『機動戦士ガンダムUC5 ラプラスの亡霊』福井晴敏

 「NT-Dシステム」の発動と共に、徐々に開示されて行く「箱」の情報。宇宙世紀の転換点とも言える「ラプラス事件」のあった座標に辿り着いたネェル・アーガマを、再びネオ・ジオンが襲う。一方、ミネバと共に地球に降下したリディは、自らの家、マーセナス家に戻り、その秘密と対峙することになる……。


 4巻で大きく動いた状況の整理、とでもいうべき回。父親像というものに結構、好意的なのが福井小説。やっぱりそれはガンダム的には違和感なんだが、語られなかったテーマでもあるからねえ。


 長丁場なら、一回は地球に降りないとならない、というお約束通り、今回ユニコーンが大気圏突入をする羽目に。せっかくリディが降りてるんだから、地球パートはそっちに任せたら良かったんじゃないの……という感じで、ダブル主人公体制には早くも揺らぎ? 軌道上で戦闘やらざるを得なくなり、降りる予定がなかったのに落ちてしまう……という展開は、いささかご都合主義で、突入に際してまたネオ・ジオン側と接触せざるを得なくなるという流れはそれに拍車をかける。
 話の展開としては面白みに欠けるし、キャラクター面でも、大人も子供も現状に抗えず悶々とし続けている。


 ……だが耐えろ! 耐えるんだ! ここを乗り切った先に反抗がある! カタルシスがあるんだ、きっと! オレは信じてるぞ、福井!


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