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今日の買い物

雑記 映画
『ストレイト・アウタ・コンプトン』BD

 公開時の感想。音楽が最高ですよ。
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クリムゾン・ピーク』BD

 公開時の感想。デル・トロコレクションね。
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”あの頃に戻りたい?”『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』

映画


『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』予告

 リチャード・リンクレイター監督作!

 野球推薦で名門に入学することになった新入生のジェイクは、入学を三日後に控え寮にやってくる。そこで出会ったのは一癖ある野球部の上級生たち。歓迎ムードとはいかなかったが、長い入寮初日を過ごすうちに打ち解けていく。それは人生最高の時代の始まりだった……。

 野球部の特待生の大学入学直前の三日間を切り取った青春映画。こういう限定された時間空間の中、特に何もしない奴らの日常を会話劇で構成する、というのはリンクレイターのまさに定番芸なわけですよ。数時間から一夜を描いた『ビフォア』シリーズ然り、12年間を凝縮した『boyhood』然り。
 今回は舞台を80年代に設定し、その当時に青春時代を過ごした人に音楽やファッション含めノスタルジックに訴えかける……わけだが……。

 うーん、さすがにその同年代に青春時代を共有し、運動系部活や音楽などの趣味に通じ合うものを持っていないとつらい。まずこの野球部員の集団生活に1ミリたりとも混ざりたいと思えない。日本式の気持ち悪い先輩後輩の上下関係こそないが、体育会系のイジメ&シゴキは普通にあってやっぱり超気持ち悪い。そもそも野郎同士でダラダラと一日中つるみ過ぎで、部屋に戻ればブリーフ一丁の男がいて、何とも不快。まさに「この時代に戻りたい! 永遠に繰り返したい!」を地でいくキャラが出てくるんだが、単なる物好きにしか思えなかったね。
 そんな中、主人公は周りの野球部員に比べたら物静かかつ繊細なキャラクターであり、感情移入しやすくなっている……はずなんだろうなあ……でもね……顔が伊藤英明なんですよ……。だめっ、無理! つぶらな瞳ムリ! もう見れば見るほど伊藤英明にしか見えなくてつらい! 髪型もな!

 基本だべってしゃべってるだけだが、さすがにテンポはいいし、意味のわからないエピソードもありつつ我慢比べのシーンなんかは無駄に笑ってしまったところ。もう少し何ぞ共有できれば、という感じだな……。
 数時間でもなく12年でもなく、3日の話というのが逆に凝縮されてない印象で、さらにオチは『boyhood』と同じ、というのもマイナス。

 買ってある『バッドチューニング』を見たい気持ちがガクンと沈んでしまったよ。まあそのうち見るけど……。

”今日もサムズアップ”『小さな園の大きな奇跡』

映画


【予告】小さな園の大きな奇跡

 ミリアム・ヨン主演作。

 都会の有名幼稚園の園長を務めていたルイは、エリート教育に疲れて退職。同じく退職を控えた夫とともに、世界旅行の計画を立てていた。だが、テレビ報道で、田舎の廃園寸前の幼稚園と、そこに通う5人の園児の窮状を目の当たりにしたルイは、自ら新園長に名乗りをあげるのであった。

 福岡アジアンフォーカス映画祭で上映した映画が公開、ということで、なかなか大阪アジアン映画祭の映画も一般公開されない現在、これは見逃すわけにはいかんな……。

 実話ベースで、行政からの支援を打ち切られて廃園になる幼稚園を救おうと、富裕層向けの詰め込み教育をやってるエリート養成幼稚園に嫌気がさした主人公が奮闘する、というお話。
 冒頭のそのエリート幼稚園では、勉強勉強と追い立てられた園児がストレスで自傷に走る、という身の毛のよだつような話が語られ、子供が勉強についていけないと認められない親がなお追い立て、金銭援助を受けている幼稚園はそれを止められない……と、こっちはこっちで放っておけない話なんじゃないの、と思うのだが、主人公ミリアム・ヨン園長はついに辞めてしまう。もちろんそれを批判するわけではないが、この問題に関しては、また新たな英雄の登場を待つしかないのであろうか。
 夫で美術館で働くルイス・クーも、昔ながらの手作り展示にこだわっていたのが予算削減でプロジェクションマッピングに切り替えられ、契約が切れたら辞めることに。
 ルイス・クーの夢である世界の美術館巡りに行くことにした二人は、契約切れを待って行くことにしていたが、そんな折、ミリアム・ヨンがテレビのニュースで廃園の危機にある幼稚園を見つけてしまう……。

