのう……。意味不明なまでのカリスマ性も、さすがにリングに立っているのが一分間ではな……。この選手も、もう少し早く世に出ればのう」


「正直、選手に関しては、いちいち挙げておってはきりがない……。何しろ、こうしている間にも、日本のどこかで注目選手が生まれているかもしれん」
 
 ありがとうございました。では、そろそろまとめを……。
 
「甲子園組の活躍には、これからも要注目じゃ。正直、ここまでの躍進がなければ、今まで語ってきたコンセプトも絵に描いた餅で終わっておった。そろそろ立ちはだかる選手が登場してきた方が面白くなるのう。裕樹あたりにはまだまだ期待したいな。じゃが、何といってもやはり「育てる楽しみ」じゃよ。特にジム通いしとるような人は、横で練習しておる小学生が、明日のスターになるかもしらん、と夢を託してみて欲しいのう。わしのような老人も、そういう若者の成長が、人生の励みになるんじゃよ」
 
 人体実験上等のマッド・サイエンティストが、よく言いますね……。
 
「むむっ、やかましい! 来年に向けて、プロジェクトKはさらなる新型を投入するぞ! 期待して待っておれ!」
 
「くっくっく、そろそろ終わりかな? まったく世話の焼ける奴だ……」
 
「お疲れさまでした〜! みんな〜ありがとう〜!」


「ガルル……」
 
 え〜、守護霊の皆様、今回はありがとうございました! また来年も語っていけたら、と思いますのでよろしくお願いします!
 
 ご覧いただいた皆様も、お遊び企画に長々とお付き合いいただき、ありがとうございました! 次回は大晦日の感想になると思われます。K-1及び格闘技、来年も楽しんでいきましょう! それでは良いお年を〜!



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