『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』
アジアン映画祭2010にて、オープニング作品として上映。
マカオに住む会計士一家が襲撃され、惨殺された。唯一生き残ったフランス人の妻は、現地に駆けつけた父に殺し屋の情報を託し、復讐を願う。かつて殺し屋であったが、頭を撃たれたことにより徐々に記憶を失いつつある父は、偶然「仕事」を目撃した現地の殺し屋たちに依頼し、復讐を果たそうとするのだが……。
ジョニー・トー監督の最新作にして、『ザ・ミッション』『エグザイル』に続くアンソニー・ウォン三部作の完結編! 舞台挨拶で初めてみたトー監督は、渋いオジサマでしたわ……。
マカオから香港へと移動するロケーションの中、片言の英語でしかコミニュケーションがとれないフランス人。しかし言語以上に致命的なのは、アジア人の顔の区別がつかないということ。仲間の顔までポラロイドで撮影するのだが、このネタをまさか最後の最後まで引っ張るとは……。
そんな状況で、しかし彼は孤独ではない。依頼を受けた殺し屋たちと不思議な親近感で結ばれ、不可能かと思われた犯人探しも着実に進行する。ついに見つけた敵との銃撃戦は中盤の見せ場なのだが、いや、もうあり得ないぐらいのスタイリッシュさ。対峙する二組の殺し屋たちは、西部劇っぽい演出だが、そこから先は今まで見た事のない映像。月の翳る森のなか、ノズルフラッシュの瞬きだけが目に焼き付く……。
その後のどんでん返しは、トー作品をまめに見てる人なら当然予想がついてしまうのだけど、それでも、毎回絶対に外せないテーマなんだよね。
往年の名優ジョニー・アリディ、『クリムゾン・リバー2』にも出てたはずだが、まったく記憶にないぜ。しかしロックスターでプレイボーイでならしたはずの人なのに、アジアに来たら突然不器用そう! これはトー監督の独特の演出法による不安感ゆえなのか?
ラム・シューは毎度キレンジャー的キャラだが、今回はより太い! おなじみアンソニー・ウォンもいつも以上にリーダーシップを発揮し、無言で引っ張りまくるぜ! そしてまたもギャングのボスのサイモン・ヤムであった……。
フランスとの合作という部分がどこか不思議な味わいを醸し出し、印象としては前2作の外伝というか傍流的なイメージ。しかし、男たちの友情、無言の絆は当たり前だけど国籍を超えるんだ!
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