『ランボー 最後の戦場』
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2009/02/04
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ランボー自身はベトナムで孤独に暮らしてるんだが、ミャンマーの軍事政権の横暴に義憤を感じるアメリカ人平和主義者を助ける羽目に……。首を突っ込みたくない彼だったが、放っておけば彼等が爆殺されることは間違いない状況になり、アメリカの傭兵部隊と共にミャンマーの奥地へ。
スタさんと言えば説教なんだが、今回も炸裂するね。
「無駄に生きるか、意義のあることをして死ぬか。お前が選べ」
傭兵として生きてきた自分達は戦うことしか知らず、普通の人生を生きても価値がないが、こうして戦場で命を賭けることによってその存在を全うできる。まあそう言いたいんだろうが、この台詞を弓矢突き付けて言うところがずるい。無駄に死ぬか、の間違いだろう。
ま〜そんなスタさんの前のめりなところも味と思えば、なかなか楽しめる。極悪非道のミャンマー軍の包囲網に不意打ちをかけるスタさん、機関砲を奪い、筋肉を盛り上がらせてズガガガガガガガガ………。同じく機関砲を持ち出した軍の反撃を受け、腕の筋肉が裂け、のけぞるスタさん。だがしかし、倒れる寸前に力をみなぎらせて踏み止まり、再び機関砲をがっしりとつかみズガガガガガガガ……!
粉々になる人体、風穴開く胴体、千切れ飛ぶ手足、はみ出る内臓。R15指定は伊達じゃないぜ。事前にミャンマー軍の凶悪さが実際のニュース映像と共に強調されているので、この残酷描写もカタルシスとして昇華……はされないかな。それよりもむしろ、重火器の前に人間はこんな簡単に壊れるのだ、という「プライベート・ライアン」以来のリアリズムの方が引き立つ。
傷を自分で縫ったり100人ほど皆殺しにしたりという、ランボーお馴染みのスーパーマンテイストは随分と薄れ、何十人も倒すもののそれらはわずか一昼夜ほどの出来事で、アメリカ人の人質を救っただけの一局地戦にすぎない。歴史を塗り替えた男として映画となり、変えたはずの歴史によって裏切られてきたランボーは、ついにこの地上で果てなく続く戦いの連鎖の中の、一つの輪である事を受け入れたのか。だからこそ、スタローンの手堅い演出と合わせて、今作単品としてなら佳作として評価してもいいように思う。
しかし途中で、「第二次大戦中にイギリス軍が投下した不発弾」が登場し、その当時からなおも続くミャンマーの内戦の歴史を感じさせるのだが、なんとスタさんが追っ手をやっつけるためにこれを爆発させてしまう! ミャンマーの森の中で巻き起こる大爆発、放射状に倒れていく木々、爆風に浮き上がるスタさん……!
いや〜やっちゃったなあ。ここだけなんか映画のスケールが違うんですけど……。さすがにスタさんもこれぐらいの爆発はないと寂しいと思ったのかな……。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
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