『機動戦士ガンダムUC6 重力の井戸の底で』福井晴敏

 ジンネマンらと共に地球に降下したバナージは、箱の在処を示す次なる座標であるダカールに入るため、ネオジオンの降下作戦に加わることになる。だが、現地のジオン残党軍の計画は、想像を絶する惨禍をもたらす。ダカールを救うべく、ロンドベル指令ブライト・ノアの指揮するラーカイラムが迎撃に向かう。そこには、箱の秘密を知り、マーセナス家のために戦わざるをえなくなったリディの姿もあった。


 いや〜、表紙をめくると、なにかでっかいものが……(笑)。もう1ページめくると、なにか黒い奴が……(笑)。もう〜ネタバレすんなよ! しかし……最高!
 オープニングから福井が大好きな潜水艦が登場し、それが巨大モビルアーマーに握りつぶされる! わはははははは、これだよこれ。このサービス精神が大好きだ!


 『逆襲のシャア』までの作品、さらに『0083』なんかでも、実際ジオンというのは無茶やってるんだが、そもそもの諸悪の根源は腐敗した地球連邦である、というのは繰り返し繰り返し語られて来た。が、実際にその「正体」というか……その腐敗の根源が描かれたことはなかったんだよね。それはシャアやザビ家のような「個人」に象徴されるものではなく、旧態然としたシステムと思想そのものであったため、わかりやすい敵が必要とされるロボットアニメーションではついに表に出る事はできなかったんだが、小説と言う媒体で福井晴敏はまさにそれを書かんとしているように思える。


 ジオンと戦う事で、歴代の主人公達は結局その連邦を守ってしまい、だからこそ腐敗の温床は残り、宇宙世紀の闘いは『F91』『V』を経て永遠に終わらない。でも、彼らの闘いはそれだけのためものでは決してなかったのだ……。この『ガンダムUC』という作品が、地球連邦の裏を描く事によって語ろうとしているのは、そのことに対する回答なのだろうか?


 あ〜、それにしても「シャンブロ」つええ〜。一応乗ってる人たちが「実体弾の直撃食らうともたない」「エネルギー切れが怖い」と言ってるのだが、破壊シーンの描写を見てると、とても倒せる気がしないのですが……(笑)。ガンダム世界のモビルアーマーは、でかくて出力も火力も凄いんだが、一発いいのもらうと沈められてしまうはず……なんだが、レフレクタービットの弾幕って、サイコガンダムMK-2かよっ! 
 モビルアーマーが都市破壊を正面切ってやってしまうってのは、種デスのデストロイ登場までなかったと思うんだが、もしかしたら「ビグザム量産の暁には」こんな光景が展開されてたのかもね。


 そしてラストでは「黒い奴」登場! あ〜、また欝展開なのかね、これは……。

ROBOT魂[SIDE MS] ユニコーンガンダム(ユニコーンモード)

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