 給料は死ぬほど安いが(日本円で月に5〜6万か?)、生活に困ってるわけじゃないし、残ってる園児五人の転園の世話を済ませるまでの間だけにすれば、世界旅行にも間に合うだろう……と夫の承諾も得て、ど田舎の幼稚園に。
 父親の怪我や、両親の事故死など、様々な理由で貧困に陥っている子供達。それを見捨てようとしている行政。中心街と地方の貧富の差などの問題をじわりと浮き彫りにしていくあたり、近年の大阪アジアン映画祭や福岡アジアンフォーカス映画祭でチョイスされてきた「現在の香港」を描いた一本でもある。
 香港映画らしくベタをやり切った内容で、子供はみんな可愛いし、ほっこりさせて笑わせて泣かせる安定感が素晴らしいが、ミリアム・ヨンも今作がベスト・アクトではなかろうか。いい先生なのは間違いないが、若干のやり手感も漂うあたりはまってるし、タフで努力家だが病気も抱えそこはかとなく脆さが感じられるところが、本人の個性にずばり合致している。
 ルイス・クーはまあゲスト出演だと思うが、相変わらずの狂人ぶりで猛威を振るうのであった……。しかしこの二人は共演多いな! 恋愛関係だったり姉弟だったり、関係性は様々だが……。

 実話ベースということで、エンドロールでは本物も出てきたりするわけだが、再現度もなかなかのものでありましたね。こういう映画がもうちょいコンスタントに公開されてほしいなあ……。

コネクテッド スペシャル・エディション [DVD]

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アクシデント / 意外 [Blu-ray]

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ルシフ様の戦争映画ベスト10

映画

 ども〜、今年もワッシュさんのベスト10企画、「戦争映画ベスト10」に参加します。

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 戦争映画かあ、苦手なジャンルだねえ、『ユニバーサル・ソルジャー』とか『ウインド・トーカーズ』とか入れてもいいですかねえ、とか何とか日和ながら、どうにかこうにかひねり出してみました。ご笑覧ください。

1.『フルメタル・ジャケット

 ハートマン軍曹が人気ある前半ももちろん最高なんですが、姿なき狙撃手が迫る後半も最高ですよ。ヒリヒリと、ひたすらに心を抉る映画。


2.『セデック・バレ

 侵略、植民地支配、反乱、内戦、とまあ、二本合わせ技であらゆるシチュエーションを網羅してくる超大作。
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3.『スターシップ・トゥルーパーズ

スターシップ・トゥルーパーズ [Blu-ray]

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 シニカルかつコミカルなバーホーベンならではの風刺劇。


4.『ブラックホーク・ダウン

 流行語大賞を受賞してもいいぐらいに、キャッチーかつ絶望感溢れるタイトルが全てを物語っていますね。


5.『まぼろしの市街戦』

 物悲しくとてもクールな一本。


6.『野火』'16

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 低予算ながら地獄の戦場を端的に切り取った一本。
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8.『イミテーション・ゲーム

 直接の人死にでなくても、人間は、戦争はいかに人間を踏みにじれるか。
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9.『イングロリアス・バスターズ

 ナチスの加害を描きつつ図抜けた面白さの一本。
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10.『ランボー 最後の戦場』

 果てしない悲哀の果ての救いよ……。


  1. フルメタル・ジャケット』(スタンリー・キューブリック
  2. セデック・バレ』(ウェイ・ダーション)
  3. スターシップ・トゥルーパーズ』(ポール・ヴァーホーベン)
  4. ブラックホーク・ダウン』(リドリー・スコット
  5. 『まぼろしの市街戦』(フィリップ・ド・ブロカ
  6. 『野火』'16(塚本晋也
  7. ドローン・オブ・ウォー』(アンドリュー・ニコル
  8. イミテーション・ゲーム』(モルテン・ティルドゥム)
  9. イングロリアス・バスターズ』(クエンティン・タランティーノ
  10. ランボー 最後の戦場』(シルベスター・スタローン

今日の買い物

雑記 映画
シャンハイ・ナイト』BD

 DVDより買い替え。ジャッキー&ドニーコレクション。


『レディ・ブレイド』DVD

レディ・ブレイド [DVD]

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 ジャッキー・コレクション。これは端役。


『女活殺拳』DVD

女活殺拳 [DVD]

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 ジャッキー・コレクション。これにて収集もほぼ終わりかな……。

”寝取られ男のブービートラップ”『ジェーン』

映画 ナタリー・ポートマン


『ジェーン』予告

 ナタリー・ポートマン製作の西部劇!

