”この映画をなぜ作ったかというとそもそも……"『トリック』
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起業家にして資産家のレムコは50歳。妻が音頭を取って開いてくれた誕生パーティの日を、二人の子と共に迎え、得意の絶頂であった。だが、彼の与り知らぬところで会社は傾きつつあった。さらに、パーティに関係を清算したはずの愛人が、大きな腹を抱えて現れ……。
こないだオリジナルの『ロボコップ』観たら、もう泣いてしまうぐらい面白かったなあ。そんなバーホーベン監督の新作は、『ブラックブック』以来。しかしそれがこの未体験ゾーン扱いということで、こりゃあひどい。しかし、『MUD』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20140219/1392725316)に続く目玉であることは間違いないだろう……と見る前は思っていたのである。
しかしまあ、いきなりメイキングが始まったから卒倒しそうになったYO! まさに未体験。ネタバレこそなかったものの、その分、このメイキング自体が面白くなくなっているような気もする。まあしかし、50分ちょいの本編を見た後に、30分もメイキング見るかというと見ないわなあ……。核心に触れないメイキングというのは、かくも回りくどいものなのだな、ということで、何度も寝落ちしかけましたね。
ついこないだ見たばかりのデ・パルマの『パッション』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20131016/1381930399)から、レズと画面分割を抜いたようなお話で、腹黒い人しか出てこないあたりが清々しい。妻と二人の愛人の間にいる男だけがまったく何もわからずに翻弄されているのだが、やましいことあり過ぎで、ちょっとでもあり得そうだったら簡単にだまされてしまう。美女ばかりと遊んでちっともかわいそうではないので、むしろもうちょい痛い目を見るべきだが、そこらへんもラストに示唆。
脚本公募で、抜粋抜粋のいいとこどりで作ったそうだが、結局、最大公約数的なものにしかならなかったという印象。まあ一時間のテレビドラマだな……。みんな「バーホーベンにこんなのを撮ってほしい!」と送ってきたのは共通してて、監督が渋い顔して「家を爆破するようなのはボツにしたよ」と語るところが最大の笑いどころであった。それでも残った要素は、おっぱい、セックス、ドラッグ、金だったわけだが……。
まあでも、ラストの共同経営者のガッツポーズは、完全に『ロボコップ』の黒人の重役のそれと重なったので、よしとしたいところであります。
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