”今日もいいワインを開けよう”『ローマでアモーレ』
ウディ・アレン監督作!
今日もローマではいくつもの物語が生まれる。電撃婚約した娘のためにやってきた引退したオペラ演出家。建築家を目指す青年。田舎から移住してきた新婚夫婦。そして、ごく平凡な会社員……。彼らに訪れた事件は、人生を揺さぶるものになるのか?
実はウディ・アレンの映画って初めて見たのである。去年の『ミッドナイト・イン・パリ』は多少興味があったが結局スルーし、そして今作……なんで見たかと言うと、そりゃあエレン・ペイジが出てるからに決まってるだろ! 去年は公開作なかったしなあ……。
そうは言っても脇役だろ、と思っていたが、四〜五本並行して進む話の一本で堂々たるメインであったからホッとしましたよ。ローマで暮らすジェシー・アイゼンバーグのところに、同棲している彼女の友達エレン・ペイジが転がり込んでくる、という設定。いつも通りトークは立つけれど、横でアレック・ボールドウィンがいちいち指摘する通り、その中身は空疎で上っ面だけ、でもかわいいんだよ!という役。そんな彼女にわかっちゃいるけどはまって行くジェシー、というお話。
ふふっ、そう、エレン・ペイジとの恋愛って、きっとこんな感じなのかもしれないな……というわけで、この調子でアレクサンダー・スカルスガルドとも別れやがれ。
その他、ぎこちない新婚の夫婦、突然有名人になってしまう中年男、引退後の生活を持て余すオペラ演出家の物語が、相互に絡まずに展開して行く。美しいローマの街並みの中で、四本の関係ない話が並行して進んで、恋愛と家庭と仕事とセックスについてをワイン飲みつつ皮肉を交えて語る……。
ああ……なるほどねえ……きっと毎回こんな感じなんだろうなあ。そして、これを好きな人がいるというのも何となくわかる。場内ではちょこちょこウケてる人もいたし……。
久々のロベルト・ベニーニが、老けてないなと思ったらてっぺんハーゲンになっていたり、ペネロペ・クルスが必要以上にムチムチで、むしろだらしないバディになっていたりと、豪華キャストやローマの街並みは楽しい。あと、あまりにみんなワインを飲んでるので、自分も一本開けたくなりましたよ。
まあしかし、はいはいわかったわかった、嫌味ったらしい野郎だな、パス。という感じで、今まで観なかったのは正解であったし、これからも別に見ないでいいだろう、と思いました。チャオ。
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