 西部の荒野で夫のハムと娘と暮らすジェーン。だが、夫のハムがビショップ一家に撃たれて重傷を負う。かつてジェーンを娼婦にしようとしていたビショップは、彼女をさらったハムを追っていたのだった。迫る一家に立ち向かうため、ジェーンはかつての恋人ダン・フロストを訪ねるのだが……。

 全然強そうじゃないナタリーが主演で西部劇……? バカ映画『クイック&デッド』のシャロン・ストーンなんかともまた違う地雷臭が漂う。今作もかなり製作状況がゴタゴタしていて、監督や役者も何度も変わってやっとこさ撮影にこぎ着けた……という、まあまあ曰く付きの代物。相手役がファスベンダーから悪役をやるはずだったジョエル・エドガートンに代わり、悪役はジュード・ロウになったけど監督が降りたので降板し、ナタリーの友達のユアン・マクレガーが買って出たり……なかなか撮影に入れず、監督も『ウォーリアー』のギャビン・オコナーに変更。まあバタバタバタバタ……だったはずなんだけど、でも別に出来栄えにはまったく関係なかったりするのだな……。

 作中でも子供が二人いるナタリー・ポートマン、実年齢に近い役ということだが、老けたというより老いたという印象。単に年を取ったんじゃなくて、過酷な経験を経て人生に対して負い目を背負い希望を失いつつあるがゆえに老いて見える、というキャラクターなんですな。出稼ぎに出た夫が撃たれて瀕死で帰宅し、幼い子と二人。だが、逃げることより戦いを決意した彼女は、エドガートンを訪ねる……。
 エドガートンさんは最初酒浸りで、ナタリーが訪ねてきただけで怒っててどういう関係かわからんのだが、元婚約者であることが段々わかってくる。これは寝取られものですか? しかし「二度と来るな!」と言ってる割に、わりかし近所に住んでるあたり、結構未練あるんじゃないの……?
 果たして銃と爆薬を買いに行ったナタリー、夫を撃った悪者の一味に捕まり家の場所を吐かされそうに……そこへ助けに駆けつけるエドガートン! エドガートンで役名が「フロスト」だから、ぜったい悪役だと思ったらいい人だった、すいません。

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 髪も黒くして誰かわからんぐらいメイクしてるユアン・マクレガーが、かつてナタリーを娼婦に落とそうとし、最初の子を死なせた地元の大ボスで、今の夫はその境遇から彼女を助けた男なのだな。で、婚約者のエドガートンさんは、その危急の際には南北戦争に行って音信不通になっていた、と。

 この辺りの二人のすれ違い事情が順繰りに少しずつ語られていく。寝たきりの夫は半失神状態で、実質二人だけで迎え撃つ準備をしているので、超気まずい雰囲気。
 ここのエドガートンさん、家の前にずーっと穴掘って、ダイナマイトと火炎瓶を黙々と詰め続ける恐ろしい作業を、恨み言混じりにやっててすごい情念。俺を捨てやがって!(でも好き) もう会いたくなかったのに助太刀なんて頼みに来やがって!(放っておけるわけないだろ!) ここのナタリーは確かに図太く図々しく見えるし、うまうまと利用されている寝取られ男が可哀想にも思えるところ。エドガートンさんはこっそりと、若かった頃二人で気球で空飛んで「ずっと二人でこのまま空にいたいね」と言い合った思い出を回想し、「あ〜あ〜、どうせこんなこと覚えてるのも俺だけなんだろうな、へっ!」みたいに情けなく拗ねている。悲しい! 悲しいぞ! 

 悪のユアン軍団、十数人の手下を放ち、広いのか狭いのかよくわからん西部を捜索、一人が家までやってきてエドガートンさんに射殺! 途中、銃撃と言えばこれぐらいで、あとは回想と恨み節が続くのだが、不思議と退屈せずに引き込まれて行く。あまりに文句が多いエドガートンについにナタリーも怒り出し、「私かて苦労してん!」と過去の経緯を語る。今の夫に助けられたことと、その直前に失った「最初の子供」のことを……。
 で、もうこっちが忘れかけてた頃にぽろっとナタリーが呟く。

