"これが筋肉の素晴らしさ"『ロッキー・ホラー・ショー』

 カナザワ映画祭2013、三本目。


 めでたく婚約したブラッドとジャネットのカップルだが、婚約を恩師に報告に行く最中、山中で車がエンスト。電話を借りようと訪ねた先は、巨大な城だった……。せむしの男に案内された場内で繰り広げられていたのは奇怪なダンスパーティ。こうしてめくるめく濃密な狂乱の夜は幕を開けた……!


 噂には聞き及んでいたものの、まあ映画単品で見るかと言うとちょっとなあ……という代物。今回は完全にイベント上映ということで、最高の環境で参加できるのでは、ということで鑑賞と相成りました。


 キャラクターのコスプレで固めたロッキー・ホラー・ショー・ファンクラブが場を彩る中、MCに高橋ヨシキ氏が彼女の声援を受けつつ登場。私財を投じて観客にビールを提供! すごい争いになったけど、前の方にいたからしっかりゲットできましたよ。景気づけしつつ、まずは作中のダンスの練習から! まあとりあえず、サビは覚えた。


 映画が始まると、ファンクラブメンバーがスクリーン上のキャラクターの動きに合わせて舞台上で同じ動作を展開! ヨシキ氏が絶妙(まれに微妙)なタイミングで間の手を入れ、こちらもそれに合わせて騒ぎまくる! 紙吹雪を投げ、クラッカーを鳴らし……ちなみに水鉄砲と火気は厳禁でした。


 エキセントリックなキャラが次々と出てきて、平凡なカップルがそれに巻き込まれてペースを乱され価値観を揺さぶられて……というお話であるが、今こうして振り返っていても映画の細部はどんどん記憶からぼやけて消えて行き、思い出せなくなりつつある。いや、帰ってきて「ソフト欲しいな〜」と思ったけど、それは物語やビジュアルの細部を確認するためではなく、「あのダンスの振りを完璧にしておきたいな」という動機から生まれてきたものだと気づいて衝撃を受けてしまったね。
 まあストーリーを確認するのは、もう一回このショーを「体験」した時でいいんじゃないでしょうか!

 超若い頃のスーザン・サランドンがずーっと下着でうろうろしているのにはびっくりしたなあ。38年前か……しかしスーザン・サランドンは、やっぱり若い頃もスーザン・サランドンで、今とあまり変わらん。
 途中からマッチョ男が出てくるが、筋肉はやっぱり素晴らしいね。鍛え上げた筋肉がビームを曲げてしまうところでは興奮したわ! そして、ラストはなぜか『ファンタズム』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20130920/1379650772)と似ていたな……。


 初日の締めに相応しい、最高のイベントでありましたよ。スタッフの皆さんも、ファンクラブの方たちもヨシキさんもお疲れ様でした!

暗黒映画入門 悪魔が憐れむ歌

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