『パリより愛をこめて』


 試写で鑑賞。


 アメリカ大使館の職員ジョンだが、大使の側近というのは表の顔、実はCIAの下級職員。憧れのエージェントになる日を待っていたが、ある日、ワックスという工作員とコンビを組む事に……。


 近年、キネ旬のベスト10なんかにフランス映画が入らなくなってる、という話を最近読んで、その理由は最近の邦画と同じく、質の低下だという。ふ〜ん、そうなの?と思いつつ、ひさびさに見たフランス映画がこれ。


 ……なるほど……確かにひどすぎる……。
 いや、ヨーロッパ・コープのリュック・ベッソン製作・脚本の映画って『タクシー』にしろ『トランスポーター』にしろ、まだもうちょっと観られたよね!?
 主人公はチェス強い→頭いい、に代表される底の浅〜いキャラクター描写。マイノリティを撃ち殺しまくるアクション描写に、中東=テロという表面的な設定。急激過ぎる場面転換、何がどうつながってるのか皆目分からないストーリー展開。中国系、アフリカ系、中東系、ついでに女は「すべて信じられない」! 女とヤクをやり放題の白人だけが信じられる、という、中学生でさえもう少し考えるだろうという内容は、わずか95分の上映時間の中で苦痛しかもたらさなかった……。内面も何も描かれない敵が一人ずつ順番に出て来るのを撃ち殺す、コントのようなアクション演出も、空疎を通り越して異常だ。それを経てたどりつくのが主人公の「CIAエージェントとしての成長」って……。


 すごい……ゴミのような邦画を観ずに済ませてきたというのに、まさかここでこんなクズを見せられるとは思わなかった……。世間的にそれなりに評価されたスタッフと俳優が集まって、これを真剣に撮ってるというのが信じられない。ヨーロッパ・コープは一回潰れた方がいいし、リュック・ベッソンはもう映画業界から消え去るべきだよ。


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