『オーケストラ!』


 なんとロシア映画ですよ。


 30年前、名指揮者として知られたフィリポフだったが、時の政権に楯突き、ユダヤ人奏者の夫婦をかばったことで、演奏会をぶち壊しにされ、名誉を奪われる。酒浸りになった彼は、劇場の掃除夫に身を落とし、ボリショイオケのリハーサルを眺めるばかり。だが、劇場主の部屋を掃除している際、パリの劇場からのオーケストラの参加依頼のFAXを受け取った彼は、それを盗み出し、30年前のメンバーを集めて偽ボリショイオケとしてパリへ乗り込もうとする……。


 ほぼノリとしてはスポ根もの。かつての夢を追う男が、仲間を集めて再びそれを目指す、という……。挫折から這い上がろうとする主人公、やたらとカッコ良い嫁、デブで気のいい頼れる相棒、一癖あるマネージャー……多彩なキャラが絡み、綱渡りの計画を弱音を吐きながらも進行させていく。
 色々と詰め込んでて、少々雑多な印象。もう少し緻密に作っても良かったと思うが、まあこれも味か……。こっちもハリウッド映画ばかり見慣れてるしな。
 音楽こそは人生そのものであり、演奏の先にそれが多義的に浮かび上がる。クライマックスまでに仕掛けられた伏線すべてが協奏曲と共に結実する様は圧巻。隣の席のおばちゃんも号泣してたよ!


 30年ぶりに集まって、楽器を手放していたメンバーさえいたはずの奴らが、本番まで一度も練習しない、というのは舐めてるというしかないが、そこさえ何とか目をつむればいい映画。


 パリで共演する事になるトップスターのバイオリニスト役でメラニー・ロラン。いや〜『イングロリアス』に続いて……おっとこれ以上はネタバレ。しかし綺麗な子だわ。バイオリンもやばいぐらいにハマる。つきあってくれ! 一緒に映写やろう!


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