「昔、二人で気球乗ったよね」

 事ここに到り、止まっていた時が再び動き出す音が聞こえましたね。今ここでこれから始まる戦いが、自身にとっても宿命づけられていた事にエドガートンもまた気づく。こっから「西部劇だぞ!」というテンションに急に上がって来る。
 深夜に強襲をかけるユアン軍団。数では圧倒的に優勢……なはずなんだが、のこのこと入ってきた中庭には……! エドガートン、地味なおっさんに見えるけど南北戦争の元英雄で、「舐めてた相手が実は殺人マシンだった」ものに近い構造だが、家で待ち受ける二人の間にものすごい情念が渦巻いていて、数を頼みにそこに踏み込んでくる悪役は、文字通り地雷原に踏み込んだかのように爆砕される。数年に渡る寝取られ男の鬱屈の小さな火と、子を失った女の復讐の火が、二つ合わさって炎となったかのような……だが、これこそが希望の炎だ!
 徹底して、登場人物がその場で見渡せる視界から離れないカメラワークが地味に上手く、このブービートラップの大爆発も窓越しのアングルではっきり全貌が見えないのだが、それゆえに燃えてる人間がチラチラ見える快感がすごいよ。

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 悪役のユアン・マクレガー、なかなか凄みがあるんだが、やっぱり彼ならではの妙なおかしみがあって、自分が負けるとか微塵も考えてない呑気さみたいなものも仄見えるあたりが面白い。
駅馬車相乗りは危険!という『悪党に粛清を』と同じ内容も孕みつつ、登場人物少ない割にウェットかつタイトにまとめてて、意外にも面白かった。エドガートンさん絶好調だな……。

”愉快な贈り物”『ザ・ギフト』

映画


映画『ザ・ギフト』予告編

 ジョエル・エドガートンの監督・脚本・主演作!

 都会を離れ、故郷へと移り住んだサイモンとその妻ロビン。買い物の途中、サイモンは高校の同級生だったゴードと再会する。再会を喜んだゴードを家に招いたサイモンだが、ゴードはその日以来、何かと贈り物を届け、家を訪ねて来るように。それを嫌がるサイモンの態度にも、ロビンは不可解なものを覚えるのだが……。

 最近は『ブラック・スキャンダル』で、まあ映画はそこそこだけれどこの人はこういうコスいキャラが上手いなあと思っていたエドガートン。『ウォリアー』では身体も鍛えてたけど、今回は中年太りしてます。

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 ジェイソン・ベイトマンレベッカ・ホールの夫婦が、ベイトマンのハイスクール時代の同級生であるエドガートンと出会う(夫にとっては再会)。ディナーを共にして以来、時折訪ねてきたり贈り物をしてくるエドガートン。妻のホールさんにしてみたら、悪い人じゃないけどそんなに盛り上がったわけでもないし、なんかちょっと重いな……というぐらい。しかし、出没するエドガートンは徐々にエスカレートして行き……。
 ……とまあ、こんな感じでなんかストーカーものっぽくなっていくのかな、と思ったのが予告編の印象だったのだが、じわじわと雲行きが怪しくなってくる。ただの同級生との再会にしては、夫の態度がおかしい。なんだかスタンスが定まらないと言うか、内心嫌がっているらしいのだが、妙なうしろめたさが仄見え、にも関わらず見下してもいる。二人の過去は、本当にただの同級生だったのか……?

 エドガートンの行動にも虚言癖が透けて見え始め、やはり危険な人物だったのかと思わせるのだが、それは実は夫からも感じられる違和感の反証にはならない。
 ストーリー的には、ここでレベッカ・ホールさんのメンタルにも、通院歴や薬物依存の時期があったことが明かされて余計にややこしいことになる。誰を信じていいのかわからない。
 最初の印象からすると、途中からがらりとお話が変わったように受け取られかねないところなのだが、そこを曖昧にしてじわりとシフトさせていく。三人のメインキャラの誰にも視点を固定させず、それぞれのパーソナリティにも踏み込み過ぎず、余白を生んでいく。

 心ない一言や幼稚な悪意によって人生を破壊された人の逆襲の物語として、痛快さも備えているのだが、人によっては自身の過去を顧みて胸をえぐられるかもしれないし、愛し信頼していたパートナーの薄汚い一面に気づかされる話としても読める。三者三様の物語が一本の映画の中で絡み合っているのが、定型パターンのサスペンスと一味違う味わいを生んでいる。仕組まれた陰謀もあるのだが、自業自得としか言えない災難も降りかかり、因果応報めいた展開も含んでいる。かっちりしたプロットではないかもしれないが、複雑で文学的にさえ思える。

 いや〜、エドガートンさんの顔に似合わぬ才気溢れる一本で、堪能しましたよ。レベッカ・ホールさんは相変わらずの背中美人で、今回はハマリ役ですね。ジェイソン・ベイトマンの頭も切れて成功者然としたオーラを漂わせているにも関わらず、どうしようもない下品さが臭うあたりも最高。

 シナリオの面白さはもちろんだが、ちょっとした驚かしのシーンの撮影なども凝っていて、色々な視点から楽しめる映画でありました。

ウォーリアー [Blu-ray